★ YouTubeでドラマ「新選組」(1973年)第1話を懐かしく観た。鶴田浩二さんが近藤勇を、栗塚旭さんが土方歳三を演じている。新選組といっても元々は浪士の寄せ集まり。結成当時は3人の組長がいたという。芹沢鴨、新見錦、そして近藤勇である。
★ 第1話は士道に背き、局中法度を破った芹沢、新見派を近藤派が粛清するというもの。放映当時を考えれば内ゲバのようなものか。
★ さて、今日は日本推理作家協会編「スペシャル・ブレンド・ミステリー 謎006 今野敏選」(講談社文庫)から泡坂妻夫さんの「鳴神」を読んだ。
★ 主人公の男性は電車で懐かしい人に会った。今から40年前、戦時中。当時小学5年生の主人公は田舎に疎開していた。彼の疎開先に東京から若い女性(30歳ぐらい)がやってきて同居する。
★ 東京の商家の娘だというが、少年の目を引いたのは、彼女の全身に彫られた刺青だ。「雲の絶間姫」をモチーフにしたもので当世名人の彫師の手によるものだ。
★ 見事な作品だが、しかしなぜ商家の娘が身体に墨を入れたのか。娘は理由をはぐらかすが、それは作品の終盤に明らかとなる。
★ 主人公は勉強はできたがひ弱で、その上、疎開者であることもあって、地元のガキ大将にいじめられていた。それを女性が一肌脱いで解決したという。そのことが、わずか1年に満たない同居にもかかわらず、主人公に忘れられない思い出になっている。
★ 「鳴神」というのは歌舞伎の演目の1つだという。