【語彙】
play down:取り繕う/揉み消す, cite:引用する/例証する, curb:抑制, contaminated beef:汚染された牛肉, rule out the possibility:可能性を否定する, radioactive material:放射性物質, accuse:訴える/告発する(accuse somebody of something「人を~の理由で訴える」), negligence:不注意/過失/怠慢(cf. 故意「intention」, 故意の「deliberate, malicious」),
impose:罰金や制裁などを課す, ban on:~に対する禁止令, cripple:機能が損なわれた, nuclear (power) plant:原子力発電所, feed:餌を与える/養う, hay:干草/家畜の飼料, radioactive cesium:放射性セシウム, the deputy director:課長補佐/参事官補佐/調整官(cf. the deputy director-general:参事官/審議官/次長), the farm ministry's meat and egg division:農林水産省(生産局畜産部)食肉・鶏卵課,
come:出現する/現実化する, wreck:破壊する/駄目にする, nuclear fallout:放射性物質の拡散・飛来/死の灰がばら撒かれること, the Chernobyl disaster:1986年のチェルノブイリの大災害, food contamination:食品の汚染, cut:減少させる, luxury:贅沢な/豪華な/ゴージャスな, drop:止める/取り下げる/割愛する, taint:傷める/腐らせる/汚染する, detect:検出する/見つかる, the Health, Labor and Welfare Ministry:厚生労働省, official:職員,
harbor:隠し持っている/感染している(cf. be infected with), foot-and-mouth disease:口蹄疫, the U.S. Department of Agriculture:アメリカ合衆国農務省, less than:全くもって~ではない, rigorous:厳格な, lead to:~という事態を惹起させる, a lack of:~の不足, confidence in:~に対する信用/信頼, representative:代表, atomic radiation:原子放射線, like with:~のように/同様に,
spinach:ほうれん草, bamboo shoots:筍(shootsは常に複数形で用います), be contaminated with:~によって汚染されている, cesium and iodine:セシウムとヨウ素, nuclear reactor:原子炉, contamination:汚染(cf. contaminant「汚染物質」), take appropriate measures:適切な手段を取る(take measures「対応措置を取る」はTOEICの頻出ボキャブラリーです), chairwoman:女性の議長(何らかの理由で、敢えて「女性」であることを明示したい場合に使われます。性別を意識させたくない普通のケースでは、chairperson, chair), the Consumers Union of Japan:日本消費者連盟, take responsibility for:~について責任を負う,
becquerel(s):ベクレル(ある物質の放射線を放出する強さを表す単位。尚、「シーベルト:Sievert(s)」は被曝する放射線の強さを表す単位です), limit:規制などの限界(cf. limitationは能力等の限界), 500 becquerels per kg:1キロあたり500ベクレル, rice hay:米藁で作られた干草飼料, the 300-becquerel limit:300ベクレルを越える値は許容されないという基準(農林水産省が設定した、「肥料は400ベクレルまで、飼料は300ベクレルまで」という放射性セシウムの暫定許容値のこと),
overall:全般的な, implications:影響/関連性, in terms of:~の言葉で言えば/観点から鑑みるに, effect:結果/効果, end up:~を終える/に終わる, represent:~に相当する/結果として~の値になる, metric ton:1トン(=1000Kg), premium:特選の, track:足跡を辿る/追跡調査する, so far:今までの所, the Health, Labor and Welfare Ministry's food safety department:厚生労働省食品保健部
【読解躓きの石】
副詞の位置は日本人とって悩ましい論点です。
正直、最早、これはあくまでもニュアンスの違いですけれどもね。
ということで、三段目、
We cannot completely rule out the possibility.と、例えば、
We cannot rule out the possibility completely.
はどう違うのでしょうか。 はい。
前者は、「(例えば、問題が複雑であり、予算や権限にも限界があり)その可能性を完全に否定できはしない/例外もあるの、鴨」後者は、「(例えば、技量が低く、やる気もないので)その可能性を否定などとてもできない/責任なんか負えないよ!」というニュアンスなのです。
有名な例文で敷衍すると、
①Suddenly the driver stopped the school bus. あるいは、
The driver suddenly stopped the school bus.
②The driver stopped the school bus suddenly.
