いつ買ったかも覚えていないダイソーの100円ラジオの記事は、忘れもしない2013年7月7日の七夕に公開しました。(2013年には、すでに姿を消しているので、2012年以前に買ったものと思われる。したがって、10年ほど経過しています)
↓過去記事
https://blog.goo.ne.jp/jf1vxb/e/bacc991b15e9b1c2e5adeabf8b62b652
こないだ、机の中を整理していたら、100円ラジオが発掘されました。本体のみで、イヤホン・電池は別売りでスピーカーは付いていません。買った当時は面白がって使っていたのですが、いつのまにかしまい込んでいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/c6/72985ff6355a6464ffe9d24309f31757.jpg)
もちろん、製造は中国です。100円にもかかわらず、スーパーヘテロダインと書かれています。電池は単四2本です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/08/187e74f0a6bf7a17b1ea2f040cd27eed.jpg)
本当にスーパーヘテロダイン(ラジオ周波数を中間周波数(一般的に455KHz)に変換し増幅する)か?と思い、検証してみましょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/d0/43e82cd966446759c13a36ced40a589b.jpg)
トランジスタ(TR)は3石です。OSC(赤)、IFT(黄と黒)があるので、スーパーヘテロダインは間違いないです。トランジスタは、何を使っているのでしょう。判別しにくいので、写真に撮って拡大してみました。
OSC用(局部発振・周波数変換)は、S9001と読めます。馴染みのない型番なのでネットで調べてみると、中国メーカーのTRがヒットして、データシートは公開されていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/de/c38d9b2e5f9d3d589ec826e0f80be407.jpg)
IF用(中間周波増幅)には、S9004と読めます。その後、ゲルマニウムダイオードで検波します。(おそらく1N60相当)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/d9/54e64b51d75b77400b82da1538cdc779.jpg)
最後はAF用(低周波増幅)TRですが、これはTRの取り付け角度が悪く、写真で拡大しても判読できません。TRを目いっぱいそらして(TRイナバウアーですな)明るい蛍光灯の下でルーペを使ったところ、S9001と読めました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/f5/df1aa69e17fb26d5cfbedb452e29b0fb.jpg)
以上の事より、構成は以下のようになります。
LC同調(ポリバリコン(PVC)+バーアンテナ)⇒S9001(局部発振・周波数変換)⇒S9004(中間周波増幅)⇒ゲルマニウムダイオード(検波)⇒S9001(低周波増幅)⇒イヤホン(オプション)
回路的には一般的な、3石スーパーヘテロダインラジオです。スピーカーを鳴らそうとしたら、もう一石TRが必要ですが、イヤホンだけなら小出力でいいので必要十分です。
一般的なスーパーラジオと書きましたが、この一般的な回路でラジオを作ろうとしたら、部品だけ買っても1千円は超えるでしょう。これを組み上げて輸出し、さらに100円+TAXで売れる(発売当時)ということが驚異的だと思います。すべて部品は中華製と思うので、耐久性はあまりないと思いますが、電池を入れて使ってみましょう。電池は抜いて保管しておいたので、液漏れはありません。特にケミコンの劣化は心配するところですが、見た目には異常ありません。
SW-ONで受信開始⇒PVC(選局用つまみ)を回すと、バリバリと雑音がひどく、放送局が見つかりません。あれれ・・じっくり・ゆっくり回すと、地元の放送局が受信できました。周波数の低い順に、NHK第一+第二、RKB、KBC全部OKです。
PVCが、めっちゃガリっています。ガリが発生しやすいVR(ボリューム)は、意外なほど調子が良くガリはありません。スーパーヘテロダインラジオなので、選局や感度は問題ありません。(良くはないが、悪くもない)イヤホン端子もガリっているので、イヤホンを動かすとガリガリいいます。(これは、接点復活剤で処置します) 選局後はダイヤルを触らない限り、ガリガリ音は発生しませなが、周波数の安定度が悪いので、時間の経過とともにずれることがあります。その際には、再度チューニングを取らないといけないので、ガリガリ君との戦いがあります。
購入後10年ほど経過していますが、回路的には生きていて使うことは可能です。ダイソー100均ラジオの記念品として、保管しておきましょう。
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追記
保管するだけではなく、イヤホンラジオとして活躍しています。イヤホン端子は接点をやすりで磨いて、接点復活剤を少量塗布して対策しました。残るは、選局ダイヤルのガリが気になります。ちょっと触っただけでも、大きなガリガリ音で耳が痛くなるので、ダメもとで対策します。本来はPVC(ポリバリコン)交換なのでしょうが、100円ラジオに100円以上のPVC交換は割に合いません。
PVCのカバーは、指でつまんで引っ張り上げると外れます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/30/e332f29b82a5404a10473d50ca6a47c0.jpg)
①接点復活剤を、バリコンの羽根のあたりを狙って数方向から少量ふりかけます。
②ダイヤルを、上から下まで20~30回ほど、ぐりぐりとまわして接点復活剤をなじませます。
③ラジオの電源を入れて、放送波を聞きます。
④選局ボタンを回して、ガリが無くなっていることを確認します。
➄多少ガリが残っている場合は、再度ダイヤルぐるぐるを行います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/0a/330fc1816cde9adccd3e7e35d1b88b54.jpg)
完全にガリはなくなりました。夜間になると、国内遠距離や、海外近隣諸国のラジオが聞こえてきます。いままではガリっていて、ダイヤルを回しても気が付かなかったような弱い局も受信できるようになりました。
↓過去記事
https://blog.goo.ne.jp/jf1vxb/e/bacc991b15e9b1c2e5adeabf8b62b652
