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大阪在の友達が観るというので、鑑賞予定にはなかったが。
末広亭の通りのタイ料理屋台で、カオマンガイを食べてから、新宿ピカデリーはやはり11階。
主人公は定年退職のその日まで、謹厳実直に働いた鉛筆会社のサラリーマン。妻は18年前に亡くしている。定年の翌日からすることがないので、地域のラジオ体操会に参加しながら、便利屋に籍を置いている。
ラジオ体操会に参加する人たちの、人間模様が描かれる。人が3人以上集まれば、複数の派閥が生まれます。便利屋では後に娘のカレシと判明する男と同僚になる。
草刈正雄、若い時はイケメンが先に立ち、演技力が霞んでいたが、老年にさしかかった男の悲哀と、真面目ゆえに融通が効かない男を、切なく演じている。
娘(木村文乃)のカレシ役の渡辺大知(黒猫チェルシー)が、今作でもいい味を出す。
この作品のラストは予定調和で終わるのだが、教訓としては、男の虚勢は決していい結果を招かないぞ!ということ。
娘のささやかな結婚パーティーでの父の挨拶。決して噛み合わなかった娘に贈ることばに、泣けてしまった。