「ラクス、その…これを。」
「私に、ですか?」
キラがおずおずと差し出した、手のひら大の小箱。彼女のイメージカラーでもあるピンクの包装紙に赤いリボンのついたそれを、ラクスは嬉しそうに手に取る。
「開けてよろしいでしょうか?」
「うん。」
キラはラクスが殊の外嬉しそうに受け取ってくれたことに安堵したのか、目を細めて微笑んだ。
ラクスは、その包み紙でさえも大事な宝物のように、新たな皺を作ることなく丁寧にはがし、同じくリボンもゆっくり丁寧に解いていく。現れた箱の中にあったのは
「まぁ愛らしい!これは、キャンディでしょうか?」
箱の中に入っていたのはコルク栓の瓶詰。その中には直径にして1cmほどだろうか。星型やハート型の色とりどりのキャンディが詰まっていた。
「今日って『ホワイトデー』だから。この前のバレンタインに、ラクスが美味しいチョコレートを手作りしてくれたのが嬉しくって。だから、贈りたかったんだ。喜んでもらえるのか不安だったけど…」
頭を掻きながら照れ臭そうに俯くキラに、ラクスは力を込めて首を横に振ると、瓶を頬ずりしながら頬を赤らめて応えた。
「こんなに嬉しい贈り物はありませんわ!ありがとうございます。キラ。」
・・・実を言うと、本当はラクスは気づいていた。無論、アコード能力の関係だ。まだどこか力を制御しきれていないラクスは、キラがここ数日、自分のことを想って何かしてくれていることに、心が触れてしまった。
だからこそラクスは懸命にこの日まで自重した。
キラが何をしてくれるのか、決して触れないように。
だからこそ、贈られた愛らしい小瓶に込められた思いが、殊の外嬉しい。
「あ、あと、これも///」
今度はラクスも想定外だ。キラが新たに差し出してきたのは、先ほどのキャンディーの小瓶より、さらに小さな手の平に収まるほどの紙袋。ラクスは今度は驚きをもって、それを開けてみると――
「凄く綺麗ですわ!」
それはネックレスだった。黒い革ひものペンダントヘッドには桜色の貝殻が付いている。
「付けてもよろしいでしょうか?」
「うん。」
ラクスが髪をかき上げたと同時に、キラがそっと留め具をかける。
「その・・・気に入ってくれたかな?」
「勿論です!」
ラクスは心から喜びはしゃいで見せる。その瞬間、「嬉しい」と「愛してます」という彼女の溢れんばかりの感情がキラの脳裏にダイレクトに届き、キラがたちまち顔を赤くする。
「その・・・よ、喜んでもらえてよかった///」
「キラからの手作りのプレゼント。ブルーもですが、こんな素敵なものをいただけるなんて思っておりませんでしたから。」
ラクスと同じくMIA認定されているキラも、今は滅多にアスハ家の別荘から外に出ることはできない。買い物だとすると母であるカリダに頼むことになるのだが
「キャンディはちゃんと僕が選んだんだよ。ネットで見て、ラクスだったらこれ喜ぶかな?と思うものを選んで、アスハ邸に届けてもらっていたんだ。もう、可愛いのがいくつもあるから、どれにしようか本当に悩んじゃって・・・」
戸惑い悩んだという、そんなキラの素直な告白を、ラクスは先ほどの彼同様、目を細めて聞き入る。
自然と入り込んでくるキラの意識。仕事の合間にいくつものネットショップを見て回り、候補を書きだしては消して・・・そんな作業を繰り返し、ようやく決めてくれたこのキャンディ。
できれば永久保存しておきたいくらいな気持ちにかられる。
(でも、このネックレスは?)
