TS-850は、発売後30年近く年月が経っており、今となってはクラシックリグの部類に入る。過去、2回ほどドック入りしたことがあるが、今回はメモリーチャンネル/VFOチャンネルのロータリーエンコーダーが不調になった。チャンネルを上げようと思っても下がったり、チャンネルが一気に飛ぶようになり、チャンネル合わせが困難になってしまった。
ICOM社は期限を切って、毎年対応不可の機種リストを発表しており、交渉の余地なく古いリグは門前払いされる。YAESUは、そこまで露骨ではないが、やはりあまりに古い機種は、対応しないと言っていた。輸送時に、新たな故障が発生する場合があり責任が持てないし、保守部品の欠如もあるとのこと。
KENWOOD社は、部品がある限り対応してくれるみたいで有難いが、修理費用は比較的高い。ちなみに、部品があるかどうかケンウッドサービスに電話で尋ねたみたら、もう在庫はないとのこと。(そりゃ、そうだろう)
30年選手だが、そのままなのは忍びないので、ばらしてエンコーダーを調べることにした。当該エンコーダーは、CN7に接続されています。
一番苦労したのは、メインダイヤルを外す工程でした。プラスねじかと思い、精密ドライバーで回そうとしたけど不可だった。ネットで調べたら、六角レンチで緩めることができると分かった。手持ちの一番細い六角レンチがちょうどサイズが合ったので、ダイヤルの六角ナットを簡単に緩められた。
その他のつまみは、手で引っ張ると簡単に取ることができます。これで、メインパネルが外れます。
エンコーダユニットを引っ張り出します。シャフトが黒いのが、目的のエンコーダです。すでに、グリスが染み出でおり汚れが目立ちます。
エンコーダーの爪(4か所)をマイナスの精密ドライバーでこじ開けます。思った通り、汚れがひどいですね。
シャフトの部分も極力ばらして、綿棒に無水アルコールを沁みこさせ、丁寧に掃除をしていきます。綿棒が真っ黒になるくらいでした。
作業が終わったら、ばらした反対の手順で組み立てていきます。フラットケーブルが多用されているので、それが外れていないかチェックします。組み立てて動作しない場合は、このフラットケーブルの接触不良、または抜けていることが考えられます。
何度が失敗してやり直したら、ばらし⇔組み立てが、めっちゃ早くできるようになりました。(笑)
ほんとは部品交換が正解なのですが、これで80%程度は回復しました。残りの20%は、1クリックしていないのに、少し力を加えたらチャンネルが変わる場合があることです。しかし、困難であったチャンネル切り替えが、実用上問題なくなったので、まあ成功といえるでしょう。どのくらいもつかは、未知数ですけど。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます