犬神スケキヨ~さざれ石

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責任は我らにある

2018-01-15 21:00:29 | 草莽崛起
北朝鮮の平昌オリンピック参加が決まりました。

米国トランプ大統領は『アメリカの圧力が効いて、オリンピック参加が決定した。』と言う様なツイートもしています。

一体これはどういう事なのか?

朝鮮半島はどうなるのか?

少し考えてみたいと思います。

南北の当局者同士の会談は2015年12月から約2年ぶりとなりました。

そしてここへ来てバタバタと北朝鮮により平昌オリンピック参加が決定した。

時間的にはギリギリのタイミングで、これを過ぎれば事実上、参加は難しくなったでしょう。
北朝鮮選手団受け入れには、韓国側も警備等含めて準備が必要ですから、タイミングとしてはギリギリであったと言う事です。

また、年明けの金正恩による演説もありました。

核とミサイルは完成した!
平昌オリンピックは朝鮮民族として成功させなければならない、よって北朝鮮も参加する!

と、この様な内容でありました。

アメリカ、韓国、北朝鮮の思惑とは何なのか?

これをそれぞれ分けて考えてみる方がより理解が出来るのではないでしょうか。

韓国の思惑は先ずこのタイミングで一番望むのはオリンピックの成功であるのは間違いない。

その上で何をやらかすか予測出来ない、北朝鮮になど邪魔はされたくない。
北朝鮮は88年ソウルオリンピック前に、大韓航空爆破テロをやっています。

加えて北朝鮮に対して対話を呼びかけていた。

それがいわば韓国の立場です。

北朝鮮の思惑は、先に述べた韓国の立場につけ込む様な形で、北朝鮮側は『オリンピックを成功させてやろうか?』と、更に自らも参加してやろうと言うものです。
正に韓国に恩を売る形です。

しかし、これは一言で言うなら

時間稼ぎ

この様に思います。

つまり、現在1月です。
オリンピック・パラリンピックに出場すると言う事ならば、少なくとも2、3ヶ月の時間稼ぎになる。
この間は軍事衝突はない。
金正恩としては安心して核とミサイルの開発が出来る訳です。

アメリカの思惑は、ここまでは圧力をかけるとやって来た。
その上で今回の南北の対話は応援すると言っています。
大統領自身がそう言っています。

そうなると方針転換したと見る向きもあるが、これは原則としては変わっていないと私は思います。

対話なのか?圧力なのか?そんな二元論的な話ではないという事です。

そもそも何故圧力をかけるのか?

それは核とミサイルを放棄させる為であって、それが大前提です。
これが目的なのですから、その目的達成の為の道筋の途中に対話をすることがあるという事です。

つまり、金正恩が『我々は核とミサイルを放棄する』と言う事になれば、それはアメリカにとっても目的達成と言う事になります。
その上で、では何故北朝鮮が核とミサイルを放棄したのか?となれば圧力をかけ続けたからだ!となるわけです。

そしてアメリカとしては、この南北対話が成される要因はなんだ?となれば

我々が圧力をかけ続けたからこその南北対話、北朝鮮オリンピック参加である。

その上で、何が起きるのか?
これを見てみようじゃないか!

これがアメリカの思惑でしょう。

今般の南北対話の議題は『オリンピック』です。
オリンピックからもう一歩踏み込んだ話しが進むのか?
と、言うところです。

一歩進んだ話しとは正に『核とミサイル』な訳ですが、目下のところ、そこまでは対話してません。

当たり前の話しで、大事な命の保証と商売の種である核とミサイルを手放すはずもなく。
更に北朝鮮からすれば韓国・文在寅に恩を売ったぐらいのもんです。

北朝鮮の核弾頭搭載ミサイルの開発までには、後一年はかかるだろうという見方が大勢です。
火星15号はロフテッド軌道で発射し、距離は充分にアメリカ本土に届くとされていますが、しかし弾頭部分は大気圏再突入の際にバラバラになった、核の小型化にもまだ成功していないかもしれない、たとえ成功していても弾頭部分の大気圏再突入の問題がありまだまだ開発には時間を要するという見方が大方の専門家の意見です。

その上で、オリンピック開催期間を含めて約二か月の猶予を与えても、直接アメリカの脅威とはなりません。

更に、北朝鮮が核やミサイルを放棄せずに軍事的オプションを取る場合でも最大限『対話を試みた』と言うアリバイ作りが出来るのです。

いずれの場合にしろアリバイが必要な訳ですね。
対話も何もない!俺たちはいきなり攻撃するんだ!なんて事はないのです。

我々は胸襟を開いて対話を試みたが、北朝鮮は乗らなかった、ここまでやったのに...

