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ユニフォーム

 私の自慢のヤンキース松井の背番号55がついたユニフォーム、3年前東京ドームで行われたヤンキースの開幕戦に着ていったあのユニフォーム、実はもう私の手元にはない。4月に花見をしていたときに、そこにやって来た従兄弟の息子、小学校2年生がヤンキースのキャップを被っていたので、「おっ、ヤンキースファンなの?」と尋ねたら、「松井のファン!!」と答えた。その時既に大分メートルが上がっていた私は大喜びして、「じゃあ、松井のユニフォームをやろうか?」とつい言ってしまった。「えっ、くれるの?」と嬉しそうに言うものだから、「うん!ついて来いよ」と家まで連れて行って、ユニフォームを着せてやった。


 アメリカ製のLサイズのユニフォームだからめちゃくちゃ大きい。2年生では足元まで隠れてしまうほどだったが、やたら可愛かった。「似合うじゃん!」と大声を上げると、父親である従兄弟は「本当にいいの?」と恐縮したが、「いいよ、いいよ」と酔っ払いの私は太っ腹なところを見せた。「大事にするんだぞ」と従兄弟は息子に言い聞かせていたが、これでコアな松井ファンが一人増えたと思えばお安い御用だ、と良い気分でさらに杯を傾けた・・・。
 翌朝はさすがに、ちょっと調子に乗りすぎたかなと反省したが、ユニフォームの飾ってあった壁を見てもさほど後悔しなかった。もし万一NYまで試合を観に行くようなことになったら、あの子に借りに行けばいいわけだし、などと訳の分からぬ言い訳だけは上手に作っていたが。
 ただ、ユニフォームが飾ってあった壁が寂しくなった。何か代わりに飾るものはないかなとそれ以来思っていたところ、昨日息子がいい物を送ってきてくれた。


 誕生日と父の日のお祝いだそうだ。私の母校でもないし、斎藤投手のファンでもない。なので、どうして?という気がしないでもないが、ひょっとすると今日本で一番人気のあるユニフォームなのかもしれない。私が流行物を欲しがるミーハー気質であることを十分知っている息子ならではのプレゼントだ。そう思うと嬉しくなって、早速ユニフォームを着て、キャップを被って写真を撮った。その写真を貼付して「サンキュー!」とメールを送った。
 
 私のユニフォーム姿を見た妻が、
「どこかに着ていくの?」と尋ねた。
「日曜日にどこか出かける時に着ていってもいいかな」
「やめてよ、私が恥ずかしい。それよりパジャマにしたら?」
「せっかく送ってくれたものをパジャマにしたら申し訳ないだろう」
「いいじゃん、毎晩着てくれるなら本望だと思うよ」
人のことだと思っていい加減なことばかり言う。自分は一緒に送って来たチョコを食べてご満悦だから、いい気なもんだ。


「W」のロゴが入った Mary's のチョコ。色んなグッズがあるもんだ。
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