①は、「予定にない場所でバスを止めた」という意味であり、
②は、「突然、バスを急停止させた」という意味。要は、①の場合
「バスの止め方が急だった」かどうかは不明ということなのです。
四段目は「数量的変化」に関する頻出表現です。
cut beef exports by 16 percent
(牛肉の輸出を16%削減する→84%になった!)
そして、最後の段には、
an increase of 11 percent
(11%増加した→111%になった!)
さて、では、an increase by 150 percent と、
an increase to150 percentの意味の違いは?
はい。前者が「150%増えた→250%になった!!」
後者が「150%に増えた→150%になった」ですよ。
七段目、TOEICの頻出の言い回しです。これです。
say in an email(e-メールで述べる)
e-メールに相性の良い前置詞は in と through です。
但し、「through an email」は、例えば、
Please send an entire folder through an email.
(ホルダーを丸ごとe-メールで送ってください)
のように、「フォルダー/ファイルをe-メールで送る」と言いたいときに
ぴったりの言い回しですが、本文テクストのように「e-メールで述べている」
と言う場合には、「in an email」が一般的だと思います。
10段目は悩ましいですよね。なんとなく意味はわかるけれど、なんとなくしかわからないというセンテンス。主節の述語動詞「would have thought」とthat節の中の述語動詞「would have formed」を文法的にどう考えるか?
I would have thought that within two or three months they would have formed some sort of task force who has somebody in charge.
I would have thoughtは、仮定法から派生した助動詞wouldの婉曲表現。「本来は~であるべきだと思っていたのだが、実際は、そうはなっていなかった」という意味。
そして、that節の中のwould have formed は仮定法そのもの。よって、こセンテンスの意味は「ここ2~3ヵ月の間には、しかるべき担当者を配置した対策委員会が立ち上がっていたはずなのに、実際は、そうではないのですよ」というくらいの意味になります。
尚、英文法の事項に関して疑問を感じられた場合にはこちらを参照してください。
そして、本ブログ記事で使う準動詞用の記号ももう一度掲げておきますね。
◎準動詞のKABU式表記
・原形不定詞:ba-V
・to不定詞:to-V
・動名詞:V-ing(g)またはVg-ing
・現在分詞:V-ing(p)またはVp-ing
・過去分詞:V-pp
・『再出発の英文法』目次
http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/4c90b691d5e0e53d8cb87f7803a437ce
【和訳】
海外の厳格な輸入制限を引き合いに出して不安を解消しようと躍起の政府
しかし、汚染された牛肉が輸出された可能性は否定できない
政府は、放射性物質に汚染された牛肉がすでに輸出されている可能性を否定することはできないと認めた。この発表にともない、食品の安全性確保を怠った当局を非難する声が消費者と国会議員から起きている。
637頭の牛が放射性セシウムに汚染された干草で飼育されていたことが明らかになったのを受けて、火曜日【2011年7月19日】、現在、機能不全状態に陥っている福島第一原子力発電所の近隣地域からの牛肉の出荷を禁止する措置が発令された。日本国内で最大の規模を擁するイオン株式会社を含む、スーパーマーケット各社によれば、問題の汚染牛肉は東京およびその他の都市で販売されていたとのこと。
汚染牛肉が輸出された可能性が「絶対にないとは言い切れません」。そう、水曜日【7月20日】に農林水産省食肉・鶏卵課のYuichi Imasaki課長補佐は語ってくれた。もっとも、大部分の国は、日本からの牛肉の輸入に関しては極めて厳格な許可基準を設けているか、そもそも禁止しているのだから「汚染牛肉の輸出の可能性は極めて低い」でしょう、とも。
