じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

水増し合格

2007-07-21 10:39:25 | 教育
★ 私立大阪学芸高校の水増し合格が話題になっている。

★ 少子化の中で、高校が塾・予備校化していることを浮き彫りにした。それにしても1人で73人分の合格とはある意味スゴイ。この報道は未履修問題や高校球児をめぐる奨学金問題と同じように、これから波紋を呼びそうだ。

★ 少子化の中、私立学校は生き残りをかけ熾烈な戦いを繰り広げている。高校は同じく激しい生存競争をしている大学との連携、系列化を進めている。中堅・底辺校では進学実績を上げることによって「成り上がり」をめざしている。

★ 「ドラゴン桜」戦術だ。

★ 一方で、公立が進学実績を上げるべく競争に参入してきた。私立対私立そして公立対私立、公立対公立。設置形態の垣根を越えて、競争が激化している。

★ とりわけ私立学校は生徒を確保してこそ発展もある。京都府でもかなりの私立高校が定員割れしている。公立への回帰が起こっている。ジリ貧になれば合格レベルが下がる。問題を起こしそうな生徒も受け入れざるをえない。それが悪い評判を呼ぶと更に受験生離れが進む。このような悪循環が繰り返される。

★ 大学側にも問題がある。昔なら1人で73もの合格は不可能だった。試験日が重なることもあるし受験者の負担を考えればタフな受験生でもせいぜいが1ケタの合格だろう。ところがセンター試験の結果だけで合否が出るのだから、少数ながら優秀な生徒を抱える高校には願ったりの状況だ。

★ 背景としては、センター試験の私立学校への拡大があげられるが、授業料返還訴訟の結果、私立大学が受験料を大きな収入源としている実態がある。受験機会を複数化、細分化することにより、1人の生徒が何度も受験できるようになった。当然受験料収入が増える。

★ 今回の出来事は、私立大学、私立高校の互助会的な雰囲気の中で起こったことではないか。それにしても今回の学校側の水増しはあまりにも露骨である。

★ スポーツ選手同様、授業料を免除(全額・一部)したり奨学金を給付して優秀な(大学合格実績を稼げそうな)生徒を集めている私立高校は多いように思う。今回の出来事までは至らなくても、実績稼ぎのために生徒が利用されることもあるようだ。

★ 最近、近隣の高校では国公立への進学を強引に進めている。高い目標に向かって学習に励むことは良いことだが、校長の評判や学校の実績稼ぎに生徒が利用されていると思うと複雑なものがある。

★ どこもここも生存競争。「勝ち組」がいれば「負け組」もいる。パイが小さくなって世知辛くなってきた。市場原理によって質を高めるのは結構だが、詐欺まがいの情報はいただけない。実績を強調されるのは結構だが、ルール作りが必要だろう。短期的な隆盛はあってもバケの皮がはがれれば、一気に没落する。

★ 教育には長期的な視点が必要だ。見かけだけの実績、浅ましい競争に代わる原理を見つけたいものだ。

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