こないだ、FT-736の電源が入らなくなって、DCコードで使いましょうという記事を書いたが、なんとなく気持ち悪いので、修理してみることにした。ちなみに、メーカー修理対応不可品です。
修理の前に取扱説明書に回路図があったので、電源ユニットを調べようと思ったら、四角で囲んでいるだけで、ブラックボックスになっています。ただ、PSユニット(FP1274A)と書いてあるだけです。
困ったな・・海外のサイトで、YAESU社のサービスマニュアルがダウンロードできるようなので、FT-736のを見てみたが、やはりPSユニットだけブラックボックスになっていた。
とりあえず、やってみましょう。
DCコードでは電源が入るので、内蔵電源以降の回路は生きています。
お腹側を開けると、50MHzユニットと1200MHzユニット(いずれもオプション)、一番右に電源ユニットがあります。
ねじを外すと、簡単にユニットごと取ることができます。保守性はいいですね。
13.8V出力の、スイッチング電源です。30年近くの年月が経っているため、熱で基盤が劣化しています。また、トランス近くのSiダイオードは、足が真っ黒になっています。このダイオードはチェックしてみましたが、生きいます。ただ、すすけているのでブラシで掃除しました。
この辺りが一番熱で劣化しているので、電解コンデンサー(以下、ケミコン)がくさいですね。
今回は、予防保全をかねて、すべてのケミコンを交換します。マルツの通販で、注文しました。部品1個からでも対応してくれるので有難いです。
まず、赤丸内のケミコンを交換したところ、電源は入るようになったのですが短い周期でON/OFFを繰り返します。基盤が劣化しているので、はんだこての熱でパターンがさらに傷み、交換は大変です。(おそらく、このケミコン交換時に、パターンを切ったようだ)
さらに、残りのケミコンを交換します。現象に変化はないので、最初に交換したケミコンが原因だったのは間違いないようです。パターンを追っていくと、はんだ割れやパターン切れのような部分があるので、修復していきます。なんとかパターンがつながったところで、無事電源ONになりました。
交換した、ケミコンは10個です。取り外したケミコンを、後日購入した簡易なLCRメーターで測定してみました。
①470μF 200V 2個 ・436μFと434μF⇒△(若干容量抜け)
②680μF 35V 1個 ・699μF⇒〇
③1000μF 25V 2個 ・986μFと974μF⇒△(ほぼOKなるも、若干容量抜けあり)
④220μF 16V 1個 ・0μF⇒✖(測定不能で、完全に容量抜け)
➄56μF 50V 1個 ・58.5μF⇒〇
⑥1μF 50V 2個 ・1.05μFと1.10μF⇒〇
⑦0.47μF 50V 1個 ・0.50μF⇒〇
【結論】
大型ケミコンで若干の容量低下が見られたが、致命傷になったのは「220μF 16V」のケミコンでした。
最後に出力電圧を測定したところ14.0Vあったので、13.8Vに調整して完了です。最初は簡単に直るだろうと思ったのですが、パターンの劣化という落とし穴があったので、都合4時間ほどかかりました。
オプションの1200MHzユニットは故障しており、送受信とも不可です。30年近く使っておりますが、1200MHzでのSSB交信は1局のみだし、修理も困難なので諦めることにします。
修理の前に取扱説明書に回路図があったので、電源ユニットを調べようと思ったら、四角で囲んでいるだけで、ブラックボックスになっています。ただ、PSユニット(FP1274A)と書いてあるだけです。
困ったな・・海外のサイトで、YAESU社のサービスマニュアルがダウンロードできるようなので、FT-736のを見てみたが、やはりPSユニットだけブラックボックスになっていた。
とりあえず、やってみましょう。
DCコードでは電源が入るので、内蔵電源以降の回路は生きています。
お腹側を開けると、50MHzユニットと1200MHzユニット(いずれもオプション)、一番右に電源ユニットがあります。
ねじを外すと、簡単にユニットごと取ることができます。保守性はいいですね。