牛肉の出荷禁止が発令されたのは、福島第一原子力発電所が、あの【2011年3月11日午後2時46分に起きた】地震と津波によって破壊されてから4ヵ月後のことになる。その地震と津波によってチェルノブイリの大災害以来となる最悪の放射性物質の拡散が生じてしまった。実際、火曜日に禁止措置が発令される以前にも、食品汚染を巡る懸念によって、日本からの牛肉の輸出はこの2ヵ月で16%も減っていた。そして、アジアの高級チェーン店シャングリラを含むアジア地域のホテルやレストランでは、そのメニューから日本産の魚介類を外すに至っている。(中略)
汚染された干草は、福島県、新潟県と山形県の都合19の農場で飼料として牛に与えられていた。厚生労働省の発表によると、8都県で合計12もの汚染牛肉の事例が検出されたとのことだ。
国の基準を越えるセシウムを体内に取り込んだ637頭の肉牛の中にはすでに消費者に販売されてしまったものもある。東京都庁で食品の安全性を監視する部局の職員、Kazuyuki Hashimoto氏はそう述べている。他方、今週、イオン、セブン&アイホールディングス、丸井グループは、汚染されている牛肉を彼等がすでに販売してしまっていたことを公表した。(中略)
アメリカは、口蹄疫の病原菌が混入している可能性を鑑みて、2010年4月21日をもって日本からの牛肉の輸入を禁止している。と、米国農務省のMatt Herrick広報担当者はe-メールで回答してくれた。
他方、原子放射線を巡る国連の科学委員会におけるオーストラリア政府の代表を務めていた核物理学者のPeter Burns氏は、極めて杜撰な製品検査の危険性とは、すなわち、スーパーマーケットの陳列棚に汚染された製品が置かれることであり、その結果、すべての製品が信頼を失うに至るということなのですと述べている。
「チェルノブイリのケースを想起してみてください。それらが放射能に汚染されているかもしれないという理由で、誰もウクライナから何も買わなくなってしまったでしょう」とも。
Burns氏は放射線の安全性を巡ってその道40年の経験を積んできた人物であるが、そのBurns氏は「日本政府は、ここ2~3ヵ月の間にも専任の担当者を据えたなんらかの特別対策委員会を立ち上げておくべきだったと思わずにはいられません」とその認識を吐露してくれた。
機能不全状態にある福島の原子力発電所から360キロ離れている地域でも、ほうれん草、キノコ、筍、お茶、プラム、そして、魚等からセシウムとヨウ素が検出されている。それらの製品は放射能に汚染されているということだ。また、東京電力は、6月14日にこの福島の原子力発電所から210キロ離れた【新潟県柏崎市内にある】別の原子炉の近傍で検体として採取した牛乳からセシウムを検出したと公表している。
「現下の放射能汚染の拡大は民主党政権が適切な措置を怠ったために起きたものです」「民主党政権は彼等の怠慢の責任を取るべきですよ」と、日本消費者連盟の代表運営委員Yoko Tomiyama女史はそう語っている。
放射能汚染の震源地である、福島の問題の原子力発電所から30キロ離れた南相馬市のある一つの農場が出荷した437キロの牛肉は8都県ですでに消費者に販売されてしまっていた。今月、この農場産の牛肉から汚染されている牛肉を最初に検出した東京都庁はそう見ている。
月曜日【7月18日】に厚生労働省が発表した情報によれば、その南相馬市の農場から出荷された牛肉からは、キロ当たり2,300ベクレルものセシウムが検出されているが、日本政府の許容基準値はキロ当たり500ベクレルなのだ。他方、福島県内の稲ワラからも【飼料に関する】300ベクレルの基準値を超える69万ベクレルもの放射能が検出されたと福島県庁は明らかにした。
汚染されている牛肉を食べたとしても「トータルに、かつ、長期的に見た場合、それによる健康障害の危険性はほとんど無視できるほど小さい」と、Burns氏は述べている。しかし、問題は、汚染されている牛肉が出回ったという事態によって、「すべての産業が壊滅的な影響」を受けないとも限らないことなのだとも。
福島県は日本で10番目の規模の肉牛の産地であり、その生産比率は日本全体の肉牛生産の2.7%を占めている。而して、「特選和牛」を含む541トンの牛肉、金額にして34億円の牛肉を、昨年、日本は輸出した。
農林水産省の統計データによれば、日本からの牛肉の輸出は、5月に49.1トン、4月は50.6トン、そして、3月が58.6トンだった。3月末を年度末とする2010年度を見てみると、ベトナム、香港、そして、アメリカが日本産牛肉の大口の輸入国であった。
