英語と書評 de 海馬之玄関

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英文読解 one パラ道場:ビヨンセ姉さん「口パク」疑惑を国歌独唱で一蹴

2013年03月04日 15時54分52秒 | 英文読解 one パラ道場

 


今回紹介するのは、オバマ大統領の二期目のスタートの日、アメリカ大統領就任式での国歌独唱を巡るものです。そう、世界の歌姫、ビヨンセ姉さんの「口パク」疑惑の顛末。

この記事を読んで私が感じたことは、アメリカでは(どちらかと言わなくとも、アメリカの民主党やその支持者、すなわち、オバマ大統領やビヨンセ姉さんを含む)リベラル派であろうが、あるいは、左派であろうが<国旗>と<国歌>に対する忠誠の念が広くしみじみと浸透している(penetrate, infiltrate, filter into)ということ。いまだに、卒業式や入学式での「君が代」斉唱や「日の丸」掲揚にいちゃもんをつける教師がまだ存在する日本とは大きな違いだよな。というものでした。

б(≧◇≦)ノ ・・・頑張ろう日本!

尚、都市伝説の類として「アメリカでは星条旗を燃やす権利さえ認められている」とか「アメリカでは国旗に忠誠を誓わないでいい権利が認められている」とかの認識を日本では、これまた、今でも目にしますけれど、そのような認識と主張には大した根拠も意味もないことについては下記拙稿をご参照いただければ嬉しいです。



・憲法訴訟を巡る日米の貧困と豊饒
 ☆「忠誠の誓い」合憲判決-リベラル派の妄想に常識の鉄槌(1)~(6)
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/ec85f638d02c32311e83d3bcb3b6e714






Beyoncé admits lip-synching at Barack Obama's inauguration
Beyoncé has admitted that she sang along to a pre-recorded track when she performed the national anthem on Inauguration Day.


The singer said she's a "perfectionist" and wanted her performance for President Barack Obama to be memorable. She called the day "emotional."

"I practice until my feet bleed and I did not have time to rehearse with the orchestra," she said. "Due to no proper sound check, I did not feel comfortable taking a risk. It was about the president and the inauguration, and I wanted to make him and my country proud, so I decided to sing along with my pre-recorded track, which is very common in the music industry. And I'm very proud of my performance."

She opened her news conference in New Orleans with a live rendition of the national anthem that mirrored the one on Inauguration Day. She asked those at the conference to stand before she belted "The Star Spangled Banner," and after, she said with a laugh: "Any questions?"

And despite her performance, there were. When pressed about whether any sound was coming from her voice when she sang for the president, she said she was singing along to the track and not mimicking. And when asked if she would be singing live at the Super Bowl, she said: "I will absolutely be singing live.

"This is what I was born to do."

The superstar had not spoken publicly since it was alleged that she lip-synched at the inauguration last week. Her critically praised performance came under scrutiny less than a day later when a representative from the US Marine Band said she wasn't singing live and the band's accompanying performance was taped. Shortly after, the group backed off its initial statement and said no one could tell if she was singing live or not. ・・・


(281 words)

【出典:the telegraph, Jan 31, 2013】





【語彙】
lip-synch:(事前に録音されたスピーチまたは歌とともに)同時に唇を動かす(move the lips in synchronization with pre-recorded speech or song), inauguration:就任・就任式, admit:~であることを認める(cf.admitは、 avoid, mind, appreciate, deny, consider, enjoy等々と同様に、目的語が準動詞の場合、目的語に動名詞のみを取る/不定詞を取らない他動詞です。ただし、「目的語が~であることを認める」の用法の場合には、「S→V→O→to-V」の形も可), national anthem:国歌,

perfectionist:完全主義者, memorable:印象深く後々まで記憶に残る, emotional:感動的な, rehearse:リハーサルを行う, feel comfortable doing:気楽に~することができそうな気がする(cf. ちなみにcomfortableの直後の動詞のing形はVp-ingです), along with:~と協力/協調して,

news conference:記者会見, rendition:演劇の上演/楽器の演奏/歌唱の披露, mirror:忠実に再現する, belt out:大声で歌う(cf. 本文ではoutが省略されていますが直後に、アメリカ合衆国国歌の固有名詞「The Star Spangled Banner」が来ておりこの省略は曖昧ではありません),

despite:~にもかかわらず, along to:~に沿って, mimick:~を真似る/~を真似ることで他人を小馬鹿にする, sing live:録音ではなく生で歌う, the Super Bowl:NFL(アメリカンフットボールプロフェッショナルリーグ)の優勝決定戦、最近は毎年2月上旬の日曜日に開催されています,

allege:真偽不明ながらも~であると断言する, critically:酷評して/決定的に(cf. 「critically important:決定的に重要な」のように、criticallyは善悪を超越した価値中立的なニュアンスでも使用されます), scrutiny:審査・綿密な調査, US Marine Band:アメリカ海兵隊軍楽隊, backed off:撤回する





【読解躓きの石】
TOEICにも頻出のイディオムをビヨンセ姉さんが口にしていましたね。
これです。

Due to no proper sound check, I did not feel comfortable taking a risk.

