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40日後へ

 「解散!」と父親に宣言されてホームレス生活を余儀なくされた芸人もいたが、昨日の衆院の解散により40日後は「ただの人」にならざるを得ない議員はたくさんいるようだ。それがイヤであれこれ画策したもののいずれも不発に終わり、とうとう夏真っ盛りに負け戦覚悟で体力、精神力、さらには資金力まですり減らさねばならなくなった御仁たちには「ご愁傷さま」としか声がかけられない。
 まあ、なんにしても国民が「そのまんま東」に踊らされずにすんだことは喜ばしいことだ。今回の醜態は己を買いかぶりすぎた男の末路だとしか言いようがないが、マスコミ始め国民の大多数も適切かつ冷静に判断できた結果であるだろうから、まだこの国も捨てたもんじゃないと思った。笛を吹こうとした者たちがあまりにお粗末だったから、踊りたくても踊れなかっただけかもしれないが、それでも悪臭紛々たる風が吹かなかないまま総選挙に突入できそうなのは何よりだ。
 それにしても、麻生太郎が解散を明言して以来の自民党のすったもんだは三文芝居よりも醜悪だった。その中心にいた人物の面妖な顔つきをTVで見る度に、「これは放送禁止だろう」などと思ったりしたが、彼らの持って回ったような言質はいくら聞いてもいったい何が言いたいのかまるで伝わってこなかった。あれこれ忙しい時に彼らの道楽に付き合ってもいられないから、早々にチャンネルを代えたものだが、どうしてこの大変な時期に下らぬ争いに血道をあげられるのかまるで理解できなかった。訳の分からぬことばかりやってないで、生活が少しでも楽になるよう粉骨砕身してみろよ、そう思った者は私一人ではないはずだ。私たちの暮らしが己の保身をかけた政争の道具に使われるなんて真っ平ごめんだ。とりあえず解散という一区切りがつき、次の政治を担う人々を選択する権利が私たち一人一人に与えられたことは、何よりも喜ばしいことであり、じっくりと候補者ならびに政党それぞれを見極めなければならない。今回の選挙こそ、民意が十二分に反映されたものになることを期待してやまない。
 と言っても、下馬評は圧倒的に民主党有利だ。このところ見せ付けられた自民党の体たらくぶりを考えれば至極当然なことだ。週刊誌で何度か当落予想を読んだが、かなりの有名政治家が苦戦を強いられているようだ。派閥の領袖、キングメーカーを気取った黒幕、そうした古い自民党の体質を象徴する者たちがいわば在庫一掃セールのように、国会からはじき出されると停滞し続けた政治も少しは風通しがよくなるかもしれない、期待しよう。と同時に、民主党をあまりに大勝させてしまってもよくないだろう。何せ彼らは政権を握ったことのない者の集まりであり、権力の陥穽にはまって、国民に対する謙虚さを失ってしまったりすれば、自民党政治となんら変わりはない政策しか取れなくなってしまう。「官僚政治の打破」などと叫べば威勢はいいが、いつの間にかそんな政治にどっぷり浸かってしまう危険性は十分ある。現状に安住した瞬間から、堕落は始まる・・。
 日本人のバランス感覚はなかなか秀でたものがあると、選挙のたびによく言われてきたが、前回の「郵政選挙」ではその微妙な感覚が失われ、自民党の独裁を許してしまった。今回もあまりに民主党が一人勝ちしてしまうと、制御不能の暴走列車になりかねない。そのあたりに民意が果たして及ぶかどうか、40日後に結果が分かるとは言え、それまでの過程がなかなか面白そうだ。
 ちょうど私が夏期講習で寝食を忘れるくらいに頑張っている最中に、国会議員を目指す奇特な人々も必死になると思うと、「共に頑張ろう!!」と思わず声を掛けたくなる。私も必死、彼らも必死。彼らに負けないよう、頑張っていこう!!
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