落葉松亭日記

ニュース・評論スクラップ、凡夫の日々雑感、山歩記など

事勿れ主義・奪われる竹島

2007年02月16日 | 政治・外交
 竹島に韓国民が移住するというニュースがあった。
独島に10世帯20人が暮らせる村造成へ 2007/02/15 朝鮮日報/朝鮮日報JNS
 独島(日本名竹島)に10世帯20人が暮らすことができる「多世帯村」が誕生する見通しだ。
 慶尚北道鬱陵郡の独島管理事務所は14日、領有権を主張する日本の挑発を一蹴し、独島の実効的支配を強化するため、独島に10世帯程度が暮らせる多世帯村を作る計画だと明らかにした。
 鬱陵郡は村を独島のどこに作るか、1カ所にまとめるか分散させるかなど、位置や規模を専門機関とともに決定する予定だ。また郡庁に「独島漁村係」を新設し、漁業免許権を与え、実質的な領有権を強化する方針だ。
 鬱陵郡はこのため、来年までに6億5000万ウォン(約8361万円)を投入し、西島の古いコンクリートの階段を親環境的な木材で作り直し、船を陸に引き揚げる施設も拡張することにした。
 鄭胤烈(チョン・ユンヨル)鬱陵郡守は「日本の島根県が領有権の挑発を続けている状況の中で、実質的な領有権を確保するためには住民が居住する村を作る必要がある」と話した。
大邱=チェ・ジェフン記者

 島根県は竹島100周年を迎えるにあたって「竹島の日」条例を制定した。しかし肝心の外務省が批判的な見解を示したという。
 久間防衛大臣はインタビューで朝鮮日報の記者に「独島(日本名竹島)をめぐる韓日両国の武力衝突が起こる可能性はあると思うか?」との問いに以下のように答えていた。
 「自衛隊が発足した時、既に韓国が実効支配していた。これを武力で取り戻すということは、日本にとって憲法を改正しても不可能なことだ。従って外交努力によって解決方法を探らねばならない。現在の国際司法裁判所が国内での裁判のように決定する権限を持っているわけでもないし、国連にも解決する力はないのではないか」
東京=鄭権鉉(チョン・グォンヒョン)特派員 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 2007/01/24

 下條正男拓殖大学教授がこの問題で以下のように指摘している。
 山陰中央新報 特集記事より一部
 日本政府が真剣に模索しないのはなぜか。
 「日本政府は口を開けば『冷静な話し合いで解決を』と言うが、実際には話し合いの準備すらしていない。日韓基本条約締結後に少なくとも2回、竹島の領有権問題を解決する機会があった。最初が、既に述べた1990年代の新日韓漁業協定の協議の場だったが、逃げ腰で、何の進展も得られなかった」
議会や島根県が『竹島の日』条例を制定したことで世論の関心が高まり、今までなら言い出しにくい雰囲気すらあった竹島の領有権を堂々と主張できる環境が整っていた。ところが、小泉純一郎首相は議題に挙げないどころか、一言も触れかった」

 何が背景にあるのか。
 「事なかれ主義だ。両国政府は今年を日韓友情年と位置付けるが、日本政府は竹島の領有権問題を棚上げすることが、友好であるかのように勘違いし、墓穴を掘っている。一方、韓国は着々と理論武装を進めている。予算をつぎ込み、青瓦台(韓国大統領官邸)のホームページで、竹島を自国領とする根拠や日本の横暴さを世界に発信するなどしている。また、北朝鮮との南北統一旗にも、竹島をデザインしている」

 「竹島問題は日韓関係の入り口だ。日本側が領有権を主張するから、親善が深まらないのではなく、主張しないから、韓国側の誤った歴史認識が広がり、いつまでも過去が問題とされ、うわべの友好にとどまっている。日本がアジア社会の中で、従来通りに表面的な交流を続けるのか、真の交流を築くのか。竹島問題への対応は、日本外交のリトマス試験紙と言える」

 日本固有の領土が唯々諾々と略奪される瞬間だ。