天の川は英語ではmilky way。。何故”milky”というのか。。。?と言う解説から始まった「星と怖い神話 怖い絵×プラネタリウム」。「怖い絵」シリーズの著者である中野京子さんが解説、ミッツ・マングローブさんがMCを務める上映である。中野京子さんの著書「怖い絵」は、数々の西洋古典美術を”怖い絵”という切り口で解説し”眼からウロコが落ちる”感じで面白く読んだ。それまで感性でしか観てこなかった絵画鑑賞を、その背景、由来、といった観点から観ることでより深く作品を理解することができる、ということを示してくれたドイツ文学者であり美術史家である。
プラネタリウムで?解説?上映??どんな感じになんだろう???サイトを見ると、座席は椅子席と三角形の大きなビーズクッション席(?)のどちらか。プラネタリウムのドームがあって椅子席が倒れる空間しか思い浮かばなかったので、会場のイメージが湧かない。。。😅
実は友だちと一緒に行くつもりだったがスケジュールがなかなか合わず、よく見たら7月22日が最終上映(゚Д゚)。「行くなら今日しかない!」っと、午後の回に時間を合わせてドタバタと家を出たのが20日。会場は、有楽町駅すぐ前の有楽町マリオン9階「コニカミノルタプラネタリウム」だ。
DOME1の方に入場すると、そこはまさにプラネタリウムのドーム型の天井が広がる空間。中央のビーズ型クッションシートが並び、囲むように椅子席(サイドテーブル付き)が並んでいる。クッションシートは天井の星空を真上に仰ぐように座れる。リラックスできそうだ。で、ドーム全体に広がる星空を背景に、ギリシャ神話を題材にした古典名画が投影され、ミッツ・マングローブさんの進行で中野京子さんが一点ずつその絵の意味するところを解説する。面白い!
満点の星空に流れる「天の川」は英語では「milky way」という。何故 milky wayというのか??
その由来を描いた絵画作品がまず天空に投影される。ギリシャ神話の神ゼウスとその妻ヘラの確執を描いたものだ。
ゼウスが自分の愛人が生んだ乳児を、豊富な乳が出るヘラの胸に押しつける。よく見ると、ヘラの乳首から白い細い線が数本ピューっと真っ直ぐに勢いよく描かれている。乳が放出している様を描いたものだ。これが「milky way」と呼ばれるようになったそもそもの由来なのだとヽ(゚Д゚)(ゼウスとヘラ、と何故分かるか?実は絵のなかにそれぞれを象徴するものが描かれているからだと。。何かは忘れちゃいました(^_^;))。自分の夫が他の女に産ませた赤ん坊を、何気にヘラに押しつけるゼウス・・?!!これは怖いでしょう〜!!(ヘラがゼウスの愛人たちに次々とトラブルを持ちかけるのも無理はない)。
何点かの絵画作品の中でも、もっとも怖い絵が「我が子を食らうサトゥルヌス」だ!!
この作品は、1636年-1638年にルーベンスが描いたものと、1819年-23年にゴヤが描いたものと、2点が投影されたが、どちらもタイトル通り我が子を食らっている絵だ。サトゥルヌスは土星(=サトゥリア)の神。キリスト教でいうところの”サタン”とは違う言葉なのである(というのも初めて知った😲)。ルーベンスの方が写実的で怖さが一層増す。ゴヤの方はちょっとおどろおどろしいけどユーモラスでもある。タッチも作風もまったく異なるが、テーマとするのはどちらもギリシャ神話(自分の息子に倒される運命を聞いていたので、生まれた子供をその都度呑み込んだという?!)だ。
最後は有名な「ヴィーナスの誕生」で締め。愛と美を司るヴィーナスの誕生にも、背景にゼウスとヘラが関わる怖〜いお話があるのだった。。。😅
そんなこんな、え〜っ!?そうなの〜!!ということばかりの45分間。星空を眺めながらリラックスして西洋古典絵画の背景も分かって満足、気持ち良かった〜!😊でした。
ここでは、今回のような上映の他、「LIVE in the DARK〜CLASSIC−」と題してプロによるクラシック生演奏が開かれているという。こちらも気持ちよさそう〜(*^_^*)なのであった。