英語と書評 de 海馬之玄関

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最近のマイブーム紹介-個人のブログだもの、たまには軽めの記事もいいよね

2016年02月16日 13時26分07秒 | 書評のコーナー

 

昨年6月に入院して、8月に一応退院。その後は、すばらしい主治医の指導のおかげで、通院しつつなんとか年末にはほぼ回復しました。そう、前にカミングアウトしたように、典型的な「ウェルニッケ-サルコフ症候群」。要は、アルコール依存症です。

と、突然ですが、世間体とか仕事や経済的なこととか考えて入院を迷っている同病のあなた、ここは思い切って入院しましょう。トータルでは絶対にそれが得です。で、入院するなら内科とかではなく、鉄格子のある精神科にしましょう。自業自得なんだし、覚悟を決めて慣れれば鉄格子も一興です。人生かわりますよ、良いほうに。経験者として断言します。と、ここで本線復帰。

 

その「事件」は1月4日に起きました。体内でアセトアルデヒドに変わる物質は摂取していないのに、なぜか、もう一つの持病(涙)の「痛風」がいきなり来た。多分、年末と正月三箇日のお呼ばれの際に(感謝)、鬼のように、イクラ、数の子・・・をいただいたせいらしいけど。今回は、歩くどころか四つん這いで這うこともままならない強烈な症状だった。だって、隣の部屋の携帯の充電器にたどり着くのに30分くらいかかったくらい。夏樹静子さんの『椅子がこわい』どころか、デビュー当時の仁木悦子さんと同様、寝たきり状態。座椅子もアウトで、辞書も引けない、メモも書けない・・・。寝転がって本とかTV見るのが精一杯。

而して、人生は塞翁が馬。このほぼ3週間の寝たきり生活の中で、すごく楽しい出会いがあったから。この「軽め記事」はそこで出会った、今、お気に入りの書物の紹介です。実は、ウェルニッケ-サルコフ症候群から回復するうえで、記憶の統合が怪しくなっていたから、主治医と同病の先輩方のアドバイスもあり、近隣の図書館で、肩のこらない歴史の本を読んでいました。そう、マンガの世界の歴史。

・学研まんが 世界の歴史 全15巻セット(学研)
・学習漫画 世界の歴史 全20巻+別巻2 全巻セット(集英社)

これらはまずまず楽しかったから、その線で物色--もちろん、車椅子でですよ(涙)--、そこで出会ったのが「最近のマイブーム」。春になって社会復帰するころには、あらためて「書評」書くかもしれないけれど、今回は、紹介のみ。


なんでも魔女商会(あんびるやすこ)

人間以外なら、だれでも知っている由緒ただしい魔女の店」のお話。設定がユニークなのにリアル(!)。また、18巻目までは、目次の次にある見開きの<絵>がストーリーの内容を貫いていて素晴らしい。特に、9・13・14・15巻のそれは見事だと思いました。而して、いずれにせよ、本シリーズは、あのUrsula M. Williamsの世界的な名作『魔女のこねこ ゴブリーノ』(Gobbolino the Witch's Cat, 1942)をゆったりまったり凌駕するかもしれない秀作、鴨です。

ちなみに、本シリーズは、姉妹シリーズの『魔法の庭ものがたり』との比較ではですが、より初級者向きという位置づけなのでしょう、多分。しかし、結果は、フランス料理の三ツ星レストランの姉貴分より、本シリーズが結果的により上級の読者にも満足される作品になっている、鴨。「ミシュランお墨付きレストランに街の普通の会社の社員食堂が勝った~!」という塩梅、鴨です。凄いぞ、シルク! やったね、コットンとナナ、です。


・ちいさなしっぽ協会(絵本作家・児童書作家-あんびるやすこさんのオフィシャルサイト)
 http://www.ambiru-yasuko.com/?page_id=135

 

めいちゃんの500円玉(なかがわちひろ)
 http://www.alicekan.com/books/500.html

モチーフは、ある意味ありきたりの、そう、『かわいいこねこをもらってください』(なりゆきわかこ/垂石眞子ポプラ社・2007年)と同じもの。而して、しかし、それは石井桃子さんの秀作、例えば、『ことらちゃんの冒険』と同じ素朴かつ強靭なテーストのものと言うべきか。しかも、出来栄えの点では、本書は、『テスの木: Tess's Tree(主婦の友社)に勝るとも劣らない、少なくとも、これまた世界的に評価の高い『ちいさなあなたへ』(主婦の友社)を凌駕する--比較の点では、ちなみに、『ママがおばけになっちゃった!』(講談社)も『ちいさなあなたへ』に迫る秀作だと思います。--一書、鴨。貨幣の本性と命の貴さを軸に平易に<社会のきずな>のあり方を描き切った出来栄えには感銘を受けました。

実は、作者のなかがわさんは、『テスの木: Tess's Tree『ちいさなあなたへ』、そして、『魔女のこねこ ゴブリーノ』の翻訳者でもある。翻訳家としての技量には定評のある方。そして、そう、確かどこかで、なかがわさんは、「ある時、血肉化している言葉というのかな。俳優の江守徹さんの翻訳された作品を知った時、目からウロコだったんです。英語を忠実に訳す、というのではなくて、こんなに大胆に核心をつかんでもいいんだ!と。言葉にはブレスがある。横書きの英語が、縦書きの日本語になり、空間に置き換えられ、息づかいにのるものなんだ、と。 翻訳のおもしろさに揺さぶられた瞬間でした」とか述べておられたと思うけど、<翻訳屋>としての志というか心意気も確かな人。

ならば、--出版社のアリス館に問い合わせたところ、まだその計画はないとのことですが--是非、本書の英語版の出版を希望します。アメリカといわず世界の子供たちとお母さん方に読んでいただくに値いすると思いますから。まー、ご専門(?)の絵の方は、--東京芸大出身だからでしょうかね、上手いんだけどパンチに欠ける節もなきにしもあらずで・・・。なにより、--いまいち今風ではないかもしれない。けれど、逆に、ひたすら大きなお目目の「可愛い~! Japanスタイル」でない分、欧米では読者やその保護者の方に安心感をもってもらえる、カナ(笑)。

 

学研まんが日本の古典 まんがで読む 枕草子 (学研教育出版)
 中島 和歌子 (監修) ←類書(マンガ版)の中でも出色の出来栄えだと思いました。
 http://hon.gakken.jp/book/1020408400

そして、

 

MAMOR-日本唯一の防衛省オフィシャルマガジン(扶桑社)
(防衛省が編集協力しているからできる肉薄取材で、その活動内容と、
 自衛官の素顔に迫る、わが国唯一の自衛隊オフィシャルマガジン)
 http://www.fusosha.co.jp/magazines/mamor/

予備自衛官ライターとして人気の岡田真理さんの取材記事も時々掲載されています。

それあいかわらず、実にわかりやすい。

・岡田真理のほじくりコラム-陸上自衛隊の予備自衛官
 http://okadamari.blog112.fc2.com/

しかし、特に、次のコーナーは秀逸。

「女性自警官の素顔に迫る!
 ちーぱか・すっぴん インタビュー」(マンが/文章 ちーぱか)

全自衛官の6パーセントにも満たない、約1万3000人の女性自衛官。”男社会”の中で働く彼女たちには、人知れない苦労や悩みがあるはず。そこで、制服に隠された女性自衛官の本音を探るべく、われらが秘密兵器”ちーぱか”が、さまざまな階級、職種の女性自衛官を訪ね、その心の内に迫ります!

 

 

 



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