その疑問が無意識にキラに流れ込んでしまったのだろうか。キラが照れ臭そうに答えた。
「本当なら、手作りには手作りでお返ししたかったんだけど、キャンディって手作りできるものなのかわからなくてさ。だからキャンディは買うとして、どうしてももう一つラクスに手づくりのを贈りたかったんだ。そうしたらこの前、家の前の浜辺を歩いていたら、丁度綺麗な貝殻が目に入ったんで、ネックレスにどうかな?って思って。・・・ちょっと穴開けた部分とか歪になっちゃったけど、ごめんね。」
ラクスは今度も首を横に大きく振った。しかもその眼には涙がにじんでいる。
「こんなに素敵なネックレス。世界に一つきりですもの。一生大事にいたしますわ!」
そう言ってラクスはキラの胸に飛び込む。
「ラクス・・・」
呼ばれて見上げた彼女の顔は、本当に嬉しそうで。
何時しか心に流れ込んでくる彼女からの愛の感情に、キラはそっと唇を落として応えて見せた。
ひとしきり落ち着くと、キラは何気なく呟く。
「アスランも、カガリに贈ったのかな?キャンディ。」
並んでソファーに座りつつ、小瓶を大事そうに撫ぜながら、ラクスは答える。
「あのお二人は、当日にそれぞれ手づくりチョコを贈り合っております(※「Half&Half」参照)から。お返しも、お互いされているのかもしれませんね。」
「アコード能力で分かっちゃうの?」
カガリはともかく、アスランが今どこで任務にあたっているのかキラは知らない。例えキラであっても教えてくれない。流石に遠隔地まではラクスのアコード能力も届くのだろうか? するとラクスはクスクスと笑って見せる。
「あのお二人は、アコード能力を使わずとも、充分わかりますわ。」
「え?本当?」
目を丸くして驚くキラに、ラクスは珍しく得意気に答えて見せる。
「例えばカガリさんは、・・・そうですわね。言い方は悪いですが、政治的には”駆け引きの仕方を覚えた”ようですけれど、あの通り嘘偽りがない、心の真っ新なお方ですから、心の中は「オーブの平和を!」ですわね。」
「それっていつものカガリじゃない。」
「あら?キラはカガリさんがずっとアスランの事ばかり考えていたほうが、ご安心でしょうか?」
「いやいや!そうは言ってないよ!!むしろそれは嫌だ。」
「あらあら。」
ちょっと嫉妬に駆られて剥れるキラに、心から笑って見せるラクス。
キラは表情を戻し、更に尋ねる。
「じゃぁ反対に、アスランのことも分かるの?婚約していた時は、「心を見せない人」ってアスランのことを表していたのはラクスじゃない。」
「確かに、あの頃はそうでしたわね。でもずっと思い悩んでいたことだけはよくわかります。多分、キラと戦ってから、アスランは「戦士」であることに悩み続けておりましたから。でも今は迷っておりませんし。」
「そうだよね。迷っていたら、迷っている僕をぶん殴るなんてしないだろうし。」
「まぁ!アスランが!?キラを殴ったのですか!?」
目を見開き、一気に怒りのボルテージが上がったらしいラクス。この件は彼女を奪還する前の出来事だったため、ラクスはこのことを知らなかったのだ。キラは慌ててラクスを必死になだめる。
「違うよ!僕がグチャグチャ悩んでいたから、発破かけてくれたんだ。むしろ友達だからできることだよ。それで僕も目が覚めたんだし。」
それでもまだラクスはいかばかりか不服のようだ。流石のアコード能力であっても、男の友情と修正については理解は届かないらしい。
一息ついてキラは再度尋ねる。
「で、迷いのないアスランは、今は何を考えているのか分かるの?」
「わかりますが、キラにもわかるでしょう?親友なんですから。」
喧嘩のことを隠されていたからなのか、それともやきもちなのか、何故か機嫌を損ねたラクス。キラはご機嫌を伺うように探りを入れる。
「う~ん・・・やっぱり「任務」一直線かな? それがオーブの、何よりカガリのためになっているんだし。でも…」
キラは言葉を閉じて俯く。
あの二人にも幸せになってほしい気持ちは変わらない。
戦いの世界から身を引いた自分たちと違い、二人は今もオーブを守るために、戦い続ける道を選んでいる。
