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IMジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

2013-05-28 08:51:33 | 日記
 先日、「天地明察」という本を本屋で見つけた。冲方丁さんが書いた時代小説で、日本独自の暦の導入に生涯を捧げた渋川春海が主人公である。2009年に発行され、吉川英治新人文学賞や本屋大賞を受賞し、2012年には映画化されているため、ご存じの方も多いかもしれない。恥ずかしながら自分は全く認識が無く、何となく面白そうだというだけで、予備知識も無いまま読み進めたが、想像以上に素晴らしい作品だった。

 簡単にあらすじを述べておくと、四代将軍家綱の時代、八百年も前に伝来した宣明暦を使い続けていたため、実際の日と大きくずれが生じていた。改暦の必要性を感じた幕府は、碁方でありながら、数学・暦法、天文暦、神道を学んだ主人公を改暦の推進者に任命する。主人公は様々な人々に助けられながら成長し、改暦という一大事業に立ち向かっていくという物語だ。

 史実とは異なる、暦学、算術的に誤りがあるなどの批判的な意見もあるが、あくまで小説としてみれば、一級のエンターテイメント作品である。会話が現代的過ぎるとか登場人物が軽いといった意見もあるが、そのおかげで素直に読み進めることができ、重くなりすぎることなく爽やかに読み終えることが出来たと思う。


「たかが暦だと何度も自分に言い聞かせねばならなかった。そして、されど暦だった。今日が何月何日であるか。その決定権を持つとは、こういうことだ。宗教、政治、文化、経済ー全てにおいて君臨するということなのである。」

一部を引用したが、暦を変えるということは、実は宗教、政治、文化、経済を支配することだと語られている。日時は人間生活の基礎。基礎を変えることの困難さ、影響の大きさを改めて感じた。

 折しも日本の標準時間を2時間早めようという提案が出ている。現在の日本の標準時が120年以上も前に定められてから一度も変更されていないことを考えると、時代に合わせた変更を検討していくことも必要かもしれない。ただ変更により、非常に大きな影響が出てくることは間違い無い。単なる経済的な理由だけで変更するのではなく、様々な方向を検討し、今の日本にとって最も良い道を選択してもらいたいと思う。

 先日の休み、ふと思い立って小説の冒頭に出てくる渋谷金王八幡宮に行ってきた。わずかではあったが算学絵馬も見ることが出来た。その舞台を訪れることによって、より登場人物たちの存在をリアルに感じることが出来たように思う。(池)




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