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「ガリア戦記」におけるブールジュ

2006-03-26 00:34:02 | フランス物語
ガリア戦記は、カエサル(シーザー)による、紀元前58年から51年にかけて行われた、ガリア(今のフランスやベルギーあたり)での戦いというか、侵略というか、を記した書物である。
ローマにとってその地帯を押さえることは、富や奴隷を得る事であり、なおかつゲルマン人との間の緩衝地帯として、重要な意味を持つものである。
まあ、戦争をするためには、常にいろいろな理由というか言い訳があるわけである。
唯一つ言えることは、人類というものは所詮戦争好きなケダモノであり、それは2000年以上経った今でも、残念ながらあまり変わってないようだ。

ブールジュの街は、ガリア戦記の第7巻で出てくる。
ここからは、カエサルの大敵である、ガリアの悲運の名将ウェルキンゲトリクスも出てくる。
ブールジュは、当時アウァリクムと呼ばれた。
ガリア戦記の中では「ガリアを通じてもっとも美しく部族の護りでもあり誇りでもあった町」や「領地の肥沃な地方にある最も大きな要害の町」ともある。ちなみにこの表現は観光案内のパンフレットにも載せてあった。
確かに、市役所裏あたりからのパースペクティブを思い出すと、そうだったのかな、という気もする。
最初、ウェルキンゲトリクスはこのブールジュを放棄して焼き払おうとした。結構他の町ではそうして、ローマ軍に穀物など、何も手に渡らないようにしていた。しかし、上記のような理由により、住民には反対され、彼もしぶしぶ戦う事を決めた。
その戦いの結果というと、4万人ほどの住民のうち、800名位しか生き残らなかったらしい。
まったくひどい敗戦である。
この後ガリア側もあちこちで抵抗したが、結局カエサルの前に敗れてしまい、あわれウェルキンゲトリクスは潔く降伏し、捕囚の身となった。

観光パンフレットを見るとブールジュではガリア時代をたどる解説ガイドも定期的に行っているらしい。
できるならば、一度参加してみたいものである。

(「ガリア戦記」 岩波書店 及び 「ケルト歴史地図」 ジョン・ヘイウッド著 井村君江監訳 東京書籍を参考にしました)


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