中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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フィードバックを受けたい

2017年05月28日 | コンサルティング

私 「私は何点で合格していたのでしょうか?」

担当 「お知らせしないことになっています」

私 「点数をお教えいただけないのには何か理由があるのですか?」

担当「私にはわかりませんので、上の者に変わります。少々お待ちください」

・・・・・・・

担当「やはり、教えないことになっていますとのことです」

これは先日、私が受けていたある検定試験の合格証が届いた後に、主催者に確認の電話を入れたときのやり取りです。

この検定試験の合格基準は「正解率70%以上」とされていたのですが、70点で合格したのと100点で合格したのでは(私の場合100点はなかったのですが・・)大きな違いがあります。そこで、実際に何点で合格できたのかを知りたくて、冒頭のように電話を入れてみたのです。

試験自体は全問マークシートで、終了後に正解がインターネットで公表されました。一応、試験後に自己採点をして何とか合格ラインは超えているとは思っていたのですが、やはり正確な点を知りたいと思ったのです。

コンサルティングや研修で様々な企業にお邪魔すると、「報告や相談をしても、上司からのフィードバックが全くない」、「評価面接をしても、最終的な評価のフィードバックがない」などの部下の言葉を度々耳にすることがあります。

フィードバックとは「事実を知らせる」ことです。企業などの組織においては人材育成を目的で行いますが、「適切なタイミング」でフィードバックを行うことは実は簡単ではないようです。

こうしたことを反映しているのかどうかはわかりませんが、東京大学の中原淳先生が先日出された本のタイトルは「耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術 フィードバック入門」(PHPビジネス新書)になっています。それだけ、フィードバックが重要であるとともに、それが上手くなされていないケースが多いということではないかと思います。

今回、私自身冒頭の経験により、フィードバックを得られなかったときのがっかりした気持ちがとてもよくわかる気がしましたし、やはりフィードバックは適切なタイミングで行われる必要があるものだと改めて感じました。

実は今回私が合格した検定試験の名は、品質管理のQC検定です。QC検定では職場の問題や課題を解決することの重要性、また解決するためには数値化することの必要性、数値データの判定の仕方などを繰り返し説いています。

そうした内容を扱う試験であるにもかかわらず、合格者、不合格者ともに点数を明らかにしないというのは、趣旨から考えるとちょっと残念な気もします。

品質管理において「問題」とは「あるべき姿と現状のギャップ」と定義されていますが、自分が思っていた点数と実際の点数のギャップがどれ位あるのかがわからなければ、仮に再チャレンジしようとする場合でも、モチベーションが働きにくいのではないかと思うのです。

「フィードバックは適切なタイミングで適切に行う」ことが大切だと改めて感じた出来事でした。

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