そこがアメリカにとっては狙いですね。

そして何より国連安保理での『武力による制裁』と言う決議が取れません。

しかし、アメリカはその片方では、決議が取れない場合でも有志連合と言う形をとる為の措置も講じている事は事実です。

またアメリカは全く韓国を信用していない。
その信用していない韓国に出来た親北朝鮮政権

益々アメリカは信用出来ません。

青瓦台には兼ねてより北朝鮮の工作があり、本当に重要な話しが出来ないのです。
それは情報の漏えいがあり、またそれを幾度も指摘するが全く改善されないでもいる。

しかし北朝鮮は、そうはいいながらもミサイル発射実験の兆候も見せています。

ここまでわかっていながら『北朝鮮のオリンピック参加を歓迎する』と言ってしまう韓国大統領。
アメリカからすれば警戒せざるを得ないのです。

北朝鮮にしてみれば
俺が一発撃っても、お前ら何も出来んだろ?と言うところでしょう。

このしたたかさこそが北朝鮮なのです。

常に日和見の事大主義韓国とはその外交的駆け引きは歴然と差を見せつけるのです。

さて、この情勢において我が国は一体どう動くのか?
これが大問題になります。

我が国は拉致と言う問題を抱えている。

この三ヶ国の思惑を黙って見過ごす訳にもいきません。

その上で、官房長官は『圧力をかける路線に変わりはない』と早々会見で述べていました。

安倍総理はNHKのインタビューに『日韓・日米韓でよく連携し調整していきたい』と答えています。

つまりこれは対話の為の対話はしないと言っているのです。

我が国が最も警戒すべきは、我が国が蚊帳の外に置かれて見捨てられた様な状態になる事です。

具体的にはアメリカが北朝鮮の核を認めてしまい、しかしミサイルは辞めろ!
その様な路線に舵を切った場合。

これが日本にとっては最悪のシナリオとなります。

アメリカにとってはICBMさえなければ脅威となり得ません。
アメリカはこれで良いでしょう、しかし我が国には500発を超える中距離弾道ミサイルが、狙いを定められた状態です。

アメリカが核を認めてしまえば、益々核開発が進み小型化され、ノドン等の中距離弾道ミサイルに搭載されてしまいます。

我が国は更に核の脅威に晒されてしまいます。

支那・ロシアに次、北朝鮮の核の脅威に対処せねばなりません。

我が国に一国で対処できる範囲ではない。
核武装をしていない我が国は現在、アメリカの核の傘によって対処している現実を見れば、それすらを超える事態となると、日本が傘武装せざるを得ない状況になります。

今は『核とミサイル』と言う一元的な対処になってはいるが、これが二元的になったなら?

つまりは

核とミサイルを別々に考える
その様な話しになれば、我が国は厳しい状況に置かれてしまいます。

これは我々は最も警戒せねばなりません。

しかし、一部では『アメリカは日本を裏切る』と言う論調もあるけれど、私はそうは考えてはいません。

その理由に、一つはこんな疑問が生じます。
『支那やロシアの核を認めておきながら何故、北朝鮮は認められないのか?』
こう言う話しはしょっちゅうある。

けれど、これは割に簡単な話しです。

核を容認することは

『お前が核を保有しても、もし俺に使用したなら必ず反撃してやる!』

これが成り立つ場合です。

これを相互確証破壊(そうごかくしょうはかい)と言います。

どんな独裁者も、自国の存続、自国民に対する安全保障を蔑ろには出来ません。
"やれば、やられる"
この理屈が通る相手には容認することが出来る。

しかし北朝鮮相手にはこの【相互確証破壊】が通用しない恐れがある。

自国民が、餓死しようが何があっても核とミサイルの開発を辞めようとはしない。
自国民の人権を蔑ろにし、自らの生存には必死になる。
たとえ叔父でも粛正する金正恩。

こんなことが出来る人間がトップにいるのです。

下手をすれば『自国民などいくらでも犠牲にして良い』とすら考えている相手に相互確証破壊は通用しない恐れがあるのです。

二つ目に北朝鮮の核を容認すれば中東を始め、その核技術が流出する恐れです。

そこかしこに核が拡散すれば、これはアメリカ一国の問題ではなくなるのです。
国ならば、まだしもテロリストに流れてしまえばこれはもう対処のしようがありません。

そして三つ目に
日本が核武装する!

更に韓国も核武装せざるを得ない。

ご存知の通り、我が国は国際法に照らし合わせても核の使用が可能な国です。
しかも二回もです。

これらを合理的に考えればアメリカは日本を裏切れないのではないか?
私はその様に考えます。

では我が国が単独で対処出来るのか?
と、言えば残念ながらその能力は持ち合わせておらず、せいぜいSM3とPAC3をぶっ放す程度。

つまりは当面我々は日米同盟を続けざるを得ないと言う事です。
つまり、これは裏を返せばアメリカにとっても日米同盟の枠組みを無視する事は出来ないのです。

その中で、我々は拉致被害者救出と言う使命がある。

この責任は我々主権者にあると肝に命じて、冷静に推移を見守る事が肝要です。

不測の事態にも決してパニックに陥らず、冷静な判断と対処を覚悟しておかねばなりません。