13.8V出力の、スイッチング電源です。30年近くの年月が経っているため、熱で基盤が劣化しています。また、トランス近くのSiダイオードは、足が真っ黒になっています。このダイオードはチェックしてみましたが、生きいます。ただ、すすけているのでブラシで掃除しました。
この辺りが一番熱で劣化しているので、電解コンデンサー(以下、ケミコン)がくさいですね。
今回は、予防保全をかねて、すべてのケミコンを交換します。マルツの通販で、注文しました。部品1個からでも対応してくれるので有難いです。
まず、赤丸内のケミコンを交換したところ、電源は入るようになったのですが短い周期でON/OFFを繰り返します。基盤が劣化しているので、はんだこての熱でパターンがさらに傷み、交換は大変です。(おそらく、このケミコン交換時に、パターンを切ったようだ)
さらに、残りのケミコンを交換します。現象に変化はないので、最初に交換したケミコンが原因だったのは間違いないようです。パターンを追っていくと、はんだ割れやパターン切れのような部分があるので、修復していきます。なんとかパターンがつながったところで、無事電源ONになりました。
交換した、ケミコンは10個です。取り外したケミコンを、後日購入した簡易なLCRメーターで測定してみました。
①470μF 200V 2個 ・436μFと434μF⇒△(若干容量抜け)
②680μF 35V 1個 ・699μF⇒〇
③1000μF 25V 2個 ・986μFと974μF⇒△(ほぼOKなるも、若干容量抜けあり)
④220μF 16V 1個 ・0μF⇒✖(測定不能で、完全に容量抜け)
➄56μF 50V 1個 ・58.5μF⇒〇
⑥1μF 50V 2個 ・1.05μFと1.10μF⇒〇
⑦0.47μF 50V 1個 ・0.50μF⇒〇
【結論】
大型ケミコンで若干の容量低下が見られたが、致命傷になったのは「220μF 16V」のケミコンでした。
最後に出力電圧を測定したところ14.0Vあったので、13.8Vに調整して完了です。最初は簡単に直るだろうと思ったのですが、パターンの劣化という落とし穴があったので、都合4時間ほどかかりました。
オプションの1200MHzユニットは故障しており、送受信とも不可です。30年近く使っておりますが、1200MHzでのSSB交信は1局のみだし、修理も困難なので諦めることにします。
通常の85度品の安い物ならば10~15年もすれば殆ど容量が抜けるのでは?と思っていたからです。
たいいち30年も使ったケミコンの容量測定なんてやったことありませんから。
でもクルマも含めた産業用機器は105度品でかつグレードの高い物を使っていますので、こちらは30年以上持つのかも?
ケミコンのスペックで「こういう条件ならば○○年使えます。」なんていう項目はありませんが産業用機器は特別なスペックを要求されているのでしょう。
以前社内の回覧板で特許庁発行の特許広報誌(技術部ではこの回覧が日常的にあった。特許侵害されていないかをチェックするため。)を見ていたら面白いものを見たことがありました。
長寿命ケミコンの構造なのですが、確かケミコンのアルミのケースを2重構造にして、さらに外側全体を覆う金属のカバーを付けて、真空状態にする、という物でした。
電解液がエレメントから蒸発しても外部に漏れ出さないようにするためです。
漏れ出すとエレメントが乾燥する→ドライアップになるのを防ぐためだそうです。
厳重な金属ケースに電解液が閉じ込められるのでドライアップが起きにくくなります。
年単位~10数年以上連続で使われる衛星に搭載されるケミコンでした。
よく覚えていませんがNECかJAXAの何れかだったと思います。
ところで使われたLCRメーターっておいくらで買えるんですか?
液漏れすると、基板まで腐食するので、後がやっかいですが、今回はそんなことはなく、助かりました。衛星に使われるものは、やはりそれなりの品質なのでしょうね。
ちなみにLCRメーターは、中華製で込々4K円弱という格安品ですが、アマチュア的には十分かと思います。アマゾン直送なので2日で到着しましたが、同じ商品で中国発だと、もう少し安くなりそうです。ただし、2ヶ月以上かかり、尚且つ不着のリスクがあるので、国内発を選びました。