こないだ、机の中を整理していたら、100円ラジオが発掘されました。本体のみで、イヤホン・電池は別売りでスピーカーは付いていません。買った当時は面白がって使っていたのですが、いつのまにかしまい込んでいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/c6/72985ff6355a6464ffe9d24309f31757.jpg)
もちろん、製造は中国です。100円にもかかわらず、スーパーヘテロダインと書かれています。電池は単四2本です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/08/187e74f0a6bf7a17b1ea2f040cd27eed.jpg)
本当にスーパーヘテロダイン(ラジオ周波数を中間周波数(一般的に455KHz)に変換し増幅する)か?と思い、検証してみましょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/d0/43e82cd966446759c13a36ced40a589b.jpg)
トランジスタ(TR)は3石です。OSC(赤)、IFT(黄と黒)があるので、スーパーヘテロダインは間違いないです。トランジスタは、何を使っているのでしょう。判別しにくいので、写真に撮って拡大してみました。
OSC用(局部発振・周波数変換)は、S9001と読めます。馴染みのない型番なのでネットで調べてみると、中国メーカーのTRがヒットして、データシートは公開されていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/de/c38d9b2e5f9d3d589ec826e0f80be407.jpg)
IF用(中間周波増幅)には、S9004と読めます。その後、ゲルマニウムダイオードで検波します。(おそらく1N60相当)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/d9/54e64b51d75b77400b82da1538cdc779.jpg)
最後はAF用(低周波増幅)TRですが、これはTRの取り付け角度が悪く、写真で拡大しても判読できません。TRを目いっぱいそらして(TRイナバウアーですな)明るい蛍光灯の下でルーペを使ったところ、S9001と読めました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/f5/df1aa69e17fb26d5cfbedb452e29b0fb.jpg)
以上の事より、構成は以下のようになります。
LC同調(ポリバリコン(PVC)+バーアンテナ)⇒S9001(局部発振・周波数変換)⇒S9004(中間周波増幅)⇒ゲルマニウムダイオード(検波)⇒S9001(低周波増幅)⇒イヤホン(オプション)
回路的には一般的な、3石スーパーヘテロダインラジオです。スピーカーを鳴らそうとしたら、もう一石TRが必要ですが、イヤホンだけなら小出力でいいので必要十分です。
一般的なスーパーラジオと書きましたが、この一般的な回路でラジオを作ろうとしたら、部品だけ買っても1千円は超えるでしょう。これを組み上げて輸出し、さらに100円+TAXで売れる(発売当時)ということが驚異的だと思います。すべて部品は中華製と思うので、耐久性はあまりないと思いますが、電池を入れて使ってみましょう。電池は抜いて保管しておいたので、液漏れはありません。特にケミコンの劣化は心配するところですが、見た目には異常ありません。
SW-ONで受信開始⇒PVC(選局用つまみ)を回すと、バリバリと雑音がひどく、放送局が見つかりません。あれれ・・じっくり・ゆっくり回すと、地元の放送局が受信できました。周波数の低い順に、NHK第一+第二、RKB、KBC全部OKです。
PVCが、めっちゃガリっています。ガリが発生しやすいVR(ボリューム)は、意外なほど調子が良くガリはありません。スーパーヘテロダインラジオなので、選局や感度は問題ありません。(良くはないが、悪くもない)イヤホン端子もガリっているので、イヤホンを動かすとガリガリいいます。(これは、接点復活剤で処置します) 選局後はダイヤルを触らない限り、ガリガリ音は発生しませなが、周波数の安定度が悪いので、時間の経過とともにずれることがあります。その際には、再度チューニングを取らないといけないので、ガリガリ君との戦いがあります。
購入後10年ほど経過していますが、回路的には生きていて使うことは可能です。ダイソー100均ラジオの記念品として、保管しておきましょう。
-----------------------------------------------------------------
追記
保管するだけではなく、イヤホンラジオとして活躍しています。イヤホン端子は接点をやすりで磨いて、接点復活剤を少量塗布して対策しました。残るは、選局ダイヤルのガリが気になります。ちょっと触っただけでも、大きなガリガリ音で耳が痛くなるので、ダメもとで対策します。本来はPVC(ポリバリコン)交換なのでしょうが、100円ラジオに100円以上のPVC交換は割に合いません。
PVCのカバーは、指でつまんで引っ張り上げると外れます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/30/e332f29b82a5404a10473d50ca6a47c0.jpg)
①接点復活剤を、バリコンの羽根のあたりを狙って数方向から少量ふりかけます。
②ダイヤルを、上から下まで20~30回ほど、ぐりぐりとまわして接点復活剤をなじませます。
③ラジオの電源を入れて、放送波を聞きます。
④選局ボタンを回して、ガリが無くなっていることを確認します。
➄多少ガリが残っている場合は、再度ダイヤルぐるぐるを行います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/0a/330fc1816cde9adccd3e7e35d1b88b54.jpg)
完全にガリはなくなりました。夜間になると、国内遠距離や、海外近隣諸国のラジオが聞こえてきます。いままではガリっていて、ダイヤルを回しても気が付かなかったような弱い局も受信できるようになりました。
いくら中国でもあり得ない値段ですね。
ケンちゃんでも一部の海外工場の工程では、「3食無料で食わせてやるが給料払わない」というのがありますが、それと同じかもしれません。
100円だとでも、というレペルですね。
CQハムラジオとコラボした、同じような回路構成のラジオキットが、4,980円で販売されています。これはこれで、少し高いような気はしますが、価格に雲泥の差があることに驚きです。いくら、D隷制度があったとしてもですね。