ヨーロッパの限りない大地

ヨーロッパの色々な都市を訪問した思い出をつづっていきたいです。

岐路のフランス(読売新聞連載記事より)

2007-04-15 22:02:18 | ヨーロッパあれこれ
⑤「週35時間労働」の限界 サービス残業増に悲鳴
フランス人は一般に働かないと言われているが、必ずしもそうではない。
立場上働かなければならない人も沢山いる。
ここでは、公立病院のお医者さんが週100時間働かざるを得なかったり、ホテルマンがサービス残業した例が紹介されていた。
フランスの週35時間労働制度は形骸化した。
人生にゆとりをもてるのはいい事だが、一方で国際競争力の問題もある。
フランスもそうのんびりもしていられない。

⑥移民優遇策に賛否 揺れる「平等の理念」
この回では、アラブ移民から成功した人の事例を載せていた。
「アラブ人は、国に帰れ」といういじめに耐え、勉学に励み、パリ大学卒業。
その後起業し大成功をおさめる。
その人は、フランスの移民問題の解決策として「積極的差別」をあげている。
いわゆるアファーマティブ・アクションと呼ばれているもので、官公庁、企業、エリート校が移民らの受け入れ枠を拡充する政策である。
しかしアメリカとは違い、「自由・平等・博愛」という理念の「平等」に反するとの意見がある。
また積極的差別が新たなる不満を生み出す恐れもあり、本当に難しいところだと思う。

⑦力強さ欠く経済 「保護主義」脱却なるか
グローバリズムの中、フランスは国内の企業を保護する傾向が強い。
あまりにも強引な外国資本の買収なら仕方のないような気がするが、ある程度のグローバルスタンダードにのっとったそれに対しどの程度介入するか。
企業やフランス人にとって、また国家戦略として、これもまた難しいところである。
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バルビゾンのまっすぐな通り

2007-04-14 00:55:57 | フランス物語
ミレーのアトリエを出る。
バルビゾンという村には、一本の通りがあり、そこを中心にホテル、レストランやアトリエのたぐいが軒を連ねている。
意外と高級なところが多いらしい。
日本のやんごとなきお方が、利用されたところもあるとのことだった
観光案内所は、通りから少しだけ入ったところにあったように思う。
こじんまりと分かりやすいところなので、また駅やレストランを探しているわけでもなかったので、特に案内も必要もなかったが、どんな所かなと思いひやかしてみた。
再び通りに出ると、写真のような、ミレーの「晩鐘」をかたどったレストランの表示を見つける。
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「岐路のフランス」(読売新聞)より

2007-04-13 22:42:16 | ヨーロッパあれこれ
引き続き、読売新聞の「岐路のフランス」より、感じるところを書いて見ます。

③トゥールーズ 輝ける変貌 航空産業で一極集中に挑戦
フランスの南西部は、行った事がなく、あまりよく分かりません。
きっかけがなかったせいでもありますが、
・特に目立った観光地は少ない
・パリからは時間がかかる
などの理由があり、限られた期間内での訪問は、他の地域や街を優先してしまうものでした。
フランス南西部の都市トゥールーズは、航空産業で躍進を続けている、最も発展的な地方都市とのことです。
以前はフランスのことを「パリという大都市があり、残りは田舎」などということも聞かれました。
パリ一極集中から、分権の時代に入っていると思いますが、まだ地方との格差は大きいとのことです。
地方とパリをつなぐ手段としてTGVがありますが、それが世界最速の574キロを最近達成しました。
速いのは結構な事なのですが、その反面安全性が心配です。
更にストなどによる頻繁なダイヤの遅れ、のような根本的な問題はどうなのかと思います。

④進まぬ男女平等 「家事、育児は女」変わらず
フランスでは女性が大切にされている印象がありますが、3日に1人の割合で女性が家庭内暴力で死んでいたり、家庭内暴力の相談件数が1日1千件を越すなどの事実があるとのことです。
2000年5月に各政党の男女の立候補者数を原則同数にする「パリテ法」というものが施行されたおかげで、地方議員の女性の割合は増えたものの、助成金を減らされるのを承知の上で、本当に重要な選挙では実際に同数にはしていないようです。
それでも、そのような法律があること自体、少なくとも日本よりは女性問題に積極的だとは感じます。
とりあえず、大統領選、ロワイヤルさんがどうなるか本当に注目されます。
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ミレーのアトリエにて

2007-04-12 22:03:24 | フランス物語
まず、ミレーのアトリエ兼住居に入る。
バルビゾン派を代表する画家ミレーは、ノルマンディ地方の村の農家に生れた。
小さい頃から農民の過酷な労働を知り、自然を眺めても、そこにある労働者としての農民を忘れる事ができなかった、とのことである。
(フランス絵画史 講談社学術文庫より)

小さなアトリエの中は写真のような状況だった。
彼の作品のレプリカを沢山置いていた。
また資料として、日本でのミレー展のちらしなどもあったように思う。
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岐路のフランス(読売新聞より)

2007-04-11 22:29:44 | ヨーロッパあれこれ
フランス大統領選の第一回投票がいよいよこの22日に迫りました。
読売新聞で今日まで7回にわたり、「岐路のフランス」と題して連載していましたので、それについて思うところをメモしておきます。

①国家エリート海外流出 広がる若者の就職格差
 今から20年前ほどにカッパブックスから発行された、若かりし頃の舛添要一氏の本で、フランスは日本よりも更に階級社会で、厳しい学歴社会であることを知った。
グラン・ゼコールという、一般大学とは違ったエリート養成機関があり、そこの出身者がフランス社会を牛耳っているとのことだった。
仕事はほどほどで、人生を楽しんでいる感じがするフランス人の裏には、そのような厳しい現実があるのに気づいたものだった。
今ではそんな特権を捨ててまで国外に出たがる人も多いらしい。
グローバリズムの時代、強い人はより恵まれた舞台に行く事が出来る。
しかしその一方普通の若者は就職に苦しんでいる。
ドピルパン内閣の「初期雇用計画」には反対し、つぶしてみたものの、それからどうするのか、というのは相変らず見えてこない。

②市民発「パクト」の衝撃 政策への署名 候補者に迫る
 「パクト」とは国民と政治家を結ぶ契約書で、今回の大統領選のキーワードとなったとのこと。
 「市民参加型の民主主義」といえば聞こえはよいが、そこに「責任ある」とないと、ただの無い物ねだりになってしまうのがコワイ。
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