シベリア鉄道 三度目の正直 ロシアは退屈を知らない
中野吉宏 著
2022年12月17日 第1刷発行
17出版 発行
シベリア鉄道に三度乗った著者による紀行文です。
一度目は1982年、大学生の時
二度目は2000年、1週間ほど徹夜して仕事を片付けての出発
三度目は2016年、妻に反対されながらの旅行でした。
一度目のルートは
横浜から船に乗ってナホトカに行き、ハバロフスクからウランウデ、そしてモスクワ、サンクトペテルベルグ(当時レニングラード)を経て、ヘルシンキからスウェーデン、そしてノルウェイの北極圏まで到達。
二度目のルートは
神戸在住の著者は大阪から船に乗って太平洋側を通り上海、蘇州からウランバートルを通過して、ウランウデからシベリア鉄道を利用
三度目のルートは
大阪から今度は瀬戸内海を船でとおり同じく上海に上陸し二度目とほぼ同じルートを通っています。
表紙裏にわかりやすい行程地図があり、位置を捉えやすいです。
また見開きの右側に文章、左側にその関連写真を配置するという、極めて分かりやすい構成になっています。
三度の旅行で訪問した場所、そして出会った人々との時の流れを比較しながら、話を展開していきます。
鉄道内や訪問先で様々な人と人懐っこく付き合って、その付き合いが後の人生まで続いていくのはさすがです。
たまたま出会ったロシア女性が日本まで遊びに来て、さらには結婚式の招待状が届き、律儀にサンクトペテルベルグまで行って結婚式に出席したのは凄いですね。
モンゴルでは以前と同じく、恐ろしく荒っぽい運転の車が目立つこと。
前に車があると追い越す必要がなくても追い越そうとする。
対向車線にはみ出して並走状態になる時間が長い。
モンゴル人はハンドルを握ると馬を操っている感覚に陥るそうだ。p59
イルクーツクの19時。
車道を飛びわたるバレリーナの写真を撮る
(すごくシュール、超現実的な画像でしたね)p82
ヘルシンキからフィンエアで関西国際空港まで片道19万円もするが、サンクトペテルベルグからヘルシンキに飛び、同じフィンエアに乗り替えるとたった4万円になる。p165
ヘルシンキの「生神女就寝大聖堂」
何のことはない、東方正教会の「ウスペンスキー大聖堂」のこと
神戸にも同名の聖堂がある。p169
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