それがデスティニープランではなく、自由の意志の下に選んだ二人の道だ。
だとしても、こうして今自分はラクスと二人、静かに望んだとおりの生活ができていることを考えると、どこか申し訳ない気持ちになってしまう。
カガリが聞いたら逆に「お前はお前、私は私だ!それぞれがやりたいことを選んでいるだけだ。気にするな。」とお説教を食らってしまうだろう。多分アスランも「これが俺の選んだ道だ。心配するな。」と遠くを見ながら一言で終わらせてしまうかもしれない。
二人はファウンデーションの件の時から、殊の外、キラとラクスの気持ちに気づき、キラの曇った目を覚まさせてくれた。ラクスを救出するために、幾重にも作戦を考え重ね、リモート操作まで使って二人掛かりであのシュラを倒してくれた。それなのに自分は二人に何もしてあげていない。
するとそんなキラの強張った顔を、ラクスがその頬にそっと温かな手で触れてくれる。
「ラクス・・・」
「大丈夫です。あのお二人なら。」
彼女を見つめれば、安心させるような微笑みでキラを見つめている。
「そうか・・・そうだよね。」
二人は自分たちよりもずっと前に、恋に悩み、苦しみ、そこで二人の愛の形を見つけたんだ。
だから離れていても、きっと大丈夫。
***
そして同時刻―――
カガリの下に、一本の花が届いた。
差出人は―――不明。
普通、差出人不明の場合、毒物や爆発物などの危険があるため、内々に処分するのが常だが、確かに無害な生花だっただけに、警備員からカガリに直接問い合わせが来たのだ。
カガリは最初、怪訝に思いながらも
「その花というのは何だ?」
<はい、あの大きなユリの花でして・・・>
それを聞いた瞬間に、カガリは悟った。
「それは大丈夫だ。そのまま持ってきてくれ。」
<え?でも、しかし・・・>
「良いからもってこい。何かあったとしても、それは私自身の責任とする。」
そう言って内線を切れば、暫くしてトーヤがそれを持ってきた。
「カガリ姉様、これがそのお花だそうです。」
カガリは一目見てわかった。
『カサブランカ』―――カガリのエンブレムだ。
そして生花である以上、これはオーブ国内の花屋から贈られてきたものだ。
直接持参できない理由を持つ人間は、たった一人しかいない。
「ありがとう、トーヤ。それでなんだが…少し、席を外してくれないか?」
「え・・・あ!はい、わかりました!」
たちまち笑顔で退室していく次期代表候補。全く本当に聡い子だ。
カガリはクスリと笑むと、専用の回線を開く。
しばらく間があってオープンになったチャンネルには、いつもの優しい表情で彼が待っていた。
「私だ。今、大丈夫か?」
<あぁ。今メイリンと交代で、半減休息中だ。>
澄んだ翡翠が穏やかな光を湛えて答えてくれる。
「カサブランカ、ありがとうな。」
<よかった。無事に君の手に届いて。>
誰からか、何処から贈られたのかもわからない。でもカガリだけはちゃんと分かる。
「それにしてもいきなりなんだよ、花なんか贈ってきて。珍しいな。」
<今日、ホワイトデーだろう?>
「ほわい、と・・・あ、あぁ。」
White Day―――バレンタインのお返しに、男性が女性にお礼をする日だったっけ。
「でも、お前からもチョコ貰ったんだから、イーブンでチャラじゃないのか?」
カガリがそういえば、アスランは少し頬を赤らめながら、視線を外し気味に答える。
<確かに俺も作ったけれど、日々公務に忙しい君が、僅かの時間だけでも俺のために割いてくれたこと。そんな貴重なチョコレートを俺にだけくれたんだから、お礼だってしたかったんだ。>
「そうか・・・ありがとうな。」
笑顔でカサブランカを抱くカガリ。だが、いまいちアスランの表情が晴れない。
どうしたんだ?と尋ねようとすると、アスランから先に口を開いた。
<でも、すまない。本当ならキャンディを贈るのに、花なんか贈ってしまって。>
カガリがアスランの言葉に眉をピクリと動かす。
「何だよ、「花なんか」って。心の籠った立派な贈り物じゃないか!」
カガリの抗議の声に、アスランが慌てた。