厚生労働省食品保健部の職員、Tomohiro Hagiya氏は「我々の部署では、目下、福島県産のすべての牛肉の追跡調査を行なっているところですが、現在までのところ汚染牛肉が輸出されたという事例は見つかっていません」と述べている。
他方、日本の農林水産省の統計データによれば、日本は5月末日までのこの5ヵ月間に204,543トンの牛肉を輸入している。而して、この数量は昨年の同時期に比べて11%増加している。
【付録:英文読解のTips確認】
どこまで行っても英文読み取りのポイントは、・・・
例えば、TOEICを目指している方の場合、今回の英文テクストもTOEICパート7の後半問題に見たてて、ご自分がTOEICの出題者なら紹介した長短の2パッセージからどんな設問を作るか。そう考えながら読んでいただければ効果も一入でしょう。
そして、TOEIC対策に限らずすべての方に関して言えるだろうことは、本稿の冒頭にも書きましたように、ある英文テクストを読んだり聞いたりするときに、そのテクストの背景となる知識があるのとないのとでは、理解の精度も理解に要する時間も全然異なってくるということ。
・出題者になったつもりで設問と選択肢を考えながら読む
・テクストの背景的な知識の重要性を<痛感>しながら読む
英文理解における背景的知識の重要性。
例えば、TOEIC対策に関して、ある賢い(?)受験者の中には、オフィシャルガイドと市販のTOEIC問題集でパート7やパート4のパッセージの和訳だけを何度も読んだという方もおられる。そして、笑い話ではなく、「結構効果があった」とか。で、本当にそうなんだろうなと私も思います。どんなビジネスの場面や生活の場面を舞台にした英文が出題されるのか。そのことをあらかじめ知っているのと知らないとでは英文理解のパフォーマンスも格段に違ってくるということ。
そして、重要なことは、(A)「テクストの背景的な知識の重要性を痛感」できたら、どんなエリアのどんな知識が足りないのかを自覚すること。そして、英語力アップの作業と同様に、それらも計画を立てるなりして貪欲に(TOEIC対策ならTOEICのために絞り込んで、つまり、必要な知識のエリアと範囲・深度を限定して、)そのような知識を吸収すればよい。
その際、もう一つ重要なことは、(B)「テクストの背景的な知識」の調達には、必ずしも英語で読み聞きする必要はなく、日本語を通してそれができるならそれでも結構ということです。上で俎上に載せた「TOEIC問題集でパート7やパート4のパッセージの和訳だけを何度も読んだという方」は、正に、そのような方法を実践されたということでしょう。
・欠けている背景的情報の分野と水準を自覚する
・可能なら日本語を通してでもよいからその情報を補充する
際物のTipsだけではブログの品格も落ちる、鴨(?)。最後に、リーディングコンプリヘンション(Reading Comprehension)そのもののTipsを紹介しておきます。蓋し、
5W1Hなどの細かな読み取りは2度目、3度目に読む時の課題として、英文テクストを最初に読むときには、①登場人物は誰か、②登場人物は何をしたのか/どんな状態にあるのか、③複数の登場人物間の関係はどのようなものか、④その関係がどう変化したのか、そして、⑤年号や日付も含む数字と固有名詞、これらだけは確実に読み取れるようにしましょう。
日本のためにお互い頑張りましょう!
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
かなり真面目にブログランキングに挑戦中です。
よろしければ下記(↓)のボタンのクリックをお願いします。
海外ニュース部門エントリー中です♪
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
最新の画像[もっと見る]
- ネットで見かける「食パンは英語でなんと言う?」類いの記事↖️面白いけどちょびっと迷惑かも 6ヶ月前
- 関西弁はなぜ強靭なのか? 世界の共通語としての英語の現状を理解する補助線として+改訂あり 6ヶ月前
- 関西弁はなぜ強靭なのか? 世界の共通語としての英語の現状を理解する補助線として+改訂あり 6ヶ月前
- 関西弁はなぜ強靭なのか? 世界の共通語としての英語の現状を理解する補助線として+改訂あり 6ヶ月前
- 関西弁はなぜ強靭なのか? 世界の共通語としての英語の現状を理解する補助線として+改訂あり 6ヶ月前
- 定義集-「歴史」 6ヶ月前
- 定義集-「歴史」 6ヶ月前
- 定義集-「歴史」 6ヶ月前
- 定義集-「歴史」 6ヶ月前
- 定義集-「歴史」 6ヶ月前