2017年は、私の太極拳生活にとって大きな変化があった。
まずは第8回大会からお手伝いを始めた品川区武術太極拳連盟副理事長を退任したこと。
三代一美先生の推薦を受けて品川区連の副理事長を引き受けて6年間。前理事長が体調不良でほとんどの運営を任されていたものの、年々、細かいことでストレスが溜まり、「先生、品川区連の副理事長を辞めていいですか?」と聞いたのが、確か、春頃のことだった。
6月に退任し、8月末まで細かな引継ぎ作業とほとんど同時期に、ここ40年近く師事してきた一美先生の体調が悪化し、緩和ケア病棟に入院した。
多忙を極めていた副理事長職を離れて、少し手が空いたところに一美先生の病状悪化があり、9月になってからは週に一度病室で、助けにもならないお世話をした。
先生は10月に闘病の甲斐なく逝去されたが、私としては、悔いを残すことなく先生を見送ることが出来た。。。。
何か、見えない自然の力が導いたのだと思いたくなる流れであった。
そんな一年ではあったが、合間をぬって遊ぶことも、もちろん忘れない。
渋谷、六本木、竹橋、銀座、上野と、ちょこちょこと好きな美術館やギャラリーに出かけた。
今年の一番は、なんといっても渋谷・Bunkamura ザ・ミュージアムで開催された「写真家 ソール・ライター展」。
会場で買った本は、繰り返し見て、読んでいる。そこに掲載されている写真と、ひと言二言のメッセージが、どれだけ心を鎮め、安心させてくれることか。。。
ソール・ライター展は二回も観に行ってしまった!
http://blog.goo.ne.jp/izumish0310/e/d9f92830bdb496ed361ab0f82dc8aa04
「ダンサー、セルゲイ・ポルーニン〜世界一優雅な野獣」も素晴らしく感動した映画だった。
天賦の才能に恵またからこその孤独、葛藤、闘い、美しさを希求する心。。。。
才能と引き替えに神様は魂までも求めるのか。。。そんな、心が震えるほど美しい映画であった。
http://blog.goo.ne.jp/izumish0310/c/ba1b0afe2de7d0ab24c635438adce350
今年は、ほとんど本を読む時間がなかったが、後半になってやっと積んでいた本を手に取る時間ができた。
読み始めた数冊の中では、イーユン・リーの「千年の祈り」。エミリー・ディキンスンの詩集「わたしは名前がない。あなたはだれ?」。それに、カズオ・イシグロの「わたしを離さないで」が深く心に入ってきた。
孤独と向きあう強さ、感性を持った人ーーそんな人と、彼らが創造する作品が好きだな。
社会的な地位とか肩書きとか、資格とか、看板に惑わされず、自分一人でいることが出来ること。
競わず、連まず群れず、流されず、本質を見つめる眼を持ちたい。
本を読んだり映画や絵や写真展を観たり、もろもろのことは、そのための指針でもある。
私にとっては太極拳もその一つ。
天と大地の間に立って、自分の軸が天地の軸に繋がっているようなイメージが、ここ最近、たま〜に出てくることがある。
天と地の間に、自分一人立っている。。。って感じ。
カラダを通して感じたことが真実、といえるように、来年もまた地道に日々錬磨を重ねられるように努力したい。
とはいえ、言うほどに人間が出来てるワケではないからして、やっぱり、人の言動が気に障ったり、腹が立つこともあるから、来年は心の修行もしなくてはなりませぬ。