カレーのレシピを紹介した記事(↓)でもお伝えしたように、KABUは6月下旬に同じ川崎市麻生区内で引越ししました。要は、最寄り駅が同じ小田急線でも「新百合ヶ丘」から「百合ヶ丘」と一駅新宿寄りになった。今回はその「新しい地元=百合丘」の街をご案内します。そして、今回の目玉は、地元も地元、KABUの自宅と同じ百合丘3丁目の町内で見つけた、とっても美味しい、真面目な話、尋常ならざる美味しさの中華料理屋さんの紹介です。
・元気のでるKABU特製カレーのレシピを公開します
http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/537a496df27494615453e68128065973
もちろん、割烹料亭やお寿司屋さん、それこそ築地まで毎日一級品の食材を仕入れに行っておられる魚菜家「かど」さん、あるいは、高級感漂うフランス料理のレストランや本格ステーキ店と街の食べ物屋さんを同列に置いて比べるのは無意味でしょう。しかし、「普段着で、でも、ちょっと美味しいものを食べられる店」という日常の風景に納まっている食べ物屋さんとしては、今回紹介する「八興園」が私的には新百合エリア(小田急線の読売ランド前駅~柿生駅+五月台駅~はるひの駅)で一番美味しいお店であると「認定」しました。もちろん、味覚は人によって千差万別でしょうから、この「認定」にそう大した根拠があるわけもなく、私の独断と偏見に過ぎませんけれどもね。
尚、上のカレー記事でも書きましたが、小田急線の駅名は「新百合ヶ丘」「百合ヶ丘」と「ヶ」が入るのですが、町名の「ゆりがおか」の表記は「百合丘」と漢字三文字になります。また、百合ヶ丘駅の近隣の様子に関しては下記の過去記事も参照していただければわかりやすい、鴨です。
・新百合ヶ丘-百合ヶ丘編
http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/9703b71782fe4ce580c8101c1009364a
・百合ヶ丘駅~新百合ヶ丘駅コース+麻生図書館編(上)
http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/4b41a6a6464f381ca9b1eebe86524a9e
・雪景色 de 新百合ヶ丘編(上)
http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/5640adccbc95922aa7b7dd7d7ae759ee
さて、八興園さんの所在地は上の地図の「A」地点。ということで、百合ヶ丘駅から「A」地点までKABUの「新しい地元=百合丘」の街並みを歩いてみることにしましょう。まずは、高石神社や千代ヶ丘とは反対側、駅改札から新宿方向を向いて右手に進みます。改札外、駅のピロティーを抜けると目の前にあるのがゆりストア。
ゆりストアは3,000円以上の買い物をすると(店から半径1.5キロ圏内を条件に)無料で配達してくれます。これはとても便利。実際、KABUは昔、柿生に住んでいる頃、柿生のゆりストアでこの配達システムをしばしば利用していました(はい、お察しの通り、ビールをケースで買っていただけです♪)。今回、ほとんど12年ぶりにゆりストアが身近にある環境になったので、早速、また配達してもらいました(ビールだけではないですよ!)。
ゆりストアの隣には百合ヶ丘文化の防波堤にして出撃拠点、古書肆のアニマ書房さん。ご主人の春田さんは知性が柔和な人柄に包まれたような紳士です。
・アニマ書房
http://www.h5.dion.ne.jp/~anima/
先を急ぎましょう。
バス通りの商店街に沿って弘法の松方面に坂を上ります。
百合丘保育園、百合丘小学校を左右に見ながら徒歩500メートル、走ってもスキップしても500メートル。百合ヶ丘住民の台所を賄う<食料品供給の旗艦=スーパー三和>に到着。その四軒隣は、これまた安くて質の良い野菜・果物を提供してくれる八百屋のサンフレッシュさん。この画像を撮った日は定休日でしたが、シャッターに所狭しと張られたポスターにお店の心意気が迸っていると思いました。なんせ、夕刻には「バナナが一山10円」で出たりする。そんな価格破壊&高品質のバナナは10数分足らずで段ボール3箱が売り切れになります。ちなみに、「サンフレッシュ」さんとJリーグの「サンフレッチェ廣島」とは特に関係はないそうです。
1964年、東京オリンピックの年から(要は、「新百合ヶ丘駅」などまだこの世に影も形もなかった頃から)、当時新興住宅地であった王禅寺西町に住んでいて、つまり、買い物といえば今上がってきたバス通り沿いの商店街やゆりストアで済ますしかなかったという、KABUの「年配の飲み友達=通称ご隠居」によれば、今ではそう珍しいことではないけれど、サンフレッシュさんは、青果市場で仕入れる他に大型トラックを駆使して直接農家から良いものを安く仕入れるシステムを早くから導入したとのこと。そういうこともあり、青物に関しては百合ヶ丘住民の圧倒的支持をサンフレッシュさんは享受しているとのことです。
