須川邦彦 著。
明治31年、日本を出航した帆船『龍睡丸』が しけに合い難破し、
翌年に乗組員16人が近くの無人島に上陸。
そこでの約3か月間の生活が描かれています。
何がすごいって、その乗組員全員が一人も欠けることなく日本に戻れたこと。
それは決して奇跡ではなく、きちんとした理由があるのです。
もし、これが現代で起こっていたら、おそらくこうはいかなかったと・・
普通16人いたら、その中の1人や2人、
弱音を吐いたり投げやりになったりしてチームワークを乱す者がいると思うのですが
龍睡丸の乗組員にはそんな奴はいませんでした。
”ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために”
これを、いつ戻れるかもわからないのに行動で示した結果、
全員が生きて戻れたのです。
各人が与えられた仕事をきっちりこなし、
絶望せず、明るく、知恵を絞り助け合って生きたのです。
常に冷静さを失わず、若い乗組員を統率するリーダー。
そしてその年長者を敬う若者たち。
感動しました。
すごいことです。
もっともっと世間に知ってほしい本だと思いました。
あらゆる場面で教科書になり得ます。
そして、今の私たちが忘れかけている「日本人の良さ」を思い出させてくれる本です。