<い、いや、その、花を贈った後、メイリンに聞いたら「普通は花は贈りませんよ!?だって花は枯れるんですよ?つまり「愛が枯れる」ことに繋がるって知らないんですか?」と説教されて・・・>
「その理屈だと、キャンディは「溶けてなくなる愛」になるんじゃないのか?」
<俺もそう言ったらメイリン曰く「『甘く溶けるような愛』として、心に染み入るから良いんです」だそうだ。>
「メイリンらしい理屈だな。」
そう言ってカガリは笑う。理詰めで来るアスランに対し、女性の感覚を押し切る戦法を使うメイリンを相手にしたら、流石のアスランでも永遠に勝てないだろう。
「それなら、このカサブランカの香りが、甘く溶けるように心に染みたから、充分だ。」
<本来ならバラの方がいいのかと思ったんだが、どうしても君を想うとこの花が思い浮かんでしまって・・・>
白のカサブランカの花言葉は「純白」「無垢」 。国主として代表として、皆の前に立つ為政者にとっては、これ以上のありがたい言葉はない。
カガリはゆっくりと目を閉じ、首を横に振る。
「ううん、凄く嬉しい。アスランが私をこう評してくれているなら、私も自信が持てる。」
<そうなのか?>
「あぁ、そうだ。」
真っ直ぐ見つめ合った視線が重なると、二人そろって笑い合う。
<本当なら、ちゃんと手渡ししたかったんだけどな。>
少し残念そうなアスランに、カガリはまたも首を横に振る。
「大丈夫だ。例えこの贈り物がなくても、私はお前が生きてくれている・・・それだけで本当に毎日嬉しい。」
<カガリ・・・?>
カガリはカサブランカをデスクの上に置くと、今度は頬杖をつき、モニターの向こうのアスランに視線を定める。いつもと違ってどこか甘い視線は、アスランを甘い檻に閉じ込めたように、彼も視線一つ動かすことさえできず、彼女に見入る。
「ずっと思っていたんだ。私たちはお互いを想うが故に、行き違ってしまっただろう?お前が一時デュランダル議長の下に行って、オーブとの距離ができてしまったあと、ボロボロになりながら戻ってきてくれて。あの後、最終決戦の前に私はお前と共にあることより、今やるべきことを選んだ。それでお前が私の元を離れるなら仕方ない、ってずっと思っていたんだ。でもお前は、そんな私を待ってくれる。私を守りながら、私の選んだ道ごと私を愛してくれて。・・・これって、きっとすぐ傍にいたら気づかなかったんだ。」
カガリは姿勢を正し、改めてアスランに向かう。
「私も気づいたんだ。愛されることも勿論だが、「愛することが幸せ」だって。だって、誰より愛するお前が生きてくれているって、こんなに嬉しいことは無いじゃないか。例えお互いがどこで生きていても、丸ごと愛し続ければいい。それは離れたことで、ようやく気付けたんだ。だからアスラン、お願いだ―――」
カガリは告げる。
「絶対死ぬなよ。」
アスランは目を見開いた。今までは自分がカガリに気持ちを伝えることが先で、彼女からの気持ちを聞くことは無かった。
いや、寧ろ自ら彼女に「愛する」と直接言葉にして伝えたことは無い。それがまさか彼女の方からこうしてはっきりと告げてくれるなんて。
だったら、男として、彼女の唯一のパートナーとして、今答えるべきことは―――
<絶対死なない。カガリ、俺も君を愛しているから。君をもう泣かせることはしない。>
「―――っ!///」
今更はっきり告げられたことに動揺したのか、カガリがたちまち赤くなる。
相変わらず、自ら行動するのは構わないのに、相手からされると動揺するのは何時になっても変わらぬカガリだ。
そんな彼女の素顔に、アスランが安心したように笑う。
するとカガリは
「と、ところで、私にくれたチョコレートのお礼をするのをすっかり忘れていたなっ!/// それで、だ・・・アスラン。」
彼女は一度座り直すと、彼に向かった。
「画面ギリギリまで近づけ。」
<は?>
「いいから!モニターに左の頬をくっつけろ!」
<??・・・これでいいのか?>
意味が分からず、アスランは言われたとおりにモニターに左の頬をくっつける。と―――
(―――っ!)
