まだ溶け残る氷が朝日を受けて輝く午前9時のテニスコート。
気温は低いが、快晴、風力0。
やっぱり、レベルが上がっている。
ラリーが続くし、ネットプレーも決まる。ミスも少い。
こうなってくると、とても楽しい。
パートナーは高校テニス部の仲間。やはり、クラブ活動は、スポーツの楽しさを教えなければならない。
当時は、勝てなくて、大した戦績は残せなかったが、いまだにテニスは楽しい。
あのころの指導者たちに感謝している。
さて、全豪オープン、男子シングルス決勝、ジョコビッチは、強かった。史上初、全豪3連覇達成。
柔らかいテニス。柔道で言う「柔よく剛を制する」を体現していた。とにかく、どんな球も返す。
およそ無理の体制からでもウィナーを打ち込む。
つまり、どんな攻撃も柔らかく受けとめて、返すのである。今までに無かったプレイスタイルである。
しかし、もっとも感動したのは、優勝スピーチ。対戦相手、マリーと、そのチーム関係者を讃え、
大会主催者、メインスポンサーに礼を述べ、ボールパーソンをねぎらい、大会が盛り上がったこと喜んだ。
そして、最後に、
「この優勝カップは、私だけのものではない。皆で手にしたものだ。」
自分のことなど一言も語っていない。こんな素晴らしい勝利の弁を知らない。偉業を達成した直後ですよ。
出場することで、すなわち世界のトップクラスである。第一シードですら1回戦から勝ち上がらなくてはならない。
試合は、勝負である。実力のあるほうが勝てるほど単純ではない。1試合勝つというのは、大変なことである。
それを、6試合勝って優勝である。さらにそれを3年連続して成し遂げることなど到底、不可能に等しい。
なんとなく、ジョコビッチのプレイスタイルは好きでは無かった。強烈な個性を持たず、全てが90点のプレーなのだ。
面白くないと思っていた。しかし、今日のインタビューで、このジェントルマンの見方が変わった。
スポーツマンシップとは、謙虚とは、人格とは、品性とは、誇りを持って生きるとはどういうことか。
忘れてはならないことを、テニスで見せてくれた。素晴らしい選手である。