(サウンドチェックも満足にできなかったものですから、
リスクなんて気にしないわよ、という気分にはなれなかったのです)

due to, because of, on account of, owing to, thanks to
の5者は「~のために」「~という理由で」の意味で原因や理由を表すとされ、
実際、TOEIC本試験でもこの5者は互換性があるものとして出題されています。
ですから、以下はTOEIC対策には不要というか邪魔な知識になります。

機能英文法的には、しかし、「due to」は叙述用法の形容詞として用いるのが正しい。

Her success was due partly to good luck.
(彼女の成功は半ば運が味方したことによるものだった)

よって、「due to」によって副詞句を導いているビヨンセ姉さんの発言は
厳密に言えば間違いなのです。些かこなれない英文ですが、
以下のように書き換えれば「正しい」英文になると思います。

It was due to no proper sound check, which made me not feel
comfortable taking a risk.

ちなみに、because of, on account of, thanks to
の3者は、専ら、理由や原因を表す副詞句を導きます。
そして、owing toは叙述用法の形容詞としても副詞句としても
使えますが、かなり、古い表現です。


尚、弊ブログ記事で使う準動詞用の記号ももう一度掲げておきますね。

◎準動詞のKABU式表記
・原形不定詞:ba-V
・to不定詞:to-V
・不定詞:INFまたはinfinitive(←そのまんまやん!)
・動名詞:V-ing(g)またはVg-ing
・現在分詞:V-ing(p)またはVp-ing
・過去分詞:V-pp
・分詞:Vp






【和訳】

ビヨンセ、バラク・オバマ大統領就任式での口パクを認める
大統領就任式の日の国歌独唱に際して、事前に録音してあった音源に
あわせて歌ったことをビヨンセもついに認めた。


ビヨンセは、自身は「完全主義者」であり、バラク・オバマ大統領のための国歌独唱を人々の記憶に残るものにしたいと考えたと述べた。而して、あの就任式の日を彼女「感動的な一日」だったと振り返った。

「私は足が棒になるまで練習を積み重ねる人なんだけど、就任式当日に演奏するオーケストラ【海兵隊軍楽隊】と一緒にリハーサルする時間も与えられなかったのですよ」とビヨンセは語った。「きちんとしたサウンド・チェックもなしだったから、リスクを冒すことには平穏な気持ちではいられなかったのです。アメリカ合衆国大統領にかかわることであり、まして、大統領就任式にかかわることだから、私は大統領と我が国に誇らしくあって欲しいと願ったのです。ということで、事前に録音していた音源にあわせて歌うことを決心したの。けれど、このやり方は、音楽業界ではごくごく普通のことなんですけどね。いずれにせよ、私自身は私のこのパフォーマンスの出来映えを自慢したいくらいの出来映えだったと思っています」とも。

この「口パク」問題の真相を明かしたこのニューオリンズでの記者会見の冒頭、ビヨンセは、件の大統領就任式の日のそれを忠実に再現したアメリカ合衆国国歌の独唱を行った。記者会見に集まった記者達に起立を促し、そして、超えたからかに国歌「星条旗」を歌いあげたのだ。そして、歌いあげた後、微笑みをたたえながらビヨンセは「なにかご質問はありますか?」と聞いたのである。

ビヨンセの座を圧倒する国歌独唱にもかかわらず、しかし、幾つかの質問が彼女に寄せられた(there were some questions)。而して、大統領就任式の国歌独唱に際しては、事前に録音していたのとは違う、更に別の音源に収録されていた彼女の声も混じっていたのではないかという追求に対しては、海兵隊軍楽隊と録音した音源にそって歌っただけであり、私はそんな他人を小馬鹿にするようなケチな物真似など断じてしていないと彼女は言い切った。また、スーパーボールでは生で歌うのかと聞かれた彼女は、「間違いなく生で歌う」と宣言した。

「スーパーボールで歌うために私は生まれてきたようなものなのですから」、と。

大統領就任式【2013年1月21日】での口パク疑惑が浮上して以来、このスーパースターのビヨンセは公式は沈黙を守ってきていた。他方、激賞を受けた彼女の国歌独唱は就任式から24時間もたたないうちに検討と調査の俎板に載せられる。すなわち、アメリカ海兵隊軍楽隊の広報担当者が【2013年1月22日】、ビヨンセは歌っていないし、海兵隊軍楽隊の演奏も事前に録音されていたものだと述べて以来、「口パク」疑惑の真相究明の動きが加速したのだ。もっとも、海兵隊軍楽隊の広報担当者は、最初の発表内容をただちに撤回して、ビヨンセが生で歌ったのか歌わなかったのかは誰にもわからないことだと述べていたのだけれども。・・・






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