二人の間は今一体何km離れているだろう。
何百、いや、何千だろうか、あるいは何万・・・
でも確かにアスランに伝わってくる左頬に受ける―――カガリの柔らかく、温かい唇
言葉ではなく、確かな思いと熱が、二人の距離を0にした。
手を握り合えなくとも、身体を寄せ合わずとも、それでも確かに互いを感じ取れる。
カガリはゆっくりと唇を離すと、自然とアスランもモニターから離れる。
すると、その後は早かった。
「その、今年はホワイトデーの贈り物を贈れなかったから、こ、これで勘弁しろよな!じゃぁ!――<ブツッ>」
アスランの顔を直視できず、慌ててモニターのスイッチを勢い良く切ったあと、俯いたままのカガリの顔は、もう真っ赤だ。
「ハァ~~~~~~・・・///」
やってしまった。
自分からアスランにキスをしたのはバレンタインの時以来だ。
あの時は傍にいたから直接できたが、まさかモニター越しにやってしまうとは。
「監視カメラに残って・・・いるよなぁ・・・」
稀有な行動にあとで警備から問い合わせ、いや、突っ込みが来ないといいのだが。
ようやく落ち着いて顔を上げると、そこには大輪のカサブランカ。
「・・・ま、いいか。」
この花の通り、純粋で真っすぐな思いを告げられたこと。
今この場にいない、アスランの代わりに、カガリはそっとカサブランカを抱きしめた。
***
「そっか。ちゃんとアスランからカガリに、ホワイトデーのお返ししていたんだね。」
キラとラクスが向かうモニターの向こうには、メイリンの姿が。
<よかったね~、って手放しできる状況じゃなかったんですけど。>
そう言ってメイリンは、どこか楽しそうにしながらため息を一つついて見せる。明らかに「突っ込んで聞いてください♪」というジェスチャーだ。
「何かあったのですか?」
ラクスが問えば、待ってました!と言わんばかりにメイリンが話し出す。
<それがですねぇ~うちのリーダー、通信で何を言われたのかわからないんですが、カガリさんとの通信を終えた後、休息中だったのに、いきなりキャバリア―のブリッジに来ましてね。
―――「・・・今からオーブに戻る!」
―――「は?アスランさん、何言っているんですか!?ここからオーブまでどれほどの距離があるのか―――」
―――「君はここにいてくれ。俺はジャスティスで向かう!」
いや~もう眼を見たら、なんだか瞳孔が開きっぱなしの凄い圧で、結局私を残してそのまま一昼夜、オーブまで飛んで行ったんですよ。で、帰ってきたら
―――「ただいま・・・」
―――「お帰りなさい、アスランさん―――って、どうしたんですか!?そのほっぺ!」
見事に真っ赤に腫れあがったほっぺで帰ってきたんですよ。その後はもう、部屋に一人引きこもってジメジメしちゃって…>
「もしかして、オーブに行ったって、まさかカガリに会いに、わざわざ数千Km飛んで?」
キラが問えば、ヤレヤレとばかりにメイリンが苦笑する。
<いや、どう見てもカガリさんのところまですっ飛んでいった時の顔は、明らかに発情していましたからね~w 多分襲い掛かってカガリさんに殴られたかと♥ まだ素手でよかったですが、そのうちMS同士でバトルしないか、私としては心配で心配でw>
心底楽しそうに語るメイリン。だが「あらあら」と微笑んでいたラクスの横で、キラがガタガタと震えだす。
「キラ・・・?」
「・・・させないよ。」
<あの…キラさん?>
キッと顔を上げたキラの瞳は、既に種割れしている。
「アスランからカガリを守らなきゃ!そのためには、まずルージュのOSを新たに開発しないと!ただでさえ、型落ちのルージュなんだから、エクリプス以上の性能に機体も直さないと!」
「キラ!?」
ラクスが呼び止めるより早く、キラは血相を変えながら部屋を飛び出していた。
<行っちゃいましたね。>
「行きましたわね。」
<あの、大丈夫なんでしょうか?>
「はい、大丈夫ですわ。平和な時にしかできない、いつもの事ですから。」
「はい、大丈夫ですわ。平和な時にしかできない、いつもの事ですから。」
そう言って、にこやかにラクスは笑った。
・・・Fin.
===
突発SSです。今日はホワイトデーということですが、「そういえばバレンタインはSS書いたけど、どうしようかな…」とプロットも切らずにタラタラ書き出したので、山も落ちもない内容になりました。なので、ブログに書きなぐりで終了です。
真面目で幸せなホワイトデーにして終わる予定だったはずなのに、最後はどうしても「彼の秘密シリーズ」みたいなアスランになって終わってしまいました(爆) まぁ、かもしたの「いつもの事、いつもの事┐(´∀`)┌ヤレヤレ」ってやつですね。
間違って読んでしまった方、お時間を無駄にさせてしまい、申し訳ありませんでした<(_ _)>
余談ですが、今日宅配便が届いていまして、何かと思ったら、『呪術廻戦×極楽湯』コラボの時、通販していた『五条悟の牛乳瓶入りミルクキャンディ』が届いていました(笑)
確かコラボって昨年の11月だった気が。えらく昔で忘れてたよ💦
アクスタとかいろんなグッズも届きましたが、まさかのホワイトデーにキャンディを悟から貰った買ったと思わなくって、幸せだわ♥(*´艸`*)
キャンディというと、直ぐにファフナーのカノンちゃんを思い出してしまうんですが、悟のおかげで少し明るくなりましたv
皆様にも幸せなホワイトデーが訪れておりますように♥
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