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はいしゃさん

 きんようびにはいしゃさんからもうこなくていいよ、といわれました。

 まいしゅうかよっていっぱいいっぱいはをなおしてもらいました。

 ぼくひとりではいしゃさんにかようのはこわいのでいつもツマさんについていってもらいました。

 ツマさんは「あなたはもうおおきいんだからひとりでいけるでしょ」といいましたが、ぼくにはとてもそんなゆうきがありません。

 せまいまちあいしつでじっとぼくのばんをひとりでまっているなんてとてもできません。

 いまかな、いまかなとおもっているうちにだんだんドキドキしてきて、あたまがくらくらしちゃいます。

 なので、いつもツマさんにおねがいしてついていってもらいました。

 でも、このあいだのきんようびはツマさんがきょうとのぎおんまつりにいってしまったので、ぼくひとりではいしゃさんにいかなくちゃいけませんでした。

 はいしゃさんにひとりでいかなくちゃ、とあさおきてからずっとおもっていたら、おひるごろになったらもうつかれちゃいました。

 だいじょうぶかな?とますますしんぱいになりましたが、ぐっとおなかにちからをいれてがまんしました。

 はいしゃさんについたら、うけつけのおねえさんに「よろしくおねがいします」としんさつけんをわたしました。

 「きょうはひとりですか?」とおねえさんがきいてくれましたが、ぼくはきんちょうしていて「うん」としかこたえられませんでした。

 おばあさんがひとりまちあいしつでまっていましたが、すぐにしんさつしつのなかにはいっていきました。

 こんどはぼくのばんだ、とおもったら、ちょっとしんぞうがドキドキしてきました。

 「だいじょうぶ、がんばれ」とじぶんにむかっていってみました。

 するとすこしげんきがでました。

 「じゅくちょうさん」  

 おねえさんがぼくのなまえをよびました。

 「はい」とおへんじしてしんさつしつにはいっていきました。

 しんさつしつはいつもぼくひとりではいっていくので、ここまでくればいつもといっしょです。

 「おねがいします」とせんせいにいっていすにすわったら、せんせいがすぐにみてくれました。

 かたをとってあったはをかぶせたらおわりました。

 「はい、これでもうおわりですよ。またなにかあったらきてくださいね」

 せんせいはそういってくれました。

 ぼくは「ながいあいだどうもありがとうございました」とツマさんにいわれていたとおりにおれいをいいました。

 むしばだらけのぼくのはをせんせいはきちんとなおしてくれました。

 あんなにいたかったははもうなんともありません。

 はいしゃさんてすごいな、とおもいます。

 でも、はじめてひとりではいしゃさんにいけたから、じぶんもすごいとおもいました。

 

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