KANCHAN'S AID STATION 4~感情的マラソン論

マラソンを愛する皆様、こんにちは。
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ニューイヤーズ・デイ・イン・ブルー

2005年01月04日 | 駅伝時評
元旦早々、沈んだ気分になっていた。今どきの言葉で言うと、へこんでいた。

元旦の夜、痛風の発作が出て以来、控えめにしていたビールを多めに飲んで、8時には寝てしまった。

落ち込んでしまった最大の理由、それはニューイヤー駅伝での旭化成の予想外の不振である。
今年は優勝もあるかと思っていたが、過去最低の15位。それも、同じ九州の安川電機、九電工、三菱重工長崎にまで敗れるという大惨敗だった。

ちなみに、僕のトップ10予想と、現実の結果を比較してみる。左が僕の予想で、右が実際の結果である。


優勝 旭化成       コニカミノルタ
2位 中国電力      中国電力  
3位 ホンダ       日清食品
4位 コニカミノルタ   カネボウ
5位 トヨタ自動車九州  ホンダ
6位 カネボウ      スズキ
7位 トヨタ紡織     トヨタ自動車
8位 日清食品      富士通
9位 富士通       山陽特殊製鋼
10位 三菱重工長崎    九電工

ちなみに、トヨタ紡織は12位、三菱重工は14位、トヨタ九州は18位。

コニカミノルタと日清の評価を下げていたのは、それぞれのチームでエース格の選手、コニカの坪田智夫と日清の徳本一善が欠場と聞いていたからだ。(この2人の法政大時代の箱根での走りも懐かしい。)中電も、マラソンのトップ3(油谷繁、尾方剛、佐藤敦之)に続く若手が育っていないと見ていて、優勝は厳しい、と見ていた。(結果的に、この予想は的中した、と思う。)

2001年以降、現在の距離となって以来、2区22.0kmがひとつの見せ場となった。どのチームもエースを投入してくる。今回も高岡寿成(カネボウ)と松宮隆行(コニカミノルタ)の攻防が見応え十分だった。油谷、諏訪利成(日清食品)の五輪入賞コンビもチームの順位を上げたのはさすがだった。小島忠幸(旭化成)も、1区での大野龍二の出遅れを取り戻す走りを見せた。(この数年、旭化成はスタートでの出遅れが目立つ。)その小島、諏訪と競り合っていた川上智幸(日立電線)。この選手は、今回の隠れた収穫かもしれない。元日本記録保持者の藤田敦史の故障がなかなか回復しないのが心配な富士通の2区は、入社以来、なかなか出てこなかった野口英盛が務めた。ようやく、学生時代のレベルに戻ってきたか。

カネボウは久しぶりに、優勝争いに加わり、レースを盛り上げたが、勝負が決まったのは後半。4区でコニカミノルタはチーム最年長のキャプテン、磯松大輔の激走でトップに踊り出る。3区のムツリが意外と伸びなかった分も埋め合わせるような走りだった。
一方、中国電力も出遅れながら、5区の佐藤敦之が2位にまで追い上げた。トップのコニカミノルタは、昨年のこの区間で佐藤に逆転された、隆行の双子の弟、松宮祐行。
「去年の二の舞はごめんだ。」
とばかりに、逃げ切った。佐藤に次ぐ、区間2位の走りだった。

旭化成はここからが悪かった。佐藤からやや遅れて、同学年のライバル、永田宏一郎がタスキを受けて飛び出した瞬間に思わずテレビに向かって、
「行け!永田!」
と叫んだのだが。

中電の6区、ニューイヤー初出場の重成英彰がふんばり、トップと並んだが、アンカーはコニカミノルタの前田和之の方が1枚上手だった。
2区の松宮隆行が2年前の熊日30kmで1時間28分36秒の世界新記録で優勝した時、2位でゴールしたランナーである。しかも、その1ヶ月半前のニューイヤー駅伝に彼はメンバーから漏れていたのだ。30kmで90分を切るランナーが、外れてしまうところが、コニカミノルタというチームのおそろしいところだとその時、思った。1区の太田崇も30kmで90分を切っている。やはり、ハーフから30kmのレースで優勝を争える選手を複数育てることが駅伝必勝の道だろう。

僕の予想以上に順位を上げていたトヨタや九電工は、5区以降の選手がしっかり走っていた。スズキも「最速助っ人」マーティン・マサシが3区の区間新記録で作った貯金を守り抜いての6位。チーム全体のレベルも底上げしているのだろう。

初出場で話題となった自衛隊海田は苦しい戦いとなった。NTT西日本の本拠地移転で中国地区の枠内に入ることができたが、中国地区予選6位だったが5位のマツダとの差は6分35秒。メンバーの持ちタイムも10000m29分台の選手が一人、と実力差は歴然としていた。

自衛隊の関係者には失礼かもしれないが、これなら、NTT西日本の本拠地移転に伴い、中国地区の枠を関西地区に移転しても良かったのではと思えた。その激戦区である関西を勝ち抜いた山陽特殊製鋼の力も過小評価していた。反省。

旭化成ファンとしては、15位とは言え、6位スズキとの差が44秒というのに、一抹の望みをつなごうと思う。朝日駅伝、さらにはマラソン&ロードレースで汚名挽回に期待したい。

そして、昨年は解説者席で「問題発言」を連発していた、瀬古利彦さん。今年はそつなく解説の仕事をこなしていたが、来年は、監督室に戻ってきて欲しい。




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