じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

「東京物語」を観た

2011-04-05 00:32:34 | Weblog
★ NHK-BSで「東京物語」を観た。

★ 今までも何度か観たが、今回はデジタルリマスター版と言うことで、映像が本当に美しかった。昭和28年の作品とは思えなかった。

★ ある家族の風景を坦々と描いているのだが、名監督、名脚本、名俳優、名スタッフが描くとここまで素晴らしく描けるのかと感動した。

★ 笠さん、東山さんのおじいちゃん、おばあちゃんの演技、素晴らしい。撮影当時笠さんは48歳だと言うから驚く。48歳で72歳の老人を演じて、それが実に自然だった。

★ 山村さん、杉村さん、原さん、すごい人々だ。大坂さんや香川さんが若い。

★ 東野さんや十朱さんもいいねぇ。

★ こうやって見てくると、日本人の顔が現代人とは違っているように思える。生活や文化の違いが顔立ちにも表れるのだろうか。

★ 家や駅や街並みを見ても貧しさが感じられるが、どこか懐かしく、そしていい時代だったなぁと感じる。感情的なぶつかりあいはあるのだろうか、何か素朴で人間らしい感じがした。家族、友人など人間同士のつながりを感じた。

★ ある意味で今よりずっと豊かだったのかもしれない。

★ 笠さん、東山さんのセリフが実にゆったりしている。「ありがとね」の抑揚がいい。映画全体のテンポは信じられないほどのんびりしているのに、それでも飽きることなく最後まで観てしまう。この魅力は何なのだろうか。

★ カメラに向かって一人演技をし、それを編集でつなぎ合わせているなぁと思うシーンがいくつもあるが、でもそれが嫌味じゃない。

★ この映画は家族の変質を予見したとも言われるが、今の時代から見れば、実に「家族」を感じる映画だ。

★ ときどき描かれる風景の描写、余韻のあるラストも素晴らしい。

★ 観る人が年を重ねるにつれて、味わい深くなる映画なのかもしれない。
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