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第1,179話 悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものである

2023年08月23日 | キャリア

「社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「孤独や孤立感を持ってしまいます」

これは、ここ最近カウンセリングを担当した際にクライアントから聞くことの多い言葉です。

若手を中心に孤独だと感じている人が少なくないようです。実際、政府が2万人を対象にした2022年の孤独・孤立の実態調査の結果によると、孤独感が「しばしば・常にある」「時々ある」「たまにある」と答えた人は計約40%に上り、初めて調査を実施した21年の約36%から増えたとのことです。(日本経済新聞 2023年3月31日)

孤独や孤立感を感じる背景にはいろいろな理由があるのでしょうが、増加している一番の原因はやはりコロナ禍により行動制限を強いられたこと、それにともないテレワークの導入が進んだことなどにより他者との接触の機会が減り、コミュニケーションがとりにくくなったという経緯があるように思います。それまでの生活と比べ他者との接点が大きく減った結果、たとえば職場内ですぐに他者に相談をしたり、 仕事の前後に気軽に話をしたり、あるいは協力し合ったりということが難しくなってしまいました。その結果として孤独感や孤立感を感じる人が増えたというのは致し方がないといえるのではないでしょうか。そのように考えると、人間とは人とのつながり、他者との接触によって生かされているものなのだと改めて思います。

新型コロナの流行は未だ終息してはいないものの、一時のような行動制限が解除された今、気持ちを切り替えて自ら積極的に動き始めた人も多いとは思います。一方で一旦縮小した行動を再び元のように戻していくことはそれほど簡単なものではないようにも思います。やらない・縮小した状態に慣れてしまったものに対して具体的なアクションを起こすには、やはりきっかけと相応のエネルギーが必要になるように感じます。

それでは、なかなかプラスの気持ちになれないときに、私たちはどのように気持ちを切り替えていけばよいのでしょうか。

そのようなときに私が思い出すのが、フランスの哲学者のアランの言葉です。アランには様々な名言がありますが、その一つに「悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものである」というものがあります。

私はこの言葉を「悩んだり落ち込んだりすることは誰にでもあり、もちろんそれ自体は悪いことではないけれど、そのままずっと何もしないでいると気分に支配されてしまう。逆に、そうした状態から抜け出すためには、自らの意思でものごとを楽観的に考え行動することで可能である」という意味に捉えているのです。ではそのきっかけになり、エネルギーとなるのは何なのかと考えたときに、私はやはりそれも「他者とのつながりであり、コミュニケーションである」と改めて考えているのです。

今、孤独や孤立を感じているという方、決して簡単なことではないかもしれませんが、まずは意識して気分を変えるように何かをしてみる。(たとえば、毎日少しずつ体を動かしてみることなど)そして、自分から身近な誰かに、ちょっとずつでもいいので話しかけてコミュニケーションを取ってみる。これらを通じて新たな一歩を踏み出すことから始めてみませんか。

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