JSP_Blog

IMジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

方向感

2016-09-12 08:24:59 | 日記
 名は体を表すという。親の願いが名前だけにとどまらず、その後の育成にまで及んだ成果なのか、スポーツ選手や学者などのお名前を聞くと、種目や研究専攻にぴったりではないかと驚くようなことがある。もちろんスポーツ選手や学者ばかりではない。様々な場面でその方のお名前がまさにその方の職業そのものを表していると思う場面に遭遇することがある。
 
 名前の力というと、アーシュラ・K・ル=グウィンの「ゲド戦記」や、おなじみの「千と千尋の神隠し」が思い出される。真の名前は、そのもの自体が力を持っており、名前を失えば力は発揮できない。それほどに名前は大切なもので誰かに奪われて良いものではない。ゲド戦記に語られる名前の力は、クレジット(信用)社会が行くところまで行った欧米の今を揶揄しているようでもある。

 日本で今、名前の力で思い浮かぶのは映画「君の名は。」だ。昼休みに社内で話しをしたら岸恵子の名前が出て来たが、そこまで時間をさかのぼっては話しが続かない。その上ヒロイン役の名前がサッと出て来るようでは、現代の「君の名は。」が表現している、大切な名前を思い出すことが出来ないことの切なさや、思い出すことは出来ずとも思い出さなければならない名前に今日は出会えるかもしれないと過ごす日々の期待と哀愁を理解するのは難しい。

 映画の中で起きる名前を覚えていられない現象は、映画を見て何故なのか考えて欲しいが、現実世界でも映画とは異なる理由でよく起きる。基本的な理由は脳内の海馬という部位の能力に関係しているという。世界で起きている事象は、まずこの海馬に蓄積される。海馬のキャパシティを超えた量の記憶は蓄積されない。つまり覚えることが出来ない。海馬に蓄積されている期間は長くても2~3週間ほどらしいので、それよりもっと長く記憶しておこうと思ったら大脳辺縁系に記憶を移しておかなければならない。記憶の移動は主に夜眠っている間に起きるらしい。徹夜仕事を続けると、その間に何をしたのか覚えていないことがある。忘れたくない大切な思い出を体験した日は、よく眠ることをお勧めする。その逆の場合は、朝まで呑んだくれてしまう行為など案外理にかなったことなのかもしれない。
 
 特に呑んだくれたわけではないが、映画を見てわずか10日ほどしか経っていないのに「君の名は。」の主人公たちの名前を思い出すことが出来ない。これはおそらく海馬のキャパシティが小さく、日常にそれを超える情報が多く、海馬から大脳皮質に記憶を移動させるための新しい細胞の生成が盛んでないことを示している。いわゆる老化現象でもあるが、若い人でも運動が不足すると同じように記憶伝搬のための神経細胞が生み出されにくい状況になるという。適度に運動してよく眠ることが物忘れを防ぐ秘訣ということなのだろう。
 
 名前は、そして名前にまつわる思い出は、不思議とその人の未来を予感させる。子供の未来を案じ必死に名前を考える親の気持ちがわかる。命名とはよく言ったものだ。(三)


monipet
  動物病院の犬猫の見守りをサポート
  病院を離れる夜間でも安心

ASSE/CORPA
  センサー、IoT、ビッグデータを活用して新たな価値を創造
  「できたらいいな」を「できる」に

OSGi対応 ECHONET Lite ミドルウェア
  短納期HEMS開発をサポート!

GuruPlug
  カードサイズ スマートサーバ

株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
  製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする