うたたね日記

アニヲタ管理人の日常を囁いております。

アスカガ運命の出会いの日記念SS①『Love-in-a-mist』

2025年03月08日 00時00分53秒 | ノベルズ
「馴れ初め」とは、つまり「恋のきっかけ」―――
後に互いに恋心を抱き、恋仲となっていく二人にとっての初めての出会い。

だが、これは「馴れ初め」という簡単な言葉では済まされない。
それほどに強烈で、鮮烈な―――まさに、「運命の出会い」だった。

戦争をしていたんだ。ナチュラルとコーディネーターは。
コーディネーターという存在を恐れた過激なナチュラルが、何の変哲もない農業プラントに核を撃ち込んだ。
何をしたわけでもない―――ただ「存在が怖い」というそれだけで。
そこから一気に全面戦争の体をなしたこの世界で、本来ならば、出会うことのなかった二人が出会ってしまった。
これを「運命」と言わずして、何と例えようがあろうか。



ユニウスセブンへの核攻撃で母親を失い、この繰り返される野蛮な行為を止める一助となりたくて、俺はザフトに志願し、戦闘に出た。
その決意は揺るがなかったはずだった。

なのに―――心が揺れた。
一人は幼馴染の親友が、事もあろうに連合軍、ナチュラルと共に敵対して来たこと。

そしてもう一人は、あまりにも理解できなかった。
南の島で出会った少女は、純粋で、無邪気で、無自覚に俺の心を揺さぶった。
自分と対照的な性格。だが、戦う理由は同じだった。
まるで合わせ鏡のそれだ。陣営が違う、ただそれだけで。

その時、初めて気づいた。
「敵=悪」ではなかった。
戦争とは「正義vs悪」ではなく、「正義vs正義」という矛盾をはらんだ物だったと。
彼女との邂逅は、信じて疑わなかった俺の正義に、見事なまでに一石を投じた。
そして、矛盾を抱えたままの俺は、なすすべなく戦争という悲劇の渦に飲み込まれ、

キラを―――殺してしまった

自分の正義のためなら、例え友人であっても手にかけたことは間違いではないはず。
なのに、なんでこんな苦しみと喪失感に襲われるんだ?

―――「殺されたから殺して、殺したから殺されて、それで最後は本当に平和かよ!?」

そうだな。本当にその通りだ。
俺が抱えていた矛盾を、彼女は見事に言葉に変えて、俺にぶつけてきた。
無遠慮に俺の心に入り込んでくる彼女―――「カガリ・ユラ・アスハ」。
憎むべきナチュラルで、考えなしの猪突猛進。俺の一番苦手なタイプなはずなのに、気づけばその輝きに焼かれていた。
友を撃たれ、更に親友を手にかけたと思い、もはやボロボロの廃人になりかけた俺の心を何時も救い出したのは、彼女の言葉。
空気も熱もない、宇宙空間とは違った、命を生み出してくれる母のような、あの温かな地球そのもののような彼女という存在。
この無慈悲な戦場で、一瞬のうちに、その命を簡単に消してしまう過酷な環境で、たった一つ手に入れた俺の宝物。
君は俺の心を守ってくれた。俺にとって必要な欠くことのできない存在。だから誓った。君だけじゃなく、俺自身に。

「君は、俺が守る」と―――


***


「あれ?アスランさん、お出かけですか?」
データをまとめていたメイリンが、ふとコートに腕を通すアスランを見て顔を上げた。
「あぁ、ちょっとオロファトまで行ってくる。」
「オーブに、ですか?でも帰還命令出ていないですよね?補給もこの前、したばかりですし・・・」
指を折りながらアスランの行動要因を探るメイリン。すっかりデータの鬼と化していた。
「すまない、今回は私用だ。」
表情も変えずに淡々と言葉にしたはず。なのに、それを聞いたメイリンの口角が、みるみる上ずっていく。
「なるほど~そうですか。よかったですね~存分に補給してきてください♥」
「何を考えているかは知らないが、メイリンの想像するようなことじゃないよ。」
そう言ってアスランはいつも通りの準備をする。
コートの内側に用意してあるベレッタの弾数を確認し、通信用の携帯と共に仕舞い込む。
しかしメイリンがアスランの手元を見ると、今日に限って、そこに不釣り合いなものが一つ目に入った。
(青い花の花束・・・?普通、彼女さんになら、真っ赤なバラとかの方がいいのに…)
その花に込めた思惑に、メイリンは気づくはずもなかった。


―――続きはこちらから。


***


毎年恒例、この日がやってまいりました!
本日は『C.E.71. 3.8 アスカガ運命の出会い記念日』です♥(*´▽`*)/🎉オメデトー!

でも正確には「3月7日にアスランの輸送機とカガリのスカイグラスパーがニアミスをしてしまい、交戦。そして一夜を明かした8日の朝に互いに名を教え合って分かれる」という流れなので、記念日でしたら3月7日の方が「運命の出会い記念日」になるのでしょうが、本放送で24話「二人だけの戦争」を放送した日が2003年3月8日でしたので、もうすっかりアスカガクラスタさんの間では「3月8日」が記念日になってしまっているのです。

初めて24話を見た時は、本当にびっくりしましたね。
何がって、アスランがあんなに笑ったり喋ったりしたのって、放送開始以来初めてだったので。
とにかくそれまでは、口を開けば「キラ・・・」ばかり。そしてキラは「うぁあああああ~~💦(泣)」ばかり。
ラクスと「穏やかな日々に」を過ごした時だって、微笑みはしましたけど、笑うことってまるでなかったので、「あのアスランが笑っとる!Σ( ̄口 ̄;)」って仰天しましたから。
OPで散々キララクは運命的に出会い、惹かれ合うように描かれていましたけど(裸ダイブですね)、アスカガは1&2OPは銃を向け合う形でしたので、敵として出会うんだろうな、と示唆されていた気がします。見事にミスリードを誘ってくれましたね! 
そしてなんて言いますか、戦争真っただ中でありながら、どこか年相応のボーイ・ミーツ・ガールでホッとさせられるような、無邪気さが可愛いといいますか。「あぁ…そうだよ、このくらいの年齢の子たちの反応って、これが普通なんだよ」と逆説的に戦争の悲惨さを感じましたもの。
銃を向け合い、そして言い争い、やがて背を支え、そして想いを募らせる(※無印ではアスランからが主)・・・

滅茶苦茶ドラマチックじゃないか!!(主人公CPより)

と見事に罠にハマりましたヲタクがここに一人σ( ̄▽ ̄*)♥
凄いよね、だってもう22年経っているのに、未だに推しNo.1ですもん。
地味に創作活動してますが、同じCPで22年も続いているのって初めて。というか、多分、アスカガ以上のツボにはまりそうなのは、この先なさそうな気がしますw

さて、劇場版でアスカガは一言も言葉を交わすことも、面と向かい合って話すことも、一つとしてシーンがなかった(※エピカ2は除く)のに、見事なまでに二人の絆や信頼が描かれ、それによって再燃させられ、新たなファンも獲得しているCPってそうないと思います。
まだまだSEEDシリーズは続きそうですし、これからもずっと見守っていきたいですね♥

そしてタイトルで①と書いてあります通り、今年は記念SSを2本用意しました。・・・というか書いちゃったw
②の方は、もう一度修正して午後辺りにUPしようと思っております。
①は御覧の通り、ストイックないわゆる「白ザラ」ですが②は「黒ザラ」(笑)でお送りします。はい、つまりは年齢制限ありです。
懐かしいな~20年くらい前のアスカガクラスタさんの中では、ピュアな「白ザラ」と、対局な「黒ザラ」で、作風について色々お茶会(チャット)で語り合うの楽しかったですね~♥
ということで、②につきましては良い子の大人の皆さんで、ご興味ありましたらまた覗いてみてやってください(^^ゞ

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