前回から間が開いてしまった。。その5「攬擦衣」−1 です
第二姿勢 攬擦衣
全身の力を一斉に合わせ、身体中の関節をそれぞれ呼応させる。例えば手と足の動きには自ずと賓主の区別があるように右手と右足が主になれば左手と左足が賓となり、どの動作も胸中で計算されたものでなくてはならない。併しあまり気を使いすぎると硬くなり、気を緩めると締まりがなくなるので、気を使いながら気を緩める容量で進めるようにする。
① 臀骨を起こす前に前股を合わせれば臀部は自然に上がる。
② 腰は上体と下体の紐軸である。軽く据えて軟らかすぎず、硬すぎないよう折衷の要領で姿勢をとる。
③ 後肘の外側を角張らせ、内側を円くする。肘中央と左肘の力をやや前に合わせ逆な方向を取らないように注意する。
④ 肩を下ろし、釣り上げないようにする。
⑤ 首と肩の間を真っ直ぐにするが硬くならないようにする。
⑥ 頭頂の功力は天も轟くような心構えが必要だが、あまり気を強めてはならない。
⑦ 眼は前にある手の中指を見、よそ見しない。一身の運用は其の一身にあり。精神の運用は眼にある。故に眼は凝神注視するよう。右手を主とし、左手を賓とするので眼は右手に従って運行させ、右手が運行を停止すれば眼は右手中指の腹を凝視する。これは手を動かした後、元に戻った所である為、力を入れる。
この時、運動している手は停止しているかのように見えるが、実際上、其の内面で運動する霊気は停止していない。もし停止すれば木は次の姿勢と分離される。天地陰陽の運行は停止することがないので、二気は身体の中に手も停止することが許されない。気は運行すればするほど充実し、下勢は上昇し、陽極に陰が生じ、陰極に陽が生じるのである。
⑧ 左腿はやや曲げるが、軟らかくしないよう。
⑨ 踵はしっかり踏み締める。
⑩ 足の五指は力を入れて地を摑むようにして立つ。こうしないと上体がぐらつく。
⑪ 股を円く開くと安定する。
⑫ 両脚の間隔を一尺五寸ほど開かせる。丁の字に似たような八の字に近い形で、後ろ足の指をやや中側に合わせると安定する。
⑬ 前足は八の字に構え、しっかりと地を踏み締める。
⑭ 臑骨と後臑の力を合わせる。
⑮ 右膝と左膝の力を合わせ、前腿部で後腿部を支持するよう爪先で立つような感じで立つ。
⑯ 華蓋から右門は軽虚に含むようにし、気を横いっぱい胸中に漲らせない。
⑰ 胸をゆったりと開く。胸を緩やかにすれば全体が快適となる。あまり気を使い過ぎず、また、緩め過ぎないように。
⑱ 肘先を落とし、やや外に向くようにし、後肘を力を合わせる。
⑲ 掌を横に向ける。
⑳ 前の手は右肺部より一回りし、鼻の外側を通り、九分展開させて停止させる。この間、真っ直ぐなようで曲がらせ、曲がるようで真っ直ぐなように保ち、後の手と揃えて上下させる。中指を主とし、後手と一斉に力を合わせる。
次に続く(2019,1,29)