またまた小田急線の中で見つけた英語の掲示です。
PLease set your mobile phone to silent mode, and refrain from talking on the phone.
(携帯電話はマナーモードに切り替えていただき、電話での通話はご遠慮ください)
この15語のセンテンスの中にはTOEICの初級クラス(TOEICで470点を目指すコース)を受け持ったら是非話したい論点が幾つも含まれています。例えば、11月のTOEIC本試験も近いので箇条書きしておきますと・・・。
①set ~ to・・・(=~を・・・に設定する)
②refrain from V+ing(=V+ingすることを控える/遠慮する)
は必須の構文でしょう。
Shall we set the hydraulic indicator to zero?
(油圧インジケーター(の目盛)をゼロにあわせましょうよ)
Please refrain from smoking in this building.
(本館内での喫煙はご遠慮ください)
さて、この表示で特に面白いなと思ったのは実は、"talking on the phone"の箇所です。「電話で話す」ですが、中学生・高校生だけでなくTOEICの中級レヴェルのスコアをお持ちの方(600点~730点)でも知らなければ使えないというか、類推ではなかなか出てこない表現ではないでしょうか。つまり、下記の空所補充問題が出されたとして、正解の(D)on を選ぶ方はむしろ少数派ではないかと私は思うのです。
I talked ( ) the phone.「私は電話で話しました」
(A)with (B)by
(C)about (D)on
ちなみに、
talk with the phone
=? 意味不明;しいて言えば、電話器を手旗信号の「旗」のように使って意思疎通する;cf. talk with him (=彼と話す), talk with one's fingers(=指を使って意思表示する)
talk by the phone
=(その)電話器のそばで話す
talk about the phone
=(その)電話器について話す
このような単語と単語の結びつきのことをcollocation と言います。即ち、collocation とは「ある単語と単語のある程度固有な結びつき」や「ある単語と結びつくことができる別の単語を考えること/そして、その二つ以上の単語が結びついたフレーズの意味を考えること」になりますが、collocation は英語を実際に使う場合には大変重要です。といいますか、実用英語に限定すれば英語の知識とは(文法・語法、単語やイデオムの知識の全てが)collocation の知識に他ならないと言っても過言ではありません。
例えば、ある動詞が自動詞か他動詞か(つまり、その後ろに直接、名詞(相当語句)を引きつれるのかどうか:discuss も contact も他動詞だから、discuss about her とか contact to himとか言っては駄目!);ある他動詞が第3文型~第5文型のどれとどれに使われるのか;ある他動詞がその目的語に不定詞と動名詞のいずれをとるのかは初級レヴェルでは花丸ぶち重要。
ちなみに、動名詞だけを目的語に取る他動詞(句)は?
appreciate, avoid, consider, enjoy, finish, mind, miss, be used to, look forward to, object to, what do you say to・・・
不定詞だけを目的語に取る他動詞は?
agree, allow, decide, expect, fail, promise, prepare, wish, want・・・
上で述べたどちらかと言えば文法の領域に近い分野でのcollocation はもちろん、一つ一つの単語がどの別の単語と仲良しなのかという単語レヴェルのcollocation もレヴェルが上になればなるほど大切になってきます。例えば、「今日のレッスンはこのプリント問題から始めましょう」の「~から始める」を日本語にひきづられて"start from ~"にしては駄目!;"start with ~"になります、とかとか。
実際、TOEICで中上級(730点~860点)の方が上級から最上級(?:各々860点~930点、930点以上)を目指す場合にはリスニングとリーディング双方でのcollocation の知識の充実度合いが結果を分けるのではないでしょうか、と私は思っています。
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