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IMジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

略語

2017-02-13 08:29:22 | 日記
 短縮して使っている用語がいつしか最初からそうであったかのように染み付いてしまい、短縮前は何と言ったのか忘れている。最近よく聞くのが「リスケ」だ。漢字で「利助」かというととんでもない。このままでは納期に間に合わないのでスケジュールを変更して何とか格好をつけようという、攻めというよりどちらかというと守りの手段だ。ほとんどの場合、利益は減少する。利を助けるどころではない。短縮前は「リスケジュール」という。

 直行直帰なども、おそらくはそのたぐいだろう。確かに「明日はお客様先に直接出かけます」と言うより、「明日、直行ね」と言う方が手間がかからない。
 毎朝同じ時間に家を出て同じ電車に乗り同じ道を通って会社に行き、という生活を送っていると、この「直行直帰」には強力なインパクトがある。いつもと違う時間に電車に乗り、いつもと違う駅に向かう、これだけで相当に新鮮さを感じる。

 その上電車に乗り込んだ途端、ほんわかと優しげな女性が可愛らしい女の子を抱っこしていて、「ほら」などと言いながら窓の外の景色を抱き上げている女の子に指差しながら説明している場面などに遭遇してしまうと何だか平和のありがたみみたいなものが急に直行の身体を包み込む。
 その直後、にゅっと伸びて来たスーツの腕が女の子をぐいっと奪って次の駅で降りて行ってしまう。ぎょっとする。
 あまりに母娘に集中していたために脇に父が居たことに気付かなかったのだ。ほんの少し混んでいる程度の車両の中、ほかのお客様に気を使ってか女性は声にならない声で“行ってらっしゃい”と言いながら、どこかに連れ去られて行く娘に小さく手を振った。顔には娘に見せた笑顔を残したまま、姿かたちはもうすっかり出勤する働く女性に変身してしまう。おそらくお父さんがお嬢さんを隣町の保育園に送り届けてから出勤するのだろう。いい家族なのだ。お母さんもお父さんも頑張っている。お母さんから引き剥がされて連れて行かれたお嬢さんも頑張っている。頑張れ家族。届かないだろうなと思いながらその家族全員に私はテレパシーを送った。直行したからこそ出会った光景だ。

 コンピュータのソフトウェア開発を仕事にしていると、その業界に独特の略語に日々さらされることになるわけだが、開発の工程を呼ぶ用語なども何なのかよく分からないものが多い。エステと言えばエステティックの略語だが、エステーとテの部分を伸ばして言ったら何なのか。これがSTの日本語表現だと言う。
 ではSTとは何なのか。スタートレックファンの私などはすぐさまそちらを思い浮かべてしまうが、そうではない。システムテストの略語なのだ。開発工程も終盤に差し掛かると、最初に計画した通りの機能や性能があるかどうか最終確認する必要がある。それまでにもいろいろなテストを実施してきたうえで最後にやってくる儀式だ。
 本来ならすっと終わるはずである。が、そうならない不思議がこの業界のミステリーだ。開発現場のあちこちでいろいろなうめき声が上がり、「リスケ」という言葉が囁かれるようになる。その向こうに平和のありがたみをしみじみかみしめられる世界が待っていればいいが、そうでない場合が多い。マネジメントが大切にしているものが見えてくる瞬間だ。(三)


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株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
  製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
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