izumishのBody & Soul

~アータマばっかりでも、カーラダばっかりでも、ダ・メ・ヨ ね!~

シネマ歌舞伎で玉三郎の「阿古屋」を堪能!

2017-01-17 13:50:27 | 映画

最近は映画で、世界トップのバレエやオペラ、歌舞伎などの公演が観られるようになった。

それも、公演そのものだけでなく準備までの舞台裏の様子や、演じる役者さん達の心情など、制作過程を追ったドキュメンタリー部分もあって、より深く鑑賞することができる。

これはとってもとっても嬉しい!ありがたい!!

 

今回は、玉三郎が主役となるシネマ歌舞伎「壇浦兜軍記 阿古屋」が桜木町にある「横浜・ブルク13」で(!)、しかも、平日!しかも夕方!! 教室の指導が終わってからゆとりをもって行けるし、帰りは駅前からバス1本!!これを逃すテはない。

 

「阿古屋」は、琴、三味線、胡弓の三曲を,立て続けに演奏するのが見所の舞台。

傾城の阿古屋が恋人である平家の武将・景清の居所詮議で、代官・重忠から、琴・三味線・胡弓の三曲を演奏させる。

阿古屋が隠し事をしていれば、三曲の演奏に乱れが出る、というワケである。

 

玉三郎の品格ある佇まいや色気、景清を思う心情、それに絢爛豪華な衣装と、息を吞むほど美しい。。。

それに加えて演奏する三曲の力強さ。。!まるでライブを聴いているような迫力ある音なのであった。

 

『現在、この役を演じられるのは、板東玉三郎ただ一人』とあるように、琴、三味線、胡弓という調子も弾き方も特性も違う三つの楽器を弾き、しかも、阿古屋という傾城を演じるのだから、並大抵のことでないワケで。

稽古場や歌舞伎座での様子、裏を支えるスタッフなどの映像もあり、若い役者が途中で「これ,難しい〜〜。もう無理〜〜!!」と途中で投げ出す様子などもあり、面白い。。。

三味線や琴はもちろん、衣装もカツラも、細かいところまで念入りに丹念に調子を整えている様子や、本番の公演では舞台裏に三味線や琴などの専門家が楽器を持って控えている様子などもあり、これだけの大勢の裏方が自分の役割に専心し、全員が熱意を持って「阿古屋」という舞台を完璧に作りあげていることに感動!

 

シネマ歌舞伎のいいところは、また、劇場では遠目にしか見えない場面もアップで観ることができる。歌舞伎の台詞などもはっきりよく聞き取れて、歌舞伎を見慣れていない人にも分かりやすい!

この舞台では、玉三郎の美しさはもちろん、詮議する代官重忠を演じた尾上菊之助がお人形のように美しかったのにもハア〜、なのでありました。

 

 

 

 

 

 

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クラーナハ展で、”怖〜い絵画”を知る

2017-01-08 13:33:04 | アート・文化

新年明けて、穏やかなお正月も終わり、上野・西洋美術館で開催中の「クラーナハ展」に。

 

宗教改革のマルティン・ルターの肖像画を観たことあるが、「日本初、クラーナハの大回顧展」である。 

15世紀から16世紀にかけての”ドイツ・ルネッサンスを代表する芸術家”クラーナハ。

回顧展は、宮廷画家であった彼の、キリスト教やギリシャ神話などの物語に題材を取った作品と、神聖ローマ帝国皇帝やザクセン候を描いた多くの肖像画、それに、クラーナハの絵画に影響を受けた後年の芸術家達ーマン・レイ、マルセル・デュシャン、ピカソ等の作品も展示され、芸術作品が次々に別の手と目によって更に新たな作品となっていく様なども観られて興味深かった。

 

クラーナハが描くヴィーナスは、見慣れたヴィーナス像とは違う表情、バランス、美しいだけでなく陰のあるエロティシズムを漂わせている。

パンフレットとなっている「ホロフェルネスの首を持つユディト」をはじめ、「洗礼者ヨハネの首を持つサロメ」とか、「サムソンとデリラ」、「ロトとその娘たち」、「ルクレティア」などの悲劇的な物語を題材とした作品は、女性の冷たく美しい表情とその手にとらわれた男の哀れさが怖い。

板に描かれた油彩作品は、キャンバスとは違う艶やかさと光沢感があって、軽妙な(現代的な、とでもいうか)親しみを感じた。

一番気に入ったのは、上記の作品と、「夫婦の肖像(シュライニッツの夫婦?)」という作品。

左右一対となっている大きな板に描かれた作品は、宝飾のきらめきや身にまとっているドレスやガウンのなめらかなヒダや陰影まで、細やかで丁寧に、完璧に美しい調和のある作品で、観ていて飽きることがないのでありました。

 

帰りに、美術館内の売店で「『怖い絵』で人間を読む」(中野京子・著)を購入。

この本にはクラーナハの作品は出てこないが、読むに付け、その絵画が描かれた時代背景や社会の動きなどを知ると知らないとでは、面白さも全然違う!ということを再認識。

クラーナハの作品に「ゲッセマネの祈り」というのがあったが、「ゲッセマネ」って、実は、大好きなAXNミステリー「ルイス警部」の中で、助手のハサウェイ刑事が口にしていたことがあって、それも印象に残ったのであった。

(余談ですが、「ルイス警部」で助手のハサウェイを演じるローレンス・フォックスは大好きなイギリスの若手俳優。父、叔父、共にイギリスの有名俳優。ドラマでは”ケンブリッジ出身の元聖職者の刑事”という設定。今どきの若者らしい軽さ、お洒落な格好、キツイジョークなどなど・・・スキだわ〜)。

 

クラーナハ展は1月15日(日)まで。オススメです。

 

 

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