電子メールもまた同様である。あちこちからやってくる読みもしないメールがごっそり貯まって行く。ビデオレコーダーもしかり。後で見るつもりで録画しておいたものが見る時間が無いままディスクの空きスペースを不足させていく。
夏が来れば思い出すのは、はるかな尾瀬の姿ではなく、むやみに溜まってしまったこれらの「捨てる決断さえできれば捨てることができるのに決断できないためにむやみに溜まっていくもの」を片付けられずに呆然として遠い空を見つめている自分の姿である。
普通の週末には別にやらなければならないことが満載であるため、夏休みと称して数日取れる休みの日に溜まったあれこれを片付けようというのが最近の夏の行事になっている。今年はその上さらにパソコンの基本ソフトをWindows10に切り替えてしまおうか、などと思い立ってしまったのが失敗の始まりだった。
Windows10をインストールするにはディスクに空きスペースが大量に(できるなら20GB)は欲しい。にもかかわらず、わが家のパソコンにある空きスペースは、わずか5MBである。あまりの容量不足でWindowsUpdateすら正常に行われていなかったふしがある。
半年前に録画した番組を見ながらパソコンのディスクを空けるための戦いが始まったのは、夏休み前日の夜11時を越えたあたりだったはずだ。それから明け方までかかってビデオレコーダーに溜まった古い番組の3分の1ほどを消去し、バックアップを取ったパソコンのディスクに4GBの空きが生まれるほどには達した。だがそこで力尽きダウン。
数時間後には無理やり起き出して今度は引き出しに無造作に突っ込んであるだけのダイレクトメールその他の紙の整理とパソコンのディスク整理を同時並行で進める。朦朧としているので正しい判断ができない。これが実にいい。決断が早いのである。例えばこんな感じだ。「これは捨てだな」「これも捨てだな」「面倒だから細かく見ないでみんな捨てだな」。で、パソコンのディスクは一気に工場出荷時の状態に。引き出しは一気に空の状態に。だが一抹の不安は漂う。
5年前のパソコンである。空きを作るために一気に工場出荷時の状態に戻してしまったが、これはもう本当に大変なことになってしまった。5年分のWindowsUpdateが一気にやって来た。録画した番組を見たり消したりしながら、パソコンの画面も見る。忙しいことだ。テレビ、パソコン、テレビ、パソコン。永遠に繰り返されるロボットのような作業。この一体どこが夏休みなのだろうか。人の世の理不尽を何もかも背負ってしまった(かのように錯覚した)私は全てを放り出して夕暮れの町に飛び出した。
で、今もまだビデオレコーダーの中には数ヶ月前の番組が数多く放置され、パソコンはWindows10にアップグレードされていない。
夕暮れの町に飛び出した私はとぼとぼと映画館に入り、映画を1本見て帰ってきたのだった。(三)
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