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柿の種

 少し前に、従姉妹が「柿の種」の缶をくれた。


 越後長岡の「浪花屋製菓」の「元祖柿の種」。元祖と言われると「ほんとか?」とついつい疑いたくなってしまうが、柿の種を初めて作ったのは事実「浪花屋」なのだそうである。
 「1923年(大正12年)、新潟県長岡市摂田屋町の浪花屋製菓の創業者今井與三郎が、うっかり踏み潰してしまった小判型煎餅の金型を元に直せずそのまま使用したところ、歪んだ小判型のあられになってしまった事が誕生のきっかけである。商品名は得意先の「柿の種に似ている」との一言から付けられた」(Wikipediaより)
 そんなに由緒正しい柿の種ならきっとおいしいだろうと、早速食べてみた。

 

 かなりの大粒で、食べた!という気がする。適度な辛味もあって、なかなかの味だ。さすが「元祖」を名乗るだけのことはある。
 だが、何か物足りない。日曜の夜はご飯代わりに柿の種を何袋も食べている私にはどうもイマイチだ・・。なぜ?
 そこで、いつも食べなれている亀田製菓の製品を出して並べてみた。


 2つ並べたらすぐに分かった。ピーナッツが入ってなかったんだ!!私の大好物は亀田の「柿の種」ではなく、「柿ピー」だったんだ。
 柿の種だけではどうしても飽きてしまう。かといってピーナツだけもちょっと寂しい。そんな隙間を絶妙に埋めてくれるのが「柿ピー」なのだ。柿ピーは一度食べ始めたら止まらない。いくらでも食べられる。当然ながらそれは柿の種とピーナッツの相乗効果によるものだ。しかし、どちらか一方が多くてもこれだけのおいしさはきっと生まれないだろう。亀田製菓はおいしい「柿ピー」作り出す、その配分比率を「黄金バランス」と呼んでいる。最近CMでもこのキャッチコピーをよく見聞きするが、HPなどを調べてもその比率が何対何なのかは教えてもらえない・・。(今現在キャンペーンも行われているようだが、賞品が心をくすぐるものではないため、パスしようっと・・)
 「黄金バランス」と言われれば、なるほどと頷くしかない。柿の種はさほど辛くないし、ピーナッツも甘くはなく、固くもない。これほど完璧においしいと「浪花屋製菓」の大粒の柿の種に、どんなピーナッツを合わせてもきっと「亀田の柿ピー」には叶わないだろう。そんなことは十分承知しているから、自分で様々な組み合わせを試してみて、マイベスト・柿ピーを探し出そうかな、などという企画はチラッと頭に浮かんだ瞬間に消え去った。無駄な抵抗はしないほうがいいものね・・。


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