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ソルべ

 頂き物をした。妻が楽しそうに包み紙を開けると、「あっ、ソルベだ!」と叫んだ。私はソルベが何なのかよく分からずにのぞき込むと、小さなガラスのコップ状の入れ物に果汁が入っている。「何これ?飲み物?」と私が聞くと、「だからソルベだって」と妻が素っ気なく言う。「ふーん、ソルベねえ・・」と曖昧な返事をしていると、妻は箱から幾つか取り出して冷凍庫にしまった。なるほど凍らせて食べるものか、と分かったような気になったが、どうにもソルベという語がしっくりこない。こっそり検索してみた。
  「ソルベとはフランス語でシャーベットのこと」
なんだ、シャーベットのことか。それにしてもよかった。一応これでもフランス語を専攻した身であるから、下手に意味を妻に尋ねたりしていたら、バカにされるところだった。だが、なんて人騒がせだ。シャーベットならシャーベットでいいではないか。何もフランス語に言い換える必要はない。勿論フランス料理のデザートから広まった言葉なのだろうが、同じものを指すのにいくつもの用語があっては紛らわしい。洒落ているつもりでも、意味が伝わらなければ何にもならない。困った風潮だ。
 でも、シャーベットって一体何だろう。アイスクリームとは違う(牛乳を使ってないからかな?)。もちろんカキ氷とは明らかに違う。あれは氷を欠いたものにシロップをかけたものだ。それならまだみぞれアイスの方が似ているような気がするがよく分からない。また調べてみた。
 「ピューレ(果物をつぶして皮や種、芯などを取り除いて裏ごししたもの)を凍らせたもの」
とあった。果物を絞って作られたものがジュースだから、ビューレの方が果物全体のエキスを集めたものなのだろう。なんとなく分かった。確かに冷やす前のコップには果物のエキスが濃厚に詰まっていたように見えた。

 翌日、冷やしておいたソルベを食べてみた。マンゴー・ストロベリー・青リンゴ・ピーチ・カシスなどがあった中から、マンゴーを選んだ。

 

さすがにピューレというだけあって、ふたを開けたらマンゴーの香りが芬々と漂ってくる。おいしそうだなと、スプーンを挿してみたら驚いた。カチカチに冷えているばかり思っていたら、さーっとスプーンが通る。凍っていないような気さえする。これがピューレの持つ特徴なのだろうか?不思議に思いながら一口食べた。


普段マンゴーはあまり食べないが、このマンゴーはおいしい。口に入れると、思ったほど濃くはなく食べやすい。柔らかくて、冷たくて、食べやすいから、ついつい急いで食べてしまい、こめかみの辺りがキーンと痛んだ。久しぶりだ!痛くてたまらないが、「冷たいものを食べたんだ!」という実感がして、嬉しくなってきた。
 
 翌日にはカシスを食べた。


これもマンゴーに負けないくらいおいしかった。負けないくらいキーンときた。負けないくらい痛かった・・。
 
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