多くの識者は20世紀は「戦争の世紀であった」と述べておられます。イエスの大預言通りに第一次、第二次世界大戦があり、その後絶えず世界の各地で戦争が生じました(マタイ24:3,6~8)。21世紀に入ってからは、多くの人々の新しい時代の幕開けを期待するのとは逆に、テロリストはジェット旅客機を用い、ニューヨークのツインタワービルを壊滅する暴虐・テロが生じました。その後もイラクやアフガニスタンで戦争がありました。現在はシリアで政府軍と反政府軍の内戦があり多くの難民が出ています。加えて、フランスの花の都のパリでまたもやイスラム過激派集団(IS)による、非道なテロが生じました。こうした戦争やテロが生じるたびに、人々は混乱し、悲嘆の涙を流します。中にはあまりにも激しい暴虐行為ゆえに、「神はいない」という人もいれば、引き続き「神に救いを祈り求める人」もいます。では、偉大な創造者神エホバは、戦争やテロをどう見ておられるのでしょうか。将来はどうなるのでしょうか。皆様方も、神エホバが戦争やテロに対してどう見ておられるのかを知り、暴虐を行う邪悪な者が神エホバの大いなる日の戦争のハルマゲドンで処断されることを知る時、安堵し、希望に堅く立つことができるでしょう(啓示16:14,16;18章~20:3,10)。では聖書からお伝え致します。
1.古代における神エホバの戦争に対する見方
多くの方がご存知の、モーセが神エホバの民イスラエルをエジプトから救出し、紅海を渡る時の神エホバの自らの戦いがあります。神エホバはエジプトの圧政から解放し、神が行動される時が来ます(出エジプト記3:7~10)。エジプトの軍隊が、紅海の海水を二つに分けられ、そこを渡って逃れる神エホバの民を追撃して来た時、神エホバ自らがエジプトの軍隊と闘い、壊滅させ、ご自分の民を救出されました(出エジプト記14:15~28.詩編136:15)。聖書の記録を調べるとご自分の契約下のイスラエル人に対して、甚だしまでに暴虐だったカナン人との戦いを命じたこともありました(申命記9:5;20:17、18)。さらに、イスラエルのダビデ王に、圧政的なフィリステア人と戦うよう指示されたこともあります(サムエル第二5:17~25)。
聖書の記録から分かることは、神エホバは、悪や圧政がご自分の契約下の民を脅かす場合、ご自分の民の保護と真の崇拝の存続を目的として戦いました。とはいえ、神エホバは命じた戦いには、見過ごしてはならない三つの重要な点があります。
(1)だれが戦うか神エホバが決定した。神エホバは、ご自分の民に「あなた方は・・・戦うにはおよばない」と告げ、神エホバが自ら戦いをされました(歴代第二20:17;32:7,8)。神エホバはご自分の民に、約束の地を防御する為に戦うように命じたこともあります(申命記7:1,2.ヨシュア10:40)。
(2)いつ戦うかを神エホバが決定した。神の僕たちは、神エホバのご予定の時まで、周囲の圧政者や邪悪な人々と戦うのおを辛抱強く待つ必要がありました。人間個人の判断で戦うと、神エホバの恵みを失いました(民数記14:41~45.歴代第二35:20~24.ヨシュア6:25;9:3~27)。
(3)神エホバは人の死を喜ばれない。邪悪な人の死も例外ではない。神エホバは、命の源であられ、人間を「神の像(かたち)」に創造された方です(詩編36:9.創世記1:26,27)。しかし、残念なことに人を虐げることや殺すことを画策する邪悪な人もいます(詩編37:12,14)。それでも、「怒ることに遅く」、「憐れみ深い」ことを神エホバはお示しになりました(詩編86:15)。例えば、都市を攻める際に「平和の条件おも告げ」るようにご自分の民に命じられました。それは、その都市の住民に行いを悔い改めて戦いを回避する機会を与えるためでした(申命記20:10~13)。神エホバは、「邪悪な者の死ではなく、邪悪な者がその道から立ち返って、実際に生き続けることを喜ぶ」と述べておられます(エぜキエル33:11,14~16)。この神エホバのお気持ちを知る時、あなたはどのように感じますか。
