やっぱり幸せ♪

日常の色んなこと、特に発達障害を持つ息子との素晴らしき日々を綴っていきたいと思います。

2015夏 牛窓旅行4

2015年08月21日 | 旅行

主人と息子・・・二人が潮に流され島の向こうに消えてから、どれくらい時間が経ったでしょう。

救助に向かったガイドさんの声も、とっくに聞こえなくなりました。

私は、崖の上に立ち、二人が消えていった方向を眺めながら、ただ祈るしかありませんでした。

20分・・・30分・・・時計も携帯も持っていないので、時間を知ることは出来ません。

 

救命胴衣を着用しているので、二人は浮かび続けているはずです。

どんどん流されることがあっても、瀬戸内の海には釣り船もたくさん出ていて、救助されるのは時間の問題のはず・・・

そう自分に言い聞かせながら、待つしかありませんでした。

 

「お母さん、だいじょうぶですよ! 無事、救助しましたよ!!」

全く逆の方向からガイドさんの声がしました。

 

カヤックで上陸した海岸に戻ると、二人が待っていました。

潮の流れに乗って、ぐるりと島の向こう側の岸に泳ぎ着き、そこから歩いて戻ってきたようです。

恐怖で半分パニックになり、父親の腕にしがみついて離さなかった息子の手を、父親の救命胴衣の腰のベルトをしっかりと掴ませるようにして、それによって、主人が泳げるようになったそうです。主人は、本来泳ぎが得意なはずでした。

息子は足を怪我して少し血を流してはいましたが、たいしたことはありませんでした。

 

安堵するとともに、ガイドさんにお礼を言い、長い間待ってくださっていたツアーの女の子達に謝って、やっと前島を目指して出発しました。

 

この日の海は、穏やかに見えるものの、潮の流れは普段よりきつかったそうです。

前島に戻るのも、直接前島を目指すのではなく、ガイドさんの指示で、もっと遠くまでカヤックで漕ぎ進んで、潮の流れの少ない海域に入ってから、サンビーチに向かって漕いでいきました。

 

潮の流れは、私達の目には見えないけど、ガイドさんの目にはしっかり見えているのですね。

 

爽やかな潮風と、カヤックを漕ぎながら望んだ水平線、眩い波のキラメキを満喫して、シーカヤックの体験が終了しました。

アクシデントも含めて、一生忘れられない思い出となりました。

 

サンビーチで少し遊んでから帰ろうかと思ったのですが、息子が「もう泳ぎたくない」と言うので、そのまま着替えて帰ることになりました。

 

臨海学校でシーカヤックに乗る前に、息子のペースで落ち着いて体験させてやり、余裕を持って臨ませてあげようと思っていたのに、これではマイナス体験になってしまったではないかと思うと、

「何やってん! 何で深いところに連れて行くの!?」と、主人に文句を言わずにはいられませんでした。

今年の特別水泳教室で、やっと2秒顔をつけれるようになったばかりの息子が、自分から行きたがるわけがありません。

「なめとったわ・・・。気ぃ着いたら、どんどん流されていくし、腕にしがみつくから身動きとれんし・・・マジでやばいと思った!!」

 

帰り際に、息子に「また来たい?」と尋ねると、

「カヤックは乗ってもいいけど、遊ぶ時に、海には入らん!!」と、言いました。

「無茶せえへんかったら、だいじょうぶやねんで。先生がここで遊んでいいよっていうところは、安全やからな~」

 

とりあえず、シーカヤックに限って言えば、プラス経験になったみたいです。

 

このあと、本土に渡って、オリーブ園を訪れ、最後に前島を一望して別れを告げてから、帰宅の途につきました。

 

一番向こうが小豆島で、その前にくっきりと見えるのが前島