144MHz FMハンディトランシーバー。TR-2200の後継機である。
TR-2200はFM6CH機だったが、12CHに倍増した。この当時、呼び出し周波数は144.48MHzであった。当初から実装されているチャンネルは、144.48MHz、144.72MHz、145.32MHzの3CHのみ。後の9CHは、オプションだった。つまり移り先は2CHのみ。
1CHにつき、水晶2個が必要。当時1CH増設するのに、1,200円くらいかかったように記憶している。水晶式のリグがほとんどだったので、メインでお互いにどのチャンネルを持っているかで、QSY先が決まった。多少の混信は、お互い様だった古き良き時代。
しばらくして、メインが145.00MHzに変更になった。秋葉原の十字屋(もうない)で買ったので相談に行ったら、新バンドプラン用のダイヤルをタダでくれた。学生だったので大目に見てくれたのだろう。
Sメーターはあることはあるのだが、ラジケーターみたいで針が振れているかどうかくらいしか分からない。それにすぐに振り切れた。こちらは1Wしかないので、よっぽど強い局じゃないと応答が無かった。
少ない小遣いで、チャンネルをせこせこ買い足して、最終12CHにした。自転車の前カゴに入れて、チャリンコモービルとか言って遊んだりした。しかしだんだんと無線人口が増えていき、思うように使えなくなってしまったので売却。
この後、TR-2200G2が発売された。
・出力が2W/0.4Wの切り替え式になった。
・145.00MHzがメインとなったので、145.00MHzと145.32MHzと何故か144.48MHzが予備として実装されていた。周波数移行の過渡期だったので、旧周波数で運用する人に配慮したのかもしれない。当時バンドプランは紳士協定だったので、今のように○月○日より、無線局運用規則で○○なります、みたいに厳格じゃなかったのだろう。まぁ、紳士協定だから「守らなくても良い」という人が大勢いたので、現在のようにバンドプランが法制化されたのだが。
・内蔵ホイップアンテナが取り外し可能になった。オプションで、ヘリカルホイップが用意された。
・外部VFO(VFO-30)が接続可能だった。さすがに人が増えすぎて、12CHでは限界になった。
・ちょうどこの頃、FMのデビュエーションをナロー化して、40KHzセパレーションを20KHzセパレーションにしようということになった。そのため、このリグにはナロー、ワイドの切り替えスイッチがあった。
CQ誌などには、旧型のFMトランシーバーのナロー化の記事がよく載っていた。メーカーも、ナロー用フィルターを用意して売ってくれた。自分で出来ない人は、過渡期の間ワイドのまま使うか、メーカーに送ってナロー化してもらうことになった。
弁当箱くらいの大きさだったが、当時これがハンディトランシーバーのスタンダートだった。
データシート
TR-2200 144MHz帯 リアクタンス変調 2SC730 x1 12V (入力)3W
TR-2200G2 144MHz帯 リアクタンス変調 2SC1169x1 10V (入力)4W