古代において神エホバは、いつ戦うか、だれが戦うかを決めるのは、人間ではなく神エホバご自身でした。神エホバは殺人や暴虐を憎まれるのです(出エジプト記20:13.詩編11:5)。
2.今日における神エホバの戦争に対する見方
先に述べた通り、今日も戦争やテロが続発し続けます。悲しみの涙が流れ、多くの人々が神に助けを祈り求めます。今日神エホバは戦争やテロに対する見方はどのようなものでしょうか。神エホバは人間の戦争やテロを正当と見做して、特定の国やグループを支援されているでしょうか。
次の事実から慰めを見いだすことができます。神エホバは世界に見られる多くの苦しみをご存じであられ、まもなくある事柄を行なわれます(詩編72:13,14)。神エホバは、聖書を通して約束されている通り、「患難を忍ぶ人々に安らぎ」をお与えになります。それは何時でしょうか。「主イエスはその強力なみ使いを伴い、・・・天から表し示される時、・・・神(エホバ)を知らない者と、わたしたちの主イエスについての良いたよりに従わない者に報復をする」と聖書は明言しています(テサロニケ第二1:7,8)。イエスの表し示されるのは将来のことで、聖書では「全能者なる神(エホバ)の大いなる日の戦争」と呼ばれるハルマゲドンの時を明らかにしています(啓示16:14.16)。ハルマゲドンで、地上の神エホバのご意志を行なわない邪悪な者たちを断ち滅ぼし、義の宿る新しい社会・地上の楽園が回復されるのです(箴言32:22.ペテロ第二3:10~13.啓示18章~20:3,10.21:3,4)。神エホバは神の王国の王イエス・キリストを用い、邪悪な人々と戦い、処断をされるのです(イザヤ11:4.啓示19:11~16)。暴虐を行う者を滅ぼすのは神エホバのご意志であり、神エホバがみ子イエスを用い戦われるのです。お分かりの通り、神エホバは戦争やテロの殺人行為を容認されることはないのです。
神エホバは古代も今も神エホバご自身の行う義の戦争を、地上の悪・戦争やテロの虐げを終わらせる正当な手段とみなされています。それを決めることができるのは神エホバだけです。その神エホバの大いなる日の戦争の義の戦いのハルマゲドンは、神の王国の王イエス・キリストを用いて行うことを既に定めておられます。ですから、神エホバは人間の行う戦争やテロを支援することはありません。それで、ハルマゲドンの戦いにおいて、戦争やテロや諸悪を行う者たちはすべて断ち滅ぼされ、「地の果てに至るまで戦いを止めさせる」ことによって、諸国家間の戦争やテロを永久に解決します(啓示18章~20:3、ペテロ第二3:10~13.詩編46:9.イザヤ32:4)。それはイエスが伝道された「神の王国」によってすべて成し遂げられるのです(ルカ4:43:8:1)。この神の王国によって邪悪な事物の体制は終わりに至るのです(ダニエル2:44,45)。そして悲しみの涙が全て拭われ、「もはやは死もなく、嘆きも叫びも苦痛も」過去のものとなる義の宿る地上の楽園が回復されるのです(マタイ24:14.啓示21:3,4.ペテロ第二3:13)。ですから、イエスは神の王国と神の義をいつも第一に求めるように教えられました(マタイ6:33)。
今日、政界中の239の国や地域の人々は、エホバの証人のクリスチャンによる世界的な真理・神の王国の良いたよりの伝道活動によって、神エホバとそのみ子イエスについて知り、良いたよりに従い、戦争やテロの暴虐がなくなる日を見る、という機会の希望に堅く立つことができているのです。あなたもそのお一人であれば幸いです。
「参考資料」:ものみの塔聖書冊子協会発行;「ものみの塔」誌、2015年11月1日号、3~8ページ。
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ホバリング スカシバ見事 花に来る 今日の一句
宇和島市和霊公園の「黄葉・紅葉」