確かウィスキーのコマーシャルだったと思う。
TVで繰り返し美しい映像とともに見るにつけ、何か新しいもの、
今までに聞いたことのないこの音楽が聞きたくなってLPレコードを買った。
当時はこれがどうのというより、クラシック音楽がどうにも退屈だった。
何度か買取に出したが「キズ」多しとのことで売れずに手元に残っている。
退屈だなと思いながら、このイラストと歌詞カードの訳詩、そしてTVコマーシャルの
イメージが良かったので、時々引っ張り出しては聞いている。
例の新しいスピーカーで聞くと、今までなんとなくしか聞いてなかったこの曲が、鮮明な
イメージで眼前に迫ってきた。
空間に風が吹き、雨が降る。
広い草原を見下ろす丘で太陽が昇るのを待っている。
やがて東の空が金色に輝く。
鳥が歌い、草木はざわめく。
まさしく「大地の歌」が聞こえた。