理事会

昨年1年間、初めてマンションの理事長をやらせて頂いた。まだ入居して1年しかたっていない段階だったため、理事はしょうがないとしても、理事長は固辞するつもりでいた。しかしもう一人の新理事が入居すぐに理事長を行ったという話しであったため、断る理由も塞がれてしまい、引き受けざるをえなかった。

一人暮らしを始めたときは、会社の寮に住み、結婚後は長く賃貸住まいだったため、こうした理事会とか町内会などには、ほとんど関わることなく過ごしてきた。アパートに住んでいたため一通りのご近所付き合いは、もちろんやっていたのだが、理事長がどのような仕事をしなくてはいけないのか、全く勝手が分からず、本当に手探り状態であった。

理事長と言えば聞こえはいいが、いってしまえば諸々の雑用係である。業務を上げていくと、理事会への出席、各種事項の検討、各種書類の確認、決済、共有施設の鍵の管理、駐輪場の管理、専有部リフォーム工事の受付、町内会回覧物の回覧、町内会班長業務、総会議事進行などなどである。

業務の大部分については、長年面倒を見て頂いている管理会社が、お膳立てをしてくれるため、確認をするだけで済むものが多い。しかし年数も立っているため、今後長く使って行くためのメンテナンスが必要となっており、修繕積立との兼ね合いを考えながら、どこまで改修を実施するか、などは結構時間を掛けて検討を行う必要があった。

今回最も時間を掛けたのが水道。水道をタンク方式から直結方式に変更するかどうかでメリット、デメリットを提示してもらい、管理会社の関連業者と何度もやりとりを行った。最終的には、費用面でのメリットも大きく、何より美味しい水が飲めるということで直結方式の工事実施を提案することに決定した。理事長としての最後の仕事である定期総会でこの工事も含め議案を提示し、若干の条件は付いたものの、ほぼ予定通り議事を終了することが出来た。

幸いにして、在任中に住民間やご近所とのトラブルに合うこともなく、無事任期を終えることが出来たが、住民間でトラブルが発生した場合、うまく立ち回ることが出来たかと考えると正直自信は無い。とにもかくにも無事に理事長を全うすることが出来たのは、寛容な住民の皆様と管理会社のおかげだと感謝するしかない。

今回1年間理事長をやらせて頂いて、普段は目に付かないところで、非常に多くの人が頑張っているおかげで、今の生活が維持されているということを、改めて感じることができた。理事長は退任したものの、もう一年理事としての仕事は残っている。微力ながら、少しでもみんなが快適に過ごすことができるように頑張っていきたいと思う。

（菊）


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