苦労話は将来のネタ

　ところどころで道の落ち葉を掃除している人が目につき、空気はピリッと乾燥し、季節は冬の気配が感じられる。この時期になると昨年イタリアに行ったことが思い返され、まだまだ記憶は鮮明に残っているが月日が経つのは早い。現地で大量に買い込んだ色とりどりの洗剤たちは洗面所に綺麗に並べられているが中身は空っぽのものもある。もっと買っておけば良かったと妻に愚痴られるがさすがに20kg近く買えば十分だと思うし、運ぶのが大変だったという良い思い出がある。

　スマホに保存されたイタリアの写真を眺めながら思い出にふけったりするが、あらためて思うのがスマホがあれば日本と同じような生活を送ることができるという点だ。しかし、スマホだけでは解決できないような苦しい場面もあり焦ったことといえば、一つ目はトランジットで利用した北京空港で手荷物を受け取れなかったことだろう。手荷物はすでにローマ行きの便に積載されていることを自分が知らないだけだが、話が通じるスタッフを見つけ出し、状況を理解するのに1時間は使った。

　次にあげるとすれば、北京-ローマ間のフライトだろうか。エコノミークラスで10時間は非常に長くかなり疲れ、中東上空を飛行するので変なことが頭をよぎったりもする。疲労と不安感が増している中でのようやくローマ空港で着陸態勢。無事に着陸できるよう祈りながら、距離と高度が表示されている前面のモニターをじっと見つめる。残り1km、高度200mを切ったところで、まさかのやり直し。旅客機はぐんぐん上昇し空港から離れていく。不安も上昇。2回目の着陸は無事に成功したが乗客たちから拍手が起こっていた。みんな不安だったのだろう。

　三つめは、ホテルの鍵の開け方が複雑だったことを上げよう。日本のように1回転回せば開くのではなく、1回転半、2回転半など扉によって違い、単純に回してもダメでほとんどが奇跡的に開いたような感覚でありかなりの時間を要した。

　色々苦しい場面はあっても今となっては話のネタになるので新しいことに挑んでみることは楽しい。最近のニュースでは、コロナワクチン開発に進展がみられているようで期待が高まるが、ワクチンの承認はかなりハードルが高いようだ。何十億人に接種するので慎重にならざるを得ないのだろう。また仮に承認されても一般に出回るのは来年になるようだ。これから冬が待ち構えている。まだまだ浮かれずに、感染対策をしっかりしながら生活することが求められている。また海外に行きたいところだが当分先になるであろう。TBSの世界遺産でも見て映像で楽しもう。(真)

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