8日に行われた市のソーシャルスキル・トレーニングは、「大縄跳び」「気持ちサイコロトーク」「ロールプレイング」「へびにょろ陣取りゲーム」でした。
この日の「ロールプレイング」は、うまく出来ないときの伝え方です。
まず、先生方がロールプレイングを行います。
図工の時間の工作で、台紙にこよりをくっつけようとしているのですが破れてしまいました。
ていねいに気を付けているのに、なかなかうまくいきません。
困ったAさんは、
1、「なんや! こんなもん、もうやめや!」と叫び、周りの友達はびっくりしてしまいました。
2、じっとして固まってしまい、友達が声をかけても返事もしません。
4年生から6年生の6人でトレーニングを受けているのですが、
「こういう状況になったことがある人?」
と聞かれ、5人が手をあげ、
中でも息子は、「しょっちゅうある。」と、答えたそうです。
「Aさんの気持ちを考えてみよう」との問いには、
「自分だけ作品が完成出来へんように思えて、イライラしてしまう。」
と、息子は答えたそうで、他にも
「うまく出来ないことをバカにされて、悲しい。」
「どうやったらいいか分からない。」
などの意見が出ました。
「では、こんな時はどうしたらいい?」との問いに、
息子は、
「先生にやり方を聞く。」
と、答えました。
「友達に教えてもらう。」
と、答えた子。
「僕は出来る!僕は出来る!って、言う。」
と、答えた子。
そして、
「頑張るしかない。」
と、答えた子。
2年ぐらい前までの息子なら、恐らく、「頑張るしかない。」と、答えていたかもしれません。
中学年の頃、手伝おうとしてくれた友達をひっかいてしまったことがあります。
自分で出来ないことは格好悪い、そう思っていたからだと思います。
頑張ることはもちろん大切ですが、出来ない・分からないことを伝えてアドバイスをもらうことは、重要なスキルです。
トレーニングのお陰か担任の先生のお陰か、5年生になった頃からは、困ったときに先生に聞くことが出来るようになりました。
子ども達は交代でロールプレイングをしながら、
一生懸命頑張っているけどうまくいかないことはある。
先生や友達にアドバイスをもらったり、手伝ってもらうことは、悪いことではない。
一番大切なのは、自分の気持ちをきちんと伝えること。
そう確認し合いました。
このソーシャルスキル・トレーニングを境に、息子の表情が少し柔らかくなったように思います。
トレーニングの前にも、通級や担任の先生に温かい言葉をかけていただいたのかもしれません。
けれど、トレーニングで、うまく出来なくて悔しく悲しい気持ちを言葉に出してみんなで共有し、うまくいく方法を再確認出来たことや、「自分だけじゃないんだ」と思えたことは、息子にとって大きかったんじゃないかな、と思います。
一足飛びには乗り越えられない、それどころか、繰り返し繰り返しこれでもかという程、悩んで心を鍛えていくしかないのかもしれません。
ただでさえ、傷付きやすい心をしているのに・・・。
息子が大人になるまでは、一緒に前を向きつつ悩んでいこうと思います。
ソーシャルスキルトレーニングを市でやっているんですね。やっぱり大都市は進んでますね。発達障害への支援も浜松に比べたらきっといろいろ進んでますね。
子どもが、自分だけじゃないと思える場があるのは、良いですね。
うちは、大阪でものどかな田舎に住んでいるのですが、やはり、大都市の大阪市や堺市には発達障害支援センターがあり、また、家族会も盛んに活動しているようです。
幸い、息子の通っている学校で、年に10回ですが、放課後に近隣の小学校の子ども達も集まって、通級の先生がソーシャルトレーニングを行ってくださっています。
4年間通っていますが、息子と同学年は一人もおらず、少し寂しかったみたいですが、最高学年になった今では、みんなのリーダーとして自覚して頑張っているそうです。
6年間、通級の先生には本当にお世話になり、手厚い支援を受けることが出来ましたが、中学校へ進学するとどうなのかな?と、少し不安です。
良い先生、友達に恵まれることを願っています。