スーパー三和とサンフレッシュさん所から更にバス通りに沿って坂道を上ること約250メートル。徒歩なら3分、スキップなら1分。いよいよ、KABUの地元中の地元、百合丘3丁目に到着します。どこといって特徴もなさそうな上の画像の公園は、バス通りに面している百合丘第2公園。この公園は百合丘3丁目住民の集いの場でもあるのですよ。
上の画像は、夏休みのラジオ体操に集まった町内の子供達とその保護者の皆さん。というか、この公園では夏休み中だけでなく(雨が降らない限り、ほぼ365日毎日)近隣の有志の皆さんがラジオ体操をされている。そう、百合ヶ丘第2公園は「新百合エリアにおけるラジオ体操の聖地」なのです。
下はラジオ体操後、お約束の「参加スタンプ」をもらうべく整列する百合丘3丁目の子供達。
ヽ(^o^)丿・・・「僕もスタンプが欲しい、ワン♪」って思っているの、鴨。
さて、本稿の目玉の記事内容に近づいてきました。
はい。「新百合エリアで一番美味しい食べ物屋さん」の紹介です。
ということで、上ってきたバス通りを百合丘第2公園の南端(弘法の松交差点寄り)で左折します。そこで見える景色がこれ。
カレーレシピ記事でも最後に紹介した銭湯の松葉浴場はサウナの電飾看板。
本記事の目玉、お目当ての八興園さんは、松葉浴場の一本手前の道を右折した2軒目というか3軒目です。要は、コンビニのスリーエフさんの対面。
ここです。
■店名:八興園(Chinese Cuisine HAKKOU-EN)
■住所:川崎市麻生区百合丘3-23-12
■電話:044-955-3180
■営業:11時30分~14時, 17時~20時30分
■休日:毎週火曜日+毎月第3月曜日
■概要:16席、店内禁煙、駐車場はありません。
■備考:
八興園さんでは、①他のお客さんが食事を楽しめなくなるような泣く子供さんや騒ぐ子供さんには入店をご遠慮いただく場合があるとか。②そして、文字通り、床が汚れる、空気が汚れるという「土埃」を身にまとったままの方の入店もお断りする場合があるとか。
但し、別にフォーマルな衣装でなければならないということは全くなく。実際、今日のKABUはキティーちゃん柄の短パンにポロシャツ、そして、サンダル履きで伺いました。
16席しかない店内ですが、ゆったりとしていて落ち着いた雰囲気。中華料理屋さんというより、フランスの田舎、アメリカの中西部やニューイングランドの街にありそうな「その村や街で一番人気のある小さなレストラン」という趣です。
さて、味のこと。これはブログに書いても仕方がない側面がある。一言だけ言いそえておけば、余計なものをそぎ落とした凛としたなかにも癒される八興園さんの店内の雰囲気は奥様の人柄の反映でしょうか。そして、炒飯や餃子、五目焼きソバ、玉子スープ、醤油ラーメンといった、材料で誤魔化しがききにくいシンプルな品目にこそ細部まで技と心がきちんと投入されているのは、ご主人のプロ意識と基本を疎かにしない真摯で誠実な人となりの発露ではいないかと思います。
昔、エッセーストの山口瞳氏は、
店は客を選べない。
けれども、客は一層(他の)客を選べない。
ならば、店は(客のために)客を選ばなければならない。
と書いています。而して、今時、店内禁煙は普通として、泣き喚く子供はお断り、工事現場から直行してきたようなお客さんはお断り等々、上の備考欄に書いた、「下町のラーメン屋さん」にしては、一種の「何様ぶり=注文の多い中華料理屋さんぶり」も、他のお客様に存分に料理を味わってもらいたいという店側の気持ちが店のポリシーに結晶しているのではないか。山口瞳氏の上の箴言を想起して私はそう思いました。実際、私は何時も気持ちよく食事させていただいていますから。
ということで、
上はKABUの今のところの一番のお気に入り、
炒飯と餃子定食、840円。
冒頭にも予防線を引かせていただいたように、料理の好き嫌いは各人の好みが大きく左右する領域でしょう。特に、麻婆豆腐にせよ酢豚にせよ、塩胡椒や唐辛子の効いたピリ辛味好みの向きには八興園さんのそれらは些か口にあわない、鴨。
けれど、そんな方でも、炒飯や餃子、五目焼きソバには感歎の声を上げられるのではないか。と、そう予想します。些かパンチに欠けるきらいはあるも、素材のうま味が、行儀良く、かつ、でしゃばることなく<作品>にまとめられているから。要は、「普通の味を追求した結果、尋常ならざる<普通>に至った」という感じ。
この記事は「八興園さんを勝手に宣伝し隊」の一員として書いているものですが、そうしたいと思ったほどの尋常ならざる美味しさ。もし、新百合エリアに来られることがあれば一度お試しあれ。ただ、期待が裏切られたとしても責任は負いかねますけれども(笑)。
下は、八興園さんから自宅に帰る途中で目に映った百合ヶ丘駅方面の遠景。真ん中の道路の奥の方に見える緑が高石神社の杜。百合ヶ丘駅はその杜のほんの少し左手前という位置関係です。
と、今回の番外編はこれにて終わりにします。
ご一読いただきましてありがとうございました。
*尚、駐車場ありませんから❗❗❗