冬は窓を閉めきっているため、暮らしの様々な音が街に流れ出て来ることがない。そのため、商店街を離れてしまうと住宅街であっても人の気配は薄い。特に寒い日の午後などは静まり返っていて遠くでカラスが鳴く声がはっきり聞こえる。
そんな冬の住宅街で夕暮れになると急ににぎやかになる一角がある。家の壁面や植木に飾りつけられた色とりどりのオーナメントに照らされる一角である。東日本大震災後は遠慮して低調になっていたものが、ここへ来て少し復活してきたようだ。最近は電飾もLEDを使って進化したからか、光が流れるように動きのある飾りが多い。飾りは美しいしにぎやかさも復活しつつある。ただし、せっかく一生懸命飾り付けているお宅には叱られてしまいそうだが、ほっこり温かくなるという感じからは遠くなっているような気がしないでもない。
暗くなって家路を急ぐ身には通りに面した家々の窓からこぼれる温かな明かりがありがたい。お年寄りだけの世帯が増え、たとえ開け放った窓であったとしても子供を囲む家族団らんの声があふれて来る窓は少なくなっているわけだが、寒い風の中で窓の明かりに出会うと、どの家の窓からも楽しげな声が聞こえて来るような気がする。
家々の屋根を越えて振り仰げば冬の空は澄んでいて、目が悪い私にもくっきり星座を見渡すことが出来る。その遠いかすかな明かりのほうが、電気の飾り付けよりおごそかに優しく目に飛び込んで来るように感じるから不思議だ。何万年、何十万年も飛び続けて今ここで出会った光に照らされて、温かな窓の向こうに暮らす方々の遠い未来のことまでふと考えたりする。寒い夜も、わずかな明かりさえあれば元気が出る。そんなつもりはなくとも、そこで暮らしている、ただそれだけのことで、漏れ出す窓の明かりが、きっと誰かの役に立っているのだろう。街灯の白い光で伸びた影を見ると猫背でも、暖かな窓の明かりの前では背筋がしゃんとしている。
いつも柔らかな空気に包まれている職場なら、そこで希望も生まれてくるだろうが、固く尖った空気を充満させている職場は多い。だから家々の温かい窓の向こうは忘れてしまった希望を取り戻し新しい希望を生み出す場所であって欲しい。震災後の日本を宇宙ステーションから写した映像をテレビで見たことがある。街の灯が消え黒々とした列島が写っていた。希望が生まれる場所が失われてしまったことを痛感する光景だった。電飾が復活するように窓の灯りは復活して来ている。
国を守るために様々な法律が生まれ、境界線が敷かれる。大切なものを大切にしたいために海の向こうの人も含め多くの人が熱くなってしまう気持ちもわからないではない。しかし、その気持はどこか空回りして温かい窓の向こうで生まれるはずの希望の芽を摘んでしまいかねない。生活の灯りが災害や戦火の灯りに変わってしまわないように、穏やかに明るく照らす普通の暮らしの温かい窓を大切にしていきたい。(三)
monipet
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病院を離れる夜間でも安心
ASSE/CORPA
センサー、IoT、ビッグデータを活用して新たな価値を創造
「できたらいいな」を「できる」に
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株式会社ジェイエスピー
横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
そんな冬の住宅街で夕暮れになると急ににぎやかになる一角がある。家の壁面や植木に飾りつけられた色とりどりのオーナメントに照らされる一角である。東日本大震災後は遠慮して低調になっていたものが、ここへ来て少し復活してきたようだ。最近は電飾もLEDを使って進化したからか、光が流れるように動きのある飾りが多い。飾りは美しいしにぎやかさも復活しつつある。ただし、せっかく一生懸命飾り付けているお宅には叱られてしまいそうだが、ほっこり温かくなるという感じからは遠くなっているような気がしないでもない。
暗くなって家路を急ぐ身には通りに面した家々の窓からこぼれる温かな明かりがありがたい。お年寄りだけの世帯が増え、たとえ開け放った窓であったとしても子供を囲む家族団らんの声があふれて来る窓は少なくなっているわけだが、寒い風の中で窓の明かりに出会うと、どの家の窓からも楽しげな声が聞こえて来るような気がする。
家々の屋根を越えて振り仰げば冬の空は澄んでいて、目が悪い私にもくっきり星座を見渡すことが出来る。その遠いかすかな明かりのほうが、電気の飾り付けよりおごそかに優しく目に飛び込んで来るように感じるから不思議だ。何万年、何十万年も飛び続けて今ここで出会った光に照らされて、温かな窓の向こうに暮らす方々の遠い未来のことまでふと考えたりする。寒い夜も、わずかな明かりさえあれば元気が出る。そんなつもりはなくとも、そこで暮らしている、ただそれだけのことで、漏れ出す窓の明かりが、きっと誰かの役に立っているのだろう。街灯の白い光で伸びた影を見ると猫背でも、暖かな窓の明かりの前では背筋がしゃんとしている。
いつも柔らかな空気に包まれている職場なら、そこで希望も生まれてくるだろうが、固く尖った空気を充満させている職場は多い。だから家々の温かい窓の向こうは忘れてしまった希望を取り戻し新しい希望を生み出す場所であって欲しい。震災後の日本を宇宙ステーションから写した映像をテレビで見たことがある。街の灯が消え黒々とした列島が写っていた。希望が生まれる場所が失われてしまったことを痛感する光景だった。電飾が復活するように窓の灯りは復活して来ている。
国を守るために様々な法律が生まれ、境界線が敷かれる。大切なものを大切にしたいために海の向こうの人も含め多くの人が熱くなってしまう気持ちもわからないではない。しかし、その気持はどこか空回りして温かい窓の向こうで生まれるはずの希望の芽を摘んでしまいかねない。生活の灯りが災害や戦火の灯りに変わってしまわないように、穏やかに明るく照らす普通の暮らしの温かい窓を大切にしていきたい。(三)
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