時間がポッと空いたので、渋谷文化村ザ・ミュージアムで開催中の「ピエール・アレシンスキー展」に。
1927年生まれ、今年で89歳(!)のベルギーの現代美術家である。
1948年制作(2001年再刷)のエッチングから始まり、50年代、60年代・・・2015年制作の作品まで、躍動し、爆発し、うねり、流れ、連続性のある、自由闊達な作品を見ていく内に、なんだか身体の内側からエネルギーが湧き出てくるよう。
イーゼルに掛けず、床に紙を置いて、墨壺を持って身体を使って描いていく手法を友人から教わったというが、これ、まさに蔡 國強氏(中国の現代美術家)も同じ方法で作品を作っていた(!)(もっともビデオの中で「今は歳も取っているし、イーゼルにキャンバスを置いて描いている」と語っていた)。
1955年に日本を訪問し、禅の画家や前衛書道家との交流から,自由奔放な筆の動きに影響を受け、また、アメリカのコミック本に刺激されて画面をコマ割りして描いた作品など、どれもこれも、決まりや定型やパターンにまったく縛られない、どこまでも広がり移動し、枠を飛び抜けたような圧倒的な筆の勢いから生まれたダイナミックな作品が、年代ごとに変わるもの変わらないものを巻き込みながら、迫ってくるのであった。
蚤の市で探した古い手紙や古文書、航空図、中国の紙や日本の紙・・・様々な紙をキャンバスで裏打ちした作品群も,見ているとどこまでも想像が広がって面白い。
ビデオで,「もし色のついた液体を手につけて動かせば、何か描けるかもしれない。。何もしなければ、もう歳を取って終わりだと思ってしまう。。」と語っていたが、90歳を前に、まだ何かを創造することへの気持ちが日々湧いていることに感動する。
まだまだワタシは発展途上だなぁ〜。。。と、あらためて気持ちを引き締める思いでありました。
現代美術の展覧会は比較的空いているのもゆっくり鑑賞できて嬉しい。
見終わって、寒くて雨が降りそうな日だったけど『ドゥ マゴ パリ』で大好きなホットワインを飲んで幸せ!
ゆったりと満たされた午後のひとときでありました。
詳細は、以下のHPで
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/16_alechinsky/