NPT

　TPPだFTAだEPAだと騒がれた後でNPTという略語が出てくると「んっ？」となってしまうがNPTは貿易の話しとはまったく違う。こちらは核拡散防止条約のことだ。核兵器を持つ国をもうこれ以上増やさないでおこうではないか、という気持ちが生んだ国際条約だ。歴史の話しを省略してしまうと、すでに核を持っている国はアメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の5ヶ国で、それ以上に増やすのはやめようというという気持ちだ。ところがその後、インドは持つ、パキスタンは持つ、イスラエルは持つ、もしかするとイラクも北朝鮮もという増え方をしている。
　
　福島でメルトダウンが起きた時は原発の危険性だけでなく核そのものに対する嫌悪感が多くの人の中で高まった。そもそも日本だけが唯一国内に核兵器の攻撃を受け、その恐ろしさを身をもって体験した国家である。異常なほどの嫌悪感を表に出して当然なのだ。その日本がNPTのバージョンアップを計る準備委員会の共同声明に反対して賛同国に加わらなかった。そんなニュースが流れたのはもう1ヶ月も前のことだ。「いかなる状況下でも核兵器が再び使用されないことが人類の共存のためになる」とうたった共同声明を受入れることは出来ない、と日本政府は共同声明に加わることを拒絶したのである。どこかおかしな表現があるのだろうか？政府の説明によると「いかなる状況下」という表現を受け入れられない、と言うのであるが、そのへんの話は、このニュースが流れた後、後続のニュースがぷっつり途絶えているので詳しいことはわからない。
　
　靖国神社の参拝に関する中韓の反応に対し、安部首相は「脅しには屈しない」と発言したという。この話しを聞いた時、すぐにNPTの件が頭に浮かんだ。2発も原爆を喰らって一瞬にして20万人とも30万人とも言われる方々が悲惨な殺され方をしたのにそれでも「いかなる状況下でも核兵器が再び使用されないことが人類の共存のためになる」という声明に賛同できないというのは、つまりそうやってアメリカが日本に向けて核兵器を落としたのはやむを得なかったことだし、これからだってそういうことが起きても仕方がない場合は仕方がないのだ、と認めているということだ。
　
　そこにこの「脅しには屈しない」発言である。使い方が間違っているだろうと思ったのだ。NPT共同声明に賛同して、その時にこれを言って欲しかった。
　
　確かに、自分の意見は持たず、ただ長いものに巻かれていればなんとかなるだろう。しかし、企業の中にあっても国際社会の中にあっても、そういう人や国は尊敬される対象には成り得ないのではなかろうか。何も尊敬される対象になりたいわけじゃない、という声も若い人たちから上がって来そうだが、好かれる人や国と表現すればどうだろうか。自分の属する企業や国が嫌な存在になってしまうのは誰しも好まないものだろう。（三）
　
　
monipet
　　動物病院の犬猫の見守りをサポート
　　病院を離れる夜間でも安心

ASSE/CORPA
　　センサー、IoT、ビッグデータを活用して新たな価値を創造
　　「できたらいいな」を「できる」に

OSGi対応 ECHONET Lite ミドルウェア
　　短納期HEMS開発をサポート！

GuruPlug
　　カードサイズ スマートサーバ

株式会社ジェイエスピー
　　横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
　　製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業