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IMジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

年度末の悪魔

2012-03-14 10:18:12 | 日記
今年も3月がいよいよ前半戦を終えようとしている。日本の場合は会計年度は大概の企業で4月開始のため、3月といえば年度も大詰め。今年度の予算が達成できるのか?決算での利益計上は?来年度の準備は?等々何かと忙しい時期であり、やるべき事も心配事も多い。一言で言えば憂鬱な季節であり、こんな気分になるのは何も最近暖かくなってきて飛び始めた花粉のせいだけでもあるまい。

そして我らがIT業界でのシステム開発業務では年に二匹の悪魔が現れる。「年末の悪魔」と「年度末の悪魔」だ。

前者は年末年始休暇との絡みもあり、俗に言う年末進行と呼ばれるタイトなスケジュールが起因となってご登場となる。一年スパンの開発の場合、年末までに単体試験を完全に終了させ、年明けから結合試験を本格的に始めるスケジュールになることが多い。年末の休暇がいつまでに取れるかにヤキモキしながら、忘年会ラッシュとあいまっていささかハイな気分でこの悪魔と戯れる。見方を変えれば楽しい戦いの相手だ。

だが後者の「年度末の悪魔」は非常に性質が悪い。会計年度が4月開始ということは経理のシステムに代表されるように、4月に稼動開始、ひいては運用開始しなければ大変なことになるシステムは多い。特に金銭が絡むものは制約が厳しい。おまけに開発予算は年度で区切られてしまうため、4月以降に予定外の作業が延伸があった場合、予算の出所が無くなり、金策に四苦八苦するケースがほとんどだ。

よってこの時期に発注元上層部によるリリース判定会議(本当に稼動、運用に耐えられる見込みが立っているか?)が行われる。
経験則で言えばここですんなりGOが出ることは無い。条件付のGOサインが出るか、NGになることが多い。それほどまでにまだまだシステム開発のマネジメントは未成熟な状態であると言えよう。

一番恐ろしいのがシステム更改案件での新旧並行運用決定だ。

大体まともに動くと判定されていない新システムを動かして旧システムとの同期を取るなど開発者の立場から見れば正気の沙汰とは思えないのだが、大人の事情が大炸裂して決定されてしまう。世の中は非情である。

大企業ともなればシステム更改に関してもプレスリリースしてしまっている事が多い。企業PRであるとともにまともに内部をIT化して経営をしているという証を立てないと企業の信用は落ちてしまうからだ。

経営トップの判断とは時として過酷で迅速さと果断さを求められる。一開発者には考えも及ばない大変なものなのであろう。ハタから見れば何を考えているのか分からない決定も、その立場に立たされなければ見えないものが絡んでいる。

その想像なしに批判するだけなら簡単だ。だが小物臭さは拭えない。
想像力を働かせ、自分だけが得をする仕事ではなく皆が幸せになる開発を誰もが目指す方がより建設的と言えよう。

だが現実を知れば知るほど、その達成は難しくも思える。誰もがギリギリのところでひしめき合いながら仕事を、世の中を回していく。たとえ滑稽に映ろうともそれで何かが動いていくのであれば、それはそれで嫌いではない自分がいる。誰もが聖人君子やヒーローであることを強制される世の中よりは余程人間らしく、健全だ。


ただ願わくば悪魔が現れないマネジメントを自分の手で実現したいものである。そうするにはどうすれば、どうあればいいか、たまには皆で考えてみるのもいいかも知れない。
(刑事長)


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株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
  製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
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