英語と書評 de 海馬之玄関

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覚書★アガサ・クリスティーという愉悦(結)

2011年11月18日 10時14分59秒 | 書評のコーナー
◆解釈の地平と間主観性 ・開かれた構造としてのテクストとテクストの公共的存在性 テクストの解釈とは、ディルタイの主張を私なりに要約すれば、 芸術作品の中に表現されているものは、小説家の具体的な体験そのものではない。確かに、そのような小説家の個人的な経験が作品の素材になっている場合が少なくないとしても、他者たる<読者>にとっては、そのようなテクスト外の事柄は作品の意味とは位相を異にするもの . . . 本文を読む

覚書★アガサ・クリスティーという愉悦(転)

2011年11月18日 10時09分06秒 | 書評のコーナー
・異質性の諸相 他方、(乙)の異質性については、まず間違いなくクリスティー作品は、良質の「英国情報ガイドブック」でもありましょう。 少し古いにせよ、例えば、陪審制を始め、法曹の専門教育を受けてはいない退役大佐等々の地方の名士が、(訴訟案件数で言えば過半を優に超える案件を裁く)治安判事(magistrate)を務める社会的慣習や、変死や変死の疑いのある事例については、正式な裁判の前に検死審問( . . . 本文を読む

覚書★アガサ・クリスティーという愉悦(承)

2011年11月18日 10時03分51秒 | 書評のコーナー
◆クリスティー作品の魅力の源泉-予備的考究 では、クリスティー作品の魅力の源泉は何か? クリスティー財団の理事長でアガサ・クリスティーの娘ロザリンドの息子である1943年生まれのマシュー・プリチャード氏は、『スタイルズ荘の怪事件:The Mysterious Affair at Styles』(1920)と『牧師館の殺人:The Murder at the Vicarage』(1930)の日本 . . . 本文を読む

覚書★アガサ・クリスティーという愉悦(起)

2011年11月18日 10時00分03秒 | 書評のコーナー
アガサ・クリスティー(Dame Agatha Christie , DBE; 1890年9月15日 - 1976年1月12日)は、言うまでもなく「ミステリーの女王」。その作品評論や伝記の類は枚挙に暇がないほど。よって、本稿は、屋上屋を架す愚は避け、クリスティー作品を読むことから21世紀の日本の読者が得ている<愉悦>の正体という現象に絞って随想するものです。而して、「オタク」の域に入ったクリスティー . . . 本文を読む