1.8MHzでの周波数拡張及び音声通信が許可になり、データ通信をするにも手続きが簡易になったので、無線局免許状は両方に対応できるように届け出はしておいた。
しかしながら、昔使っていたオートアンテナチューナー(以下ATU)CG3000(米国からの個人輸入品)が大雨で水漏れ故障が発生し壊れてから1.9MHzは運用していなかった。開けてみたらCG3000は水没しており、リレーや基盤がダメになっており、修理は不可と考え破棄した。たぶん、パッキンの出来があまり良くなかったようだ。
1.8MHzでの音声が許可されてから、このバンドの人気が上がったようで、アンテナメーカーからも対応のアンテナがいくつか発売されている。第一電波工業(Diamond社)からW719(7MHz/1.9MHz)が発売されたので購入し展開してみたが、建物に近いせいかSWRが下がらなかった。
W735(7MHz/3.5MHz)のアンテナは調子が良く、実用になっている。このアンテナの同軸芯線を使い、室内のチューナーで無理やり電波を出してみたところ、FT8で国内局と数局交信はできた。しかし、相手が相当良いアンテナを使っている場合であり、通常は呼んでもかすりもしない。
こないだCQ誌を見ていたら、AH-4のコントローラー部分を自作し、ICOM社以外の無線機で使うという記事があった。そういえば、海外に無線をしに行っていた頃買った、ICOMのIC-706MK2とAH-4があったことを思い出した。このリグはスーツケースに入れて、海外に持っていきそれなりに活躍してくれていたが、この数年出番もないままになっている。コントローラーを作らなくても、706に接続すればそのまま使えるので、AH-4を利用して1.8MHzに出てみようと画策しました。
ちなみにAH-4は3.5MHzから50MHz対応で、1.8(1.9MHz)は対応外です。しかしながらネットで調べてみると、使えないことはないようです。100Wで使っていると徐々にSWRが悪化していくという症状があるようです。50Wに低減すると良いという情報もあります。コンデンサの温度係数が関係しているという意見もあり、メーカーとして動作保証ができないので、1.9MHzは外しているという噂もあるので、控えめな使い方だといけそうです。
ATUは魔法の弁当箱ではないので、使うにはそれなりに工夫が必要です。
ベランダから梯子タワーで上げている50MHzの八木の下にAH-4を取り付けます。カウンターポイズは10本取り付けました。
アンテナ線は、手持ちの銅線を活用します。以前、どこかのハムフェアで買った、サガ電子のツエップアンテナに使われている透明被覆で覆われている端切れ線です。この線は数本買っており、そのうちの14m長の線をタワーに向かって展開し、その後90度角度を変えて引き下ろします。
簡易な方法ですが、これでチューニングが取れるか実験してみます。
①3.5MHzから28MHzまでチューニングがとれる。ただし、3.5MHzはパソコンに回り込みが発生し、カーソルが動かなる。
②7MHz,50W,FT8でCQを出してみたところ、かなり呼ばれるので国内は問題なく飛んでいる。送受のレポートの差は、それほど大きくない。
③14MHz以上でDXが聞こえている時、FT8でCQを出してみると、海外局から呼ばれることがある。
④肝心の1.8MHzだが、1.9MHzを含めてチューニング不可。どうやってもNG
3.5MHzで送信すると、パソコンのカーソルがぶっ飛ぶので、マウスの線にフェライトコアを入れてみたが、現象変わらず。
【考察】
・3.5MHzから28MHzまでは実用になる。ただし、3.5MHzはRF回り込みの要対策。
・1.8MHzは、ぜんぜんだめ。
・おそらく、エレメントの長さが足りていない。
パソコンのRF対策のため、ケーブルにフェライトコアを取り付けてみましたが、効果はありませんでした。
★エレメントを延伸しました。手持ちのサガ電子製電線がまだあるので、継いで全長30m程度まで延伸しました。真っすぐには展開できないので、90度角度を変えたのが3か所です。
①1.8MHz(1.9MHz)のチューニングが取れるようになった。(当初SWRの底が1.5程度だったので、そらにエレメントの長さを数10センチ長くしたところ、1.2~1.3程度に落ちた)
②3.5MHzから28MHzも同様にチューニング可。
③3.5MHzは相変わらず、パソコンのカーソルに影響あり。
④カウンターポイズの引き回し方法により、SWRが変化する。(設置環境により、試行錯誤が必要)
➄TVIの発生はないが、1.8MHzで送信するとAM中波ラジオに若干妨害がでる。AMラジオを持って家の周りを調べてみたら、自宅の敷地外では大丈夫だった。3.5MHzから上のバンドでは、全く問題なし。
⇒カウンターポイズをベランダ外にも数方向に展開したところ、1.8MHzでのAMラジオ障害は確認できなくなった。このあたりは、試行錯誤が必要と思います。
【考察2】
・3.5Mz以上で使うにはエレメント長10m程度でもOKだが、1.9MHzで使おうと思ったら、30m程度は必要である。(バンドによっては、給電点が電圧給電にならないように、1/2波長及びその整数倍の長さは避ける必要があります)
・ハイバンドで使うには、エレメントが長すぎる感はあるが、実際上はチューニングは取れるし、そこそこ飛びも良い。
実際に運用した記事は、別途追記します。
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1.8MHz, 50W, FT8でCQを出したら、国内の局から呼ばれます。以前の、なんちゃってLWアンテナ(室内チューナー使用)とは全く別物のようです。CQを出している局を呼んでみると、応答がある場合が多くあります。しかし相性が悪い局とは、何度もリトライを繰り返し、結局交信不成立という場合もあります。
レポートは、それほど極端に変わらない場合が多いので、国内は飛んでいる感じはします。
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1.8MHz,50Wで電波を出すと、マウスがハングアップする現象が発生しました。40W以下では問題なしです。3.5MHzでもNGなので、ELECOMのIR_LED(※)ワイヤレスマウスを買ってきました。(中華製)これで、オールバンド50Wを出しても大丈夫になりました。
※IR_LEDマウスとは有色LEDではなく、赤外線LEDを使ったワイヤレスマイクです。単三乾電池1本で、約1.5年間もつというのが売りです。通常のワイヤレスマウスは、底面からLEDの光が見えるのですが、赤外線を使っているので光としては見えません。省電力といっても、使わない時はマウスのSWをOFFにして、電池の消耗を抑えています。
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14MHz以上のバンドでは、DX局(海外局)との交信も可能です。ある程度強く入感していると、呼んだら応答があります。CQを出すと、コンディションにもよりますが、近隣のアジア地区からの応答がある場合もあります。21MHzで、LU(アルゼンチン)の局が強く入っていたので、呼んだら1回で応答がありました。フルサイズのDPと同程度かなというところです。
10MHz以下のLowBandでは、国内交信は可能ですが、DX局に関してはかなり厳しいです。7MHzの国内はかなり飛んでいる感じで、CQを出すと多くの応答があります。感覚的には打ち上げ角の高い、低いDPと同程度かなと思います。3.5MHzも国内QSOは問題ありませんが、DXは厳しいです。
肝心の1.9MHzですが、夜明け前に運用してみましたが、DXを呼ぶJA局は良く見えていますが、DX局の信号は全く見えません。アジア・太平洋地区の局も見えないので、この辺りが、我が家で展開したATU+LWの限界のようです。DXは